仕事の合間にコーヒーメーカーで淹れたコーヒーでひと時を過ごす…筆者の楽しみであるのだが、にわかにコーヒーメーカー市場が賑わっている。GfKジャパンの調査によると、ここ数年右肩上がりで拡大していて、2015年の年間販売台数は4年前の1.3倍となる240万台を達成したというのだ。
ここで一つ質問だ。ブーストマガジン読者の皆さんは、HARIO株式会社をご存知だろうか? HARIOは、1921年に創業した耐熱ガラスの企画・製造・販売を行っている会社だ。
日本で唯一、耐熱ガラスの工場を持つ、耐熱ガラスメーカーとしても知られている。そんなHARIOがガラス加工技術を生かし、コーヒーメーカーの製作にも着手しているという情報を入手。早速ブーストマガジン取材班(以下、ブーマガ取材班)が、HARIO担当者に話を聞かせてもらうためHARIO社屋のある東京都中央区へ向かった。せっかく赴くのである、話だけでなく美味しいコーヒーをごちそうになりたいな。コーヒー器具を作っている会社のコーヒーはきっと美味しいであろうと期待しながら歩みを進めた。
今回お相手をしていただいたのは、SCAJ 認定コーヒーマイスターの資格を持つスタッフさん。ブーマガ編集部を虎視眈々と待ち受けていたのか着いて早々、話題の”あの”コーヒーメーカーで抽出したコーヒーの試飲をさせてもらうことになった。
今回取材する「次世代コーヒーメーカーSMART7」であるが、実は以前ブーストマガジンでもSMART7の記事(好きな味を何度でも再現できる。頭のいいコーヒーメーカー「V60オートプアオーバーSmart7」)を紹介している。ハンドドリップで重要な「湯温・湯量・スピード」がコントロールでき、タッチパネルを搭載したマシンだ。ハンドドリップコーヒーをマシンで再現できるという次世代機器。
基本は、一般的なコーヒーメーカーと一緒で、お湯とコーヒー粉をセットしてスイッチオンなのだが、SMART7の場合、むらしの湯量・時間・インターバルまで設定できるという頭のいいマシン。しかも自分好みのレシピを4つまで保存ができるというスグレモノなのだ。
SMART7の「7」は、マシンを横向きにした際に数字の「7」に見えるためにSMART7という名称になったとのこと。余談はさておき早速、使い方を聞いてみよう。
使い方はタッチパネルモニター付きでとってもカンタン
コーヒーメーカーと聞くと、淹れる手順に従って本体のいろいろなところを触らないといけないという、煩わしさや難しさがあるな…と感じるのは筆者だけだろうか?
しかしSMART7は、タッチパネルモニター付きで映し出されるモニターに従って設定するだけなので、迷うことがない。2つのモード(Auto Mode・My Recipes)からお好みの設定を選ぶことができる。
Auto Mode(自動抽出モード)は、3つの温度(90℃・93℃・96℃)と2つのスピード(はやい・おすすめ)が選択可能だ。
My Recipes(抽出レシピを自分で設定)は、温度・湯量・スピードがお好みで設定可能。抽出時の湯音80℃〜96℃、総湯量は270ml〜700mlで自分の好みを細かく設定できる。
湯音が高いとさっぱり、低いとこってりとした味わいでフレーバーな香りを楽しむことができる。スピードは苦味があってコクのあるものを望むなら時間を長くとる(Auto Modeのスピード:おすすめ)が良いのだが、人それぞれ好みがあるので、自分好みのスピードを見つけるのも、SMART7の楽しみの一つと言えよう。
SMART7と人間の手で入れたコーヒーを飲み比べる
作ったのはSMART7でアイス・ホット、ハンドドリップでホットの3種類。公平を期すためコーヒー豆は同じものを使用。
1番目はSMART7で設定を「Auto Mode(温度:93℃、スピード:おすすめ)」にしたアイスコーヒー。
2番目は「My Recipes 尾籠 一誠氏スペシャルレシピ」のホットコーヒー。
尾籠 一誠氏はコーヒー関係者の中ではチョー有名人でJapan Brewers Cup2014年度 優勝・Japan Hand Drip Championship 2013年度 優勝の経歴を持つ凄腕の方だ。このスペシャルレシピはSMART7のWebサイトに掲載してあり、SMART7があれば誰でも優勝者のレシピのコーヒーを満喫できる。スバラシイ。
