「死刑めし」を考える ~Last Meals for Death Row~
わたしの祖父は「すい臓がん」で亡くなりました。甘いものが好きな人でした。昏睡状態になる前日にも「白かりんとうが食べたい」と言っていました。病室の引き出しに買い置きがありました。祖父はそれを口にすることのないまま、息をひきとってしまったのです。
『最期の食卓』(鈴木あつむ・著/実業之日本社・刊)という漫画作品があります。さまざまな人生を歩んできたホスピス患者たちに「人生最後のごちそう」を提供するという内容です。最期の晩餐(ばんさん)と言うこともできます。
ところで、アメリカ合衆国では、死刑囚にも「最期の晩餐」を供することがあるそうです。Last Meals(死刑めし)とも呼ばれています。
凶悪犯が人生最後に望む食事とは
海外の医療ミステリードラマ『DR.HOUSE』には、死刑確定囚が発症した原因不明の疾患を突きとめようとする、皮肉たっぷりのエピソードがあります。その話のなかで、死刑囚が「Last Meals」について要望を述べるシーンがあります。
エビのフライとロブスター。ロブスターは食ったことがない。煮るのと焼くのとどっちが旨い? まあいい、両方だ。ストロベリーシェイクも頼む。箱に入ったチョコレートドーナツもだ。
(『DR.HOUSEシーズン2 第1話』から引用)
高級食材とジャンクフードの落差に笑ってしまいます。でも案外、死に直面したときには、食欲が子どものようになってしまうのかもしれませんね。
後悔しない「死刑めし」にするためには
もしも自分だったら、2通りの選択肢で悩むと思います。
食べたことが無いけれど、いつか食べてみたいと願っていたもの。
何度も食べたことが有るけれど、最後にもういちど食べたいもの。
未練を残さないために、食べたことが無いもの(いつか食べたかったもの)を要望した場合。それが思ったよりもおいしくなかったら後悔するかもしれません。モヤモヤした気持ちのままで死んでいくことになります。心おきなく逝きたければ、おいしいと知っている「最後にもういちど食べたいもの」を選んだほうが良いと思います。
実際の「死刑囚の最期の晩餐(Last Meals)」には予算制限があります。ここでは仮にメインディッシュ2品とデザート1品まではOKとします。アルコール飲料は認められません。死刑囚の気持ちになって考えてみましょう。
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