40歳にしてポケモンマスター

2016.8.12 12:05 更新

読了時間:14分48秒

7月22日、列島を揺るがすニュースが発生した。そう、それは…

 

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「ポケモンGO」、日 本 上 陸 !

すでに海外では大人気。社会現象になっていた。日本に上陸するやいなや、SNSのタイムラインはポケモンであふれかえる。道を歩けば大人も子どももスマホを見ながら歩く、という異常事態となった。

ところが、筆者はやっていない。リリースから3週間が経とうとしているのに、ダウンロードすらしていなかった。理由は特にない。強いて言えばそれほど興味がなかったのと、40歳過ぎの大人がそんなことをするのが小っ恥ずかしかったのだ。
だが、仕事で会う人、会う人、ほぼ100%話題に上る状態である。ここは社会人としても捨て置くわけにもいかない。急遽ポケモンマスターを目指すべく、今回の企画を実施することに。
筆者と同じようになんとなく始めなかったあなたには是非読んでほしい。

そもそもポケモンGOってなに?

ポケモンGOはアメリカのゲーム会社「ナイアンティック」が株式会社ポケモンとともに共同開発した位置情報ゲームだ。プレイヤーはアプリを起動して実際の世界を歩く。するとマップ上でポケモン出会う。そのポケモンを捕獲・育成する。
このゲームの画期的なところは拡張現実(AR)を使用しているところだ。ポケモンに遭遇するとカメラが起動し、あたかも現実の世界にポケモンが出現したかのような演出を見せてくれる。
このゲームは無課金でも十分遊べる。ただもっと効率的にゲームを進めたい人のために課金要素もある。それが世界的にものすごい勢いで課金されている。
iPhoneのAppStoreではなんと1カ月足らずで1億2,000万ドル以上(日本円で約120億円。1ドル=100円)課金されたというから驚きだ。

日本ではマクドナルドが全面的にコラボを実施。マクドナルドの各店がゲーム内でアイテムなどをGETできる場所「ポケストップ」に指定されたところ、7月の売上が上昇したらしい。課金だけでなく、提携によるビジネス展開もありそうだ。今後人気が継続すれば、まちおこしなどに活用されることもあるかもしれない。
そういえば、似たような位置情報ゲームの「Ingress」ではそんな話題もあったような…

どうやって遊ぶの?

やったことがない人もいると思うので、まずはゲームの基本を以下に。
全部でたった9ステップ楽しめます。

<遊び方>
1.モンスターを見つけたら、タップ→捕獲開始
2.捕獲はモンスターボールをスワイプの動きで投げつける
3.ポケモンに命中すれば捕獲できる。が、強いポケモンはぬけ出すことも
4.さらに逃げ出してしまうことも
5.街中にはポケストップというアイテム補給場所がある。モンスターボールやポケモンのタマゴが手に入る
6.ポケストップには「ルアーモジュール」というアイテムを設置できる
7.設置するとポケモンが出現しやすくなる。設置されているスポットには花びらが舞う
8.入手したタマゴは距離が指定されていて、その距離を実際に移動するとタマゴが孵化
9.ダブったポケモンは「アメ」に交換可。アメが貯まるとポケモンを進化させられる

目標はブースターをGETすること!

ゲームを開始するにあたり、「目標」を決める必要がある。筆者が決めた目標は次のとおりだ。

目標:「ブースター」と呼ばれるポケモンを土日の2日間でGETする
達成方法:2通りある。以下のどちらか。
1.「ブースター」を自力で見つける
2.「イーブイ」というポケモンを複数集めて進化させる

目標設定の理由はこの媒体が「ブーストマガジン」だからだ。単純だが我ながらいい目標だと思う。
では、いよいよ私の戦いの歴史を見てもらうことにしよう。

8月6日(土)13時スタート

この日は妻の希望で渋谷にて買い物をする予定があった。、妻と買い物に付き合いつつ、傍らでのんびりとポケモンGOをプレイすることになった。

写真 2016-08-11 0 47 58まずはアカウント登録を済ませる。アカウント登録が済むとチュートリアルなのだが、ここでゲームボーイ版の初代ポケモンにちなんで「ヒトカゲ、フシギダネ、ゼニガメ」の御三家の中から1匹を捕まえることができる。筆者は「ブースター」を見つけられるように、願掛けのつもりでブースターと同じほのおタイプのヒトカゲを選択した。

先に予定があった妻を待つ間、渋谷でポケモンを探そうと、ゲームを起動。すると渋谷の街はポケスポットだらけ!遊び方の6で説明したルアーモジュールの花びらがそこかしこで舞っている。
そうこうしている間にスマホが振動。

