子どもの身長を伸ばすには、あの食べ物を毎日食べさせるといいらしい
Inc.:背が高いほど、人生で有利なことは多いものです。だから親は、我が子に少しでも大きくなってほしいと願います。セントルイスにあるワシントン大学の研究グループが、これに関連する興味深い研究結果を発表しました。
その内容の前に、まずは背景を説明しておきましょう。過去の数々の研究により、背が高い人は背の低い人に比べて稼ぎが多く、他者を惹きつけ、幸福度が高いことが示されています。
多くの人が高身長を望んでいますが、発育不全の子どもたちにとっては課題はもっと深刻です。栄養不良や劣悪な衛生状態が原因で、5歳未満の子ども1億4500万人が発育不全と言われています。ちなみに世界中の発育不全の子どもの約90%は第三世界の途上国に住んでいるそう。
そこで現在、発育不全に苦しむ子どもを減らそうと、効率的な栄養戦略が熱心に研究されています。その中で、小さな子どもには卵が効果的という説が浮かびました。そして、その説が正しいことが今回の研究によって証明されたのです。
卵の研究
ワシントン大学の研究グループは、2015年3月から12月にかけて、エクアドルのコトパクシ県で、83人の乳児(6から9カ月)の母親を対象に、通常の食事に加えて1日1個の卵を食べてもらう実験をしました。
その結果、卵を食べた母親の子どもは、対照群に比べて「発育不全の発症率が47%低かった」そうです。「Eggs in Complementary Feeding and Growth」と題されたその論文は、6月6日付のジャーナル『Pediatrics』に掲載されています。
筆頭著者のLora Iannotti准教授は、「通常の食事に卵を1個加えるだけ、という介入にこれだけの効果があると証明されて、私たちは驚いています」と述べています。
低カロリー、高たんぱく
では、幸運にも発育不全があまり多くない米国や西側諸国に暮らす人にとって、この研究結果は何を意味するのでしょうか。
子どもの最終的な健康に最大の影響を与えるのは遺伝子です。その他、栄養などの要素がそこに加わります。また別の研究では、子どものころに摂取したカロリーと最終的な身長に相関があることが示されています。それに、若いころの運動が大人になってからの高身長につながるとも言われています。
今回の研究結果ですが、卵を食べて身長が伸びたこと自体はそれほど驚くことではありません。低カロリー高たんぱく食で好影響が出ることは想定の範囲内だからです。ちなみにIannotti氏によると、この実験で卵が選ばれたのは「安価かつ入手しやすい」からだそう。
身長1インチにつき年収は800ドルのアップ
それでもこのような研究は、興味深いヒントを与えてくれます。とはいえ、子どもの食習慣を長期間追跡し、さらに最終的な身長と関連付ける難しさを考えると、今回の研究結果は、食生活が身長に与える影響を追跡することができる限界に近いと言えるかもしれません。
身長165cmになるはずだった男の子が食生活のおかげでNBAプレイヤーになったとか、身長157cmになるはずの女の子が183cmのスーパーモデルになったとか、そういう比較は比べる対象がないので不可能ですが、ほんの少しの身長差が成功と幸福度に大きく影響することは事実です。
ある研究によると、身長1インチ(2.54cm)につき年収が平均800ドル高まるというデータさえあります。ですから私は父親として、娘の身長がほんの少しでも伸びることを願い、毎朝1個か2個の卵をせっせと食べさせているのです。でも考えてみたら、すでにやっていることでしたけど。
Want Your Kids to Grow Taller? Science Says They Should Eat This Every Day | Inc.
Image: bbernard / Shutterstock.com
Source: Gateway, Washington University
Bill Murphy Jr.(訳:堀込泰三)
元記事を読む
- ブーストマガジンをフォローする
- ブーストマガジンをフォローするFollow @_BoostMagazine_