筆者はいまだに二つ折りの財布を愛用している。理由はポケットに入って便利だし、改札を通るときだってパッと出しやすいから。なんといっても長年使っている財布のほうが安心なのだ。少し前に流行ったマネークリップも嫌いではないが、結局一、二度使ってお蔵入りの状態。財布と定期入れは一つにできたのだがさすがに財布を無くすまでには至らなかった。あなたは財布に関してなにかこだわりをもっているだろうか。
最近、筆者は財布を卒業するべきか真剣に悩んでいる。理由は「財布レス」というスタイル。マネークリップは財布は持たないまでも、現金は持ち歩いていたわけだが、最近の財布レスは本当にお金を持ち歩かなくてもよいようだ。
これが本当だとしたら、「機を見るに鈍」な筆者も見逃せない。なんにせよ荷物がひとつ減るのは事実だし、小銭の計算でレジ前でバタバタせずに済むのならそのほうがよいとも思う。なんといっても財布そのものを落とす心配がない。
いったいどうして現金なしで生活ができるのか、本当にそんなことができるのか、どうやらそこには「フィンテック」なる言葉が関連しているらしい…
そんなワケで今回は夢の財布レス生活に向けて、フィンテックなるものについて調査してみた。
噂の「フィンテック」ってなんだ?
あなたはこの言葉をご存じだろうか?恥ずかしながら筆者は耳にしたことがある程度でサッパリ分かっていなかった…
フィンテック(fintech)とは金融(finance)と技術(technology)を掛けあわせた造語で、最新のIT技術を駆使した金融サービスのこと。
主なサービスとしてはSuicaなどの電子マネーや、オンラインバンキング、スマホカード決済などがある。さらに進むと資産運用をAIがアドバイスしたり、一時期話題になったBitCoinなんかの仮想通貨もフィンテックだ。
また、ブーマガでも何度か取り上げているクラウドファンディングもオンラインで資金を募るため、フィンテックのサービスの一つに数えられているようだ。
この中でも夢の財布レス生活の役に立ってくれそうなのが、モバイル決済サービス。中でもスマホを端末にかざすだけで買い物ができるモバイルウォレットサービスのことだ。
このモバイルウォレットサービスについて、日本での利用を考えて最適なサービスはどれか、3つに分けて考えてみたい。
1:おサイフケータイ
言わずと知れた日本の電子マネーのパイオニア。Felicaを搭載したスマートフォンやケータイで利用でき、端末にかざすだけで利用できる。すでに利用している人も多いのではないだろうか?
Felicaを知らなくても実際のサービス名のSuicaやEdy、WAON、nanacoなどはご存じだろう。
チャージ式のサービスが多いが、オートチャージ機能があるサービスも多く、便利に使えそうだ。特定のandroidスマホではfelicaチップ搭載でSuicaやEdyに対応した機種は前からあった。iPhoneユーザは使えない状態が続いていたが、最近では専用のケースをつければiPhoneでも利用可能になった。
2:LINE Pay
LINE Pay自体は、銀行口座を知らなくてもLINEの友達なら送金が出来たり、割り勘を簡単に行うことが出来たりと面白いサービスを提供している。ただ、送金にはLINE Moneyという別のサービスへの移行が必要だったりと意外と面倒も多い。今後はオフラインへの進出が期待され、現在のところは実店舗での決済はLINE Payカードというプリペイドカードのみに限定されている。LINE PayカードはJCBカードの加盟店でならほぼ使えるため、コンビニやランチなど日常生活には使い勝手がよさそうだ
3:その他
他にもウォレットサービスは各社から出されている。MasterCardとUCカード、DNPが連携したMasterPassはQRコードでお買い物が出来る。また、「グッバイ、お財布」というCMで財布レスに拍車を掛けた感のあるau WALLETなどもクレジットカードではあるが、近いサービスだ。
こうして色々調べてみたが、正直な感想は「まだまだ財布レスは遠い」だ。まずそもそも対応している店舗が少ない。そして、Suicaなど交通系以外は移動手段の支払いに使えないことがイタい。電車移動社会の東京などではこれは致命的だ。
なので、いまのところはまだまだ「おサイフケータイ」の一強という印象だった。
ではなぜこうも財布レスについてにわかに話題になる機会が増えたのか。その理由はおそらくApplePayの存在だろう。ApplePayはその名の通り、Appleが導入したNFC決済サービスだ。
あのAppleがやるとなってモバイルウォレット市場が活気づいてしまっているのだ。
NFCとは「Near Field Communication」の頭文字を取った言葉で、要はかざすだけで通信を可能にする規格のこと。察しのよい方はお気づきかもしれないが、おサイフケータイもこの規格の一つだ。おサイフケータイに使われているFelicaは日本のソニーが開発した独自規格で、今回ApplePayに搭載される規格はTypeA/TypeBという国際標準の規格となる。残念ながら今のところ、読取機に互換性はない…
確かに、iPhoneの多い日本では正式に導入されたら、一気にモバイルウォレットが認知されていきそうな気がする。きっとお店側もあのiPhoneのAppleならばと、読取機の導入を真剣に考えてくれそうだ。本格導入は2016年の10月くらいと言われているので、筆者としては、それまでは財布レスは封印しようと思う。
番外:おまけ
今回いろいろと調べていく中で、すでにサービスを停止しているCurrentCというサービスが気になった。こちらはクレカではなく、直接銀行口座から引き落とす、いわばデビットカードのようなもの。正直、クレカ払い自体に抵抗が根強い日本の場合、こういうサービスのほうが普及しそうな気がする。
大手メガバンクがなにかサービスを開始したりしないものだろうか。
まとめ
せっかく頑張ってみたのだが、結局モバイル決済サービスだけで「財布レス」までには至らなかった。だが、それぞれのサービスについては面白そうに感じたのも事実。特にLINE Payの割り勘機能や送金サービスはちょっと心を惹かれた。
財布を持ち歩かずにすることはまだできないが、少しづつモバイル決済を取り入れてもいいかもしれない。そう思う筆者なのであった。
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