「来た!」

ポケモンが現れた合図だ。見ると飛行タイプのポケモン「ポッポ」がいる。

「ふっ、すぐに俺が捕まえてやるぜ!」

早速ポケモンをタップして捕獲へと乗り出す。スワイプでまっすぐにボールを飛ばす。

「あれ?つかまらない」

このまっすぐボールを飛ばすのが予想以上に難しく苦戦。しかし一回当たるとあっけなくGETできた。

その後、妻と会うまでの間にもポッポを何度も見かけ、何度も何度も捕獲することになる。「野生のポッポが現れた」とゲームでは表示されるのだが、ここまで来ると「養殖」を疑いたくもなってしまう。

買い物に付き合いつつ、バイブが振動すればスマホを見て、「コダック」やら「ヤドラン」やら「オニスズメ」やら、様々なポケモンを捕まえていった。なかなか調子いいぞ、俺。
40歳過ぎのオヤジでもチャントできるじゃないか。

途中、妻に「●●つかまえたー」などと報告していたところ、何度目かで「興味ないから」と怒られてしまった…。誰かと一緒のときはポケモンGOはほどほどにしておいたほうが良さそうだ。ポケモンGO好きのパートナーのいるあなたは幸せ者かもしれない。

そんなこんなで一日目終了。特に珍しいポケモンも見つけられず、ひたすらに弱いポケモンを収集するだけに終わった。ただ、このポケモンGOというゲームを理解するにつれ、楽しくなってきてしまっている自分もいる。自分の動きと連動して、ポケモンが出てくるのが楽しく、また、単純な動きだが、捕獲できると達成感があるのだ。また前から収集癖の強い筆者である。単純にリストが埋まっていくだけでうれしい。逆にリストに空きがあると埋めたい衝動に駆られる。

8月7日(日)

この日の予定は近場で、ポケモンが出ると噂のスポットをひたすら回る、というもの。回るスポットは「新宿御苑」「明治神宮」「代々木公園」「宮下公園」の4つだ。
一日目で学んだ電池の消費の速さを考え、ちゃんと充電器とモバイルバッテリーを持っていく。また、歩きまわるので水分補給用のポカリも用意。靴はもちろん歩きやすいランニングシューズ。まさに完璧な装備だ。もちろん妻とは別行動。まじイロイロ完璧だ。

<新宿御苑>
・人口密集度:高い
ピカチュウが現れると噂になったスポットなので、ポケモントレーナーは多い
・成果:ニャース、10kmタマゴ
初ニャース、初10kmタマゴをGET。その他はよく見るポケモンばかり…

短評
新宿御苑に着くと入り口周辺にポケモントレーナーと思しき人々が。。。筆者はなぜか入ることをためらい、外周を回るように方針を変更。手に入れた10kmタマゴを孵化装置に入れ、ひたすら歩くことに。これ本当に10km移動しないと孵化しないんだよ…

<道中・国立競技場>
・人口密集度:低い
・成果:ブーバー、ゼニガメ、フシギバナなど

短評
目的地への道中、国立競技場前でちょっとテンションが上ることが発生。

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ゼ ニ ガ メ 登場!である。

最初のシーン以来、初の登場だ。やはり有名なポケモンが出現すると興奮する!昨日一日でだいぶボールを投げるのがうまくなった筆者は苦もなくゼニガメにボールを当てる。…しかし!このゼニガメ、ボールをぬけ出すのである。結局3度ほどボールから抜けだされ、4度目で捕獲に成功。だが、捕まえてみればCP12(※CPはポケモンの強さを表す数値)という弱いゼニガメだった…苦労したのになんだこの仕打ちは…とも思ったが初めて見るポケモンだ、よしとしよう。

<明治神宮>
・人口密集度:高い
・成果:サンド、その他はよく見るポケモン

短評
人は多いがポケモントレーナーではなく観光客がメイン。ヒトカゲの影を見かける。
神宮の本殿は改修作業中のようで、そのギリギリまで進んだところで引き返し、代々木公園へと向かう。もちろん立ち入り禁止のところには入らない。いいオッサンだもの。

<代々木公園>
・人口密集度:高い
・成果:イーブイ、フシギダネ、ゴースなど

代々木公園はリリース直後からポケモン捕獲のスポットとして有名だった場所。ポケモンGOをやっている人が多いこと。公園内のポケスポットには人、人、人!当初に比べ下火になった、などとも言われていたがまだまだ大人気のようだ。

