小池百合子さんが都知事に就任して、はや2ヶ月あまり。連日のように聞こえてくる築地関連のニュースを聞いて、筆者はとあることを考えてしまった。
それは都政への心配では決してなく、「あ、築地でおいしいごはんが食べられるのもあとちょっとか」という煩悩に溢れた考えだった。
移転するしない、都政のブラックボックス化も問題だけど、筆者にとってうまい朝ごはんが食べられなくなることのほうが大きな問題な気がするのである。
きっと読者のみなさんも同じような思いだと信じて、筆者は築地へと向かうことにしたのであった。
今回は築地市場で食べられる至極の朝ごはんを紹介するので、興味のある人はぜひ移転前に足を運んでほしい。移転先にもあるとは限らないので…
築地市場ってそもそもなに?
築地市場とは、東京都中央区築地にある公設の卸売市場で、全部で11ある東京都中央卸売市場のひとつなのだそう。その規模はなんと日本・世界最大規模とのことで、2013年度の取引金額は5076億円に上り、日本で2番目の規模を誇る大田市場のおよそ2倍の規模になる。
水産物、青果物を取り扱う総合市場であり、この築地から、東京のみならず、関東近県までが供給圏に及んでおり、まさに東京の、いや関東の台所と呼べる場所なのである。
そんな市場内は早朝から業者による競りなどが活発に行われている。なので、腹をすかせた肉体労働者をターゲットに、料理を提供するお店が場内に存在していて、なんとあの吉野家の一号店も場内にあるというから驚きだ。
これら場内のお店は市場の中ということもあり、新鮮なネタを安価で提供していることもあり、うまいものが食べられると一般の方にも注目されるに至っている。
一日目:朝早くから築地へ!しかし…
10月某日、筆者は意を決して、築地へ向かった。起床時間は午前3時半。草木も眠る丑三つ時である…何と言っても築地の朝は早いのである。
眠い目をこすりながら支度をし、4時過ぎには家を出る。移動手段は自転車。
電車で行こうかとも考えたのだが、距離は12km。「行けない距離ではないな…」と思ってしまった。なぜかって?そのほうがワクワクするからだ。
まあ、後ほど調子にのった自分を恨むことになるのだが…
皇居のお堀の周りを回り、日比谷、銀座を経由して築地市場へ。到着したときは5時過ぎだった。
さっそく自転車を止め、場内への入り口を探す。私が辿り着いた入り口は、波除稲荷近くの海幸門。だが、なにかがおかしい。静かすぎるのだ。
イヤな予感を抱えながら門に近づくと、「本日は休市日」の文字が…
あとで調べたところによると築地市場は基本的には日曜祝日が休み、水曜日木曜日が不定休になることがあるとのことだった。
読者のみなさんも行くときは事前準備をしっかりしていくことをオススメする。
市場が休みだと場外市場も営業している店が少なく、運良くやっていた「つきじ かんの」さんで朝食を取ることにする。
頼んだのは「中トロ三種盛丼(1,300円)」味噌汁付きだ。
早速食べに掛かる!
…うーん、さすが築地!うまい!
新鮮な海の魚介を食べて、この日は溜飲を下げた。
が、骨折り損のくたびれ儲けを実感し、自転車で行ったこともありどっと疲れることになってしまうのだった。
二日目:場内に潜入
翌日、私は再度早起きをし、築地へと向かった。さすがに二日続けて自転車で向かう体力などなく、今回は電車での移動になった。
始発で向い、到着したのは5時20分。自転車のほうが早いんだな…
駅を出て、今度は正門に向かう。よかった…今日はやっているようだ。
さっそく場内へ潜入し、朝メシを食える店がある魚河岸横丁へと向かう。
場内は所狭しとトラックやカートが走り回る。狭い路地でさえもカートが侵入してくるのには驚いた。とにかくすごい活気だ。こんだけ活気があるのにパパッと移転なんてできるものなのだろうか…
さて、お店が立ち並ぶ魚河岸横丁の様子はというとこんな感じだ。
料理店だけでなく、乾物や調理用具、野菜など様々なものが売られている。
まずはぶらぶらとお店を見て回る。人気店らしいお店の前では行列が出来ていた。とある海鮮丼のお店では通りには収まりきらない人の列。並んでいる人の8割が外国人観光客のようだった。
事前に調べた人気の店の様子はというと、うなぎの名を関していながら一番人気が海鮮丼という「うなぎ米花」というお店の前は多少の人の群れが見られた。
少し離れた場所にある「岩佐寿司」は中に人はいるものの、そのまま入れそうだった。ちなみに、この岩佐寿司がある並びに件の吉野家一号店がある。
寿司というのも悪くない気がしたが、朝から寿司というのも違う気がしてスルー。かといって海鮮丼というのも…
結局、筆者は様々な魚を扱った定食が食べられる「かとう」というお店に入ることにした。
注文したのは「刺身盛り合わせ定食」、お値段1,500円(税込)。
出てきたのがこちらだ。
鮮度の良い刺し身はまぐろの赤身に、はまち、イカ、アジ、ホタテ。それに味噌汁とお新香、ごはんが付いてくる。
食べてみての感想だが、新鮮な魚はこれほどうまいのか、と感動した。なかでもうまかったのがマグロの赤身だ。筆者はこれほど角がピンとたった赤身をこれまで食べたことがない。同じ赤身でこうまで違うものなのかと感じた。
上がりを飲み、一息ついて、朝の光りを浴びながら、筆者は仕事場へと向かうのであった。
まとめ
結果的に二日がかりになってしまった今回の体験レポだったが、結果は大満足だった。うまい朝ごはんに、東京ではあまり感じることができない市場の熱気も相まって、一日の活力をしっかりと受け取ったような気がする。その反面、市場が休みだった一日目は一日中、身体が重かったわけだが…
最終的にごはんを食べた「かとう」さんはその他にもメニューが豊富で、もう一回行って、次はあれを食べたい!という欲にかられるお店だった。ちなみに筆者が狙っているのは「クロムツの塩焼き定食」だ。
早起き慣れしていない筆者には少々辛い、プチエクストリーム出社となったわけだが、思いの外、眠くなく過ごすことができ、いい気分だった。
みなさんもぜひ、興味があったらやってみてほしい。朝の動きの良さが全然違うぞ!(ただし、市場が休みの場合は疲れが倍になるのでご注意…)
揺れに揺れている築地市場ではあるが、こんなときでも市場には活気があふれ、観光客が集まっている。こんなステキな場所に悪評が立つのは残念でならない。移転するならするでよいのだが、都民のオアシスを奪うことがないようにだけはしてもらいたいものだ。
今度は取材など抜きにして、個人的にもう一度市場に足を運んでしまおうかと考えている筆者なのであった。
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