ボーナスの減り方でわかる、家計の良好度と正しい使い方
こんにちは。家計再生コンサルタントの横山光昭です。
もうすぐ、待ちに待ったボーナスシーズンです。2016年冬のボーナスは、わずかながらに増加の見通しとか。支給される方にとっては、とても楽しみですね。
さて、皆さんは、ボーナスの使い道を決めましたか? と言うのも、実は”ボーナスの減り方”が、家計の状況を示しており、私も家計良好度のバロメーターにしているくらいです。さあ、あなたの家計良好度はいかがでしょうか?
横山光昭(よこやま・みつあき)/家計再生コンサルタント
家計の借金・ローンを中心に、盲点を探りながら抜本的な解決、確実な再生を目指す庶民派ファイナンシャルプランナー。個別の相談・指導では独自の貯金プログラムを生かし、リバウンドのない再生と飛躍を実現。これまで1万人以上の赤字家計を再生している。独自の貯金法などを紹介した『年収200万円からの貯金生活宣言』『貯められる人は、超シンプル』など著書多数。各種メディアへの出演・執筆や講演などでも活動している。公式サイト
あなたのボーナス、いくら残りますか?
ボーナスは毎月の生活費にしなくてもよい、まとまった収入です。「何に使いますか?」という調査があるたびに「貯蓄」が1位になるのですが、反面「ボーナスが出てもすぐなくなります」という人が、今も昔もいます。
無くなってしまう原因は、ボーナスの使い道が決まりすぎていること。たとえば、「これまでの毎月の赤字を補うのに、ボーナスが出たので20万円を補塡。住宅ローンのボーナス加算額の支払で10万円。自動車ローンのボーナス払いで6万円、クレジットカードの買い物のボーナス払いが5万円」など。こんなお金の使い方では、あっという間になくなっても無理がありません。
2015年の民間企業(事業所規模5人以上)の冬季賞与の平均額は37万円ほどで、三菱UFJリサーチ&コンサルティングによると2016年は0.4%ほど増加の見通しです。しかし、先ほどのような支払い方では、余らせて貯蓄に回すことは難しそうです。
冬のボーナスがすぐに無くなる人は、クリスマスや年末年始の支出、その他の大きい支出はボーナスで払えばいい、と思っています。しかし、いろいろな支払いの予定があるし、支給される額以上の支出が必要となってしまっており、結局は足りません。赤字部分はクレジットカードを使って何とかしのぎ、まわしていこうとしますが、翌月も同じ状況で、悪循環のまま。だんだんと悪い方向に向いていきます。こういう状況に気づいたら、改善に向かう策を検討していかなくてはいけません。
あなたの家計は赤点? 優等生?
「赤点」家計であるかどうかは、ボーナスがどう動くのかでわかります。毎月は黒字だとしても、ボーナスは右から左へお金が流れ、あっという間に無くなります。支払予定が多いだけではなく、毎月の赤字に気がつかず、自然にボーナスで補っているケースがほとんど。クレジットカードのボーナス払いを多用しているケースも同様です。
対極の「優等生」家計は、ボーナスの使い道をよく考え、有意義に使っています。資格取得でスキルアップなどの自己投資、 日ごろがんばった自分や家族へのご褒美にちょっと贅沢して旅行や食事、ストレス発散に心と体を癒すなど、本来の目的どおりに使っています。
両者の違いは、毎月収入の中で生活できているか否か。毎月、限られた予算のなかに家計が収められればボーナスは日ごろできないことに使えますし、収められなければ、生活費にも充てていくしかないのです。
「使い方」でわかること。「減り具合」でわかること
ボーナスはおもしろいことに、その使い方と減り方で家計の良好度が鮮明にわかります。
・「使い方」からは”将来設計度”
・「減り具合」からは”(経済的)体力度・良好度”
家計状態が推測でき、把握もできてしまうのです。
10年後にマイホームを持ちたい、3年後に車を買い換えたい、1年後に結婚したい、 2年後と4年後には子どもが進学する、などの目標や目的があると、”使い方”に表れます。「そのために貯蓄しなくては。長いローンを払っている場合じゃないぞ」となり、そこからは将来設計度(ライフプラン)がうかがえるわけです。
“減り具合”には、企業でいうキャッシュフロー(財務の健全性を表す指標の一つ)のような部分が表れ、その家計の総合的な体力度合や良好度が推測できます。体力があるとボーナスはゆっくり減るし、体力が無い・パンク(破たん)していると即座に減っていきます。
「ボーナス残すぞ計画」をスタートしよう!
ボーナスが早く無くなってしまう方には、耳の痛い話であったかもしれません。ですが、少しずつでも家計を良い方向へ転換させるヒントにしていただければと思います。
現状で既に抱えた長期の負担(住宅ローンなど)を減らすことは容易ではありませんが、短期の負担(キャッシングやクレジットカードの利用など)は工夫次第で確実に軽減できます。
手取りがどんどん減っていると言われている今、ボーナスまで使い切るというのはよくありません。老後資金や教育資金など、お金について心配することがたくさんあります。
ボーナスというありがたい一時金を生かすも殺すもあなた次第。ボーナスが出るぞ、という方は、とても有意義に使えるうれしいものにしてください。そして、「ボーナス残すぞ計画」はじめてください。
(横山光昭)
Photo by Shutterstock.
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