筆者もそのポケモンマスターたちに加わってポケモンを捕獲する。ここではついにイーブイを捕獲することが出来た。1匹いれば30匹はいると勝手に妄想。きっと複数捕まえられるはずと思い待機…

結果は30分間粘ったが、それ以後イーブイは現れなかった。。。

さきほどから「コイキング」というポケモンばかり捕まえている。

「どうしよう、このままでは企画が…」

思い切って近くのポケモンマスターに声をかける。

「この場所にイーブイはたくさん発生しますか?」

答えはNoだった。しかし代わりにコイキングについて教えてくれた。コイキングというポケモンは大量に出現するのだが、非常に弱い。しかし進化させるとアプリの最初のほうの画面にも現れる超レアポケモン「ギャラドス」になるそうだ。

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ここで筆者は方向転換を試みることにした。それはイーブイ並びにブースターの捕獲を諦め、コイキングを集めてギャラドスに進化させるというもの。ただし進化に必要な「アメ」は400個…どのみち先は長そうだが。

<宮下公園>
最終目的地、宮下公園では2つの大きな成果があった。なんと、あの「ピカチュウ」を2匹、さらに野生のギャラドスを捕まえたのである。

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野生のギャラドスの目撃情報すら極端に少なく、とんでもなくレアなのだ。またピカチュウも滅多に現れないポケモンとして有名。その2匹を捕まえたのだから、もしかしたら筆者はポケモンマスターの才能があるのかもしれない。
ギャラドスもピカチュウもとても強く、捕まえるのにかなりてこずった。その大変さはゼニガメの比ではない。それぞれ捕獲するのに2分近くかかった。よく逃げられなかったものだ…

いずれにせよ、「ギャラドスをGETする」という目的は達成することが出来て、筆者はすっかり力が抜けた。「まあ、帰るか」一気に襲ってきた疲労感を肩に乗せ家路に着くのであった。
ちなみにコイキングのアメは150個までしか集まらなかった。400個集めるなら次の土日も稼動しないと無理な感じでしたな。野生でギャラドスを捕まえられて本当によかった。

2日間の成果

当初の目標「ブースターをGETする」は未達成に終わったが、方向転換した「ギャラドス」はおかけさまでGETすることが出来た。見つけたポケモンは全部で51種類、レベルは10まで上がった。2日間では上々の成果ではないだろうか。

まとめ

ポケモンGOの体験レポート、いかがだっただろうか。
やってみての感想だが、まずこれは「面白い」!

やはりリアルな街にポケモンが現れる描写は胸が踊る。また一筋縄では捕獲できないポケモンを捕まえたときや、有名なポケモンを捕まえたときに達成感はひとしおだ。正直言ってゲーム自体はしごく単純だが、これは面白い。なんか子どもころ、夏休みにセミやトンボ、ザリガニなどを野山を走り回って捕まえた記憶がよみがえる。

しかし、ゲームとしては少し不満がある。最初のうちはよいのだが、しばらくすると見たことのあるポケモンばかりになって飽きてしまうのだ。誰もが筆者のようにポケモンを探して一日使えるわけではない。出現するポケモンは同じ場所でもランダムにするべきだろう。

あとはとにかく「疲れる」。通勤の片手間などでやる分には平気だが、本気でポケモンを探しまわるとその疲労感はハンパない。実際、筆者は2日目冒頭で手に入れた10kmタマゴを1日で孵化させるほど歩きまわり、若干筋肉痛になった。まあ、40代でここまでハマる人は少ないだろうが、一応ご忠告。逆に言えば普段運動不足のあなたにはウォーキングを始めるいいきっかけとなるかもしれない。

とまあ、イロイロ言ったが基本は楽しいゲームだ。特に子どもにはたまらないゲームだろう。まだやってみたことがない、という人はぜひダウンロードして体験してみてほしい。一人でやるのが恥ずかしいというのなら、子どもと一緒にプレイしてみてはどうだろうか?
この夏は昆虫採集ならぬポケモン採集に子どもと汗を流してみるのも悪く無いと思う筆者なのであった。

 

おまけ

写真 2016-08-06 13 51 54前述の10kmタマゴだが、10kmも歩かされたのだから相当レアなポケモンが。わくわくしながら孵化させると…割りとどこにでもいる「カイロス」というポケモンが出てきた。しかもさほど強くない。筆者のまわりで聞くと10kmタマゴから「ラプラス」という強いポケモンが現れたというのに。10kmも歩かせてカイロスなんてヒドイ!


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