実際にSMART7でコーヒーを抽出している様子。コーヒー粉の真ん中に湯を注いで、コーヒー粉をふくらませドームの丘を作るようなイメージだ。コーヒー粉が十分に膨らみ、豆本来の持つ旨みが存分に抽出されるため、プロにも好まれる抽出方法をコーヒーメーカーで再現。
最後、3番目にスタッフさん(SCAJ 認定コーヒーマイスター)がハンドドリップで淹れたコーヒーも味わわせてもらった。ちなみにSCAJ認定コーヒーマイスターとは、コーヒーに対する深い知識と基本技術の習得をしており、コーヒー生活が提案できるプロのコーヒーマン(サービスマン)である日本で初めての認定資格というなんとも威厳のある資格なのだ。
抽出した後のコーヒー粉。写真ではわかりづらいのだが、真ん中に向かってすり鉢状のくぼみができている。この形ができているとコーヒーが美味しく抽出できている目安となる。
さて、SMART7で淹れたコーヒーの味はどうだったのか? ブーマガ取材班の3名に試飲の感想を聞いてみた。
し…、失礼ながら認定コーヒーマイスターが淹れたハンドドリップよりウマい
ブーマガ取材班 A氏(20代)の感想
「まず何と言ってもデザインがかっこいいです。黒を基調とした名前の通りスマートなデザインで高級感を醸し出しています。また事前に多機能と聞いていたので操作が難しいのでは?とコーヒー初心者の私は心配でしたが、おすすめ機能も装備されていました。器具をセットしておすすめボタンをピッ!で出来てしまうのでこれなら詳しくない私でも自宅で手軽に楽しめそうです。なんかこんなホメホメコメントだとやらせを疑われないか心配ですが、でもホントおいしいですよ、これ。」
今回体験したのは3タイプのコーヒーです。
1.アイスコーヒー
2.尾籠一誠氏スペシャルレシピのホットコーヒー
3.スタッフの方のハンドドリップホットコーヒー
「同じ豆を使っているのに驚くくらい味わいが違っていて面白かったです。アイスコーヒーはまろやかでさっぱりしていてゴクゴクいけそうなライトな味わいでした。尾籠さんスペシャルレシピは酸味の中に甘さも感じられ味わい深いものでした。ハンドドリップコーヒーは少し酸味が強かったです。
スタッフさんいわく『湯温が高すぎると酸味が強く出すぎてしまうため、温度調整が難しい。マシンであれば常に同じ味を再現できて、マイレシピの登録機能もあるので常に自分の好きな味を再現できます』とのこと。これはうれしい機能です。家にお手軽に尾籠さんを呼べる感覚です。
豆や焙煎・ドリップ・湯温・蒸らしなどでそれぞれ味が変わってくるそうで、自分の好みを探すだけでもワクワクしますね。これはハマってしまいそうです。」
ブーマが取材班 J氏(30代)の感想
「まさか命名の由来が横からみたときに『7』の形だから、とは思わなかった…でも見た目もオシャレで部屋に置いておいてもインテリアとしても様になりますね。加えて多機能。コーヒー好きだけど、ハンドドリップが面倒、と思ってる自分としては最高にあり!なヤツです。
プロの淹れ方(尾籠さんのスペシャルレシピ)はやっぱりスゴイ!と思うのに十分な味の違いでした。コーヒーはどちらかといえば重いもののほうが好きなのですが、濃ければいいってもんじゃないな、と思いました。
口に含んだときは『あ、アッサリしてるな』というのが正直な感想です。悪く言えば物足りない感じ。でも喉を通るとしっかりとしたコーヒーの味わいが。すっぱ過ぎもせず、苦過ぎもせず、『これがコーヒーか!』というのは大げさですが、そんな感じです。しかもその味を寸分違わず再現できる。これはホントに素敵ですね!」
ブーマガ取材班 O氏(30代)の感想
「いつもチェーン店のコーヒーで飲むのですが、苦味が少し強いなと感じていました。しかし、今回SMART7で入れたアイスコーヒーは味がまろやかで感動! エグみや渋みがほとんどなく、ゴクゴク飲める味ですね。試飲した日も30度近くある日で、ムシムシするくらいの気温でしたが、暑くなるこれからの時期には冷たくて、さっぱりしたアイスコーヒーがぴったりだと感じました。
また尾籠さんのスペシャルレシピのホットコーヒーは、苦味が少なくほんのりまろやか、酸味も少なめで自分好みの味でした。もちろん人それぞれ好みがあると思うんですが、スペシャルレシピは口の中でほんわりとコーヒーの香りが広がり、後味もすっきり。SMART7ではなく、ハンドドリップで淹れたホットコーヒーとの味の違いが衝撃的でした! ほぼスペシャルレシピと同様の淹れ方をしていたのですが、味が全然違うんです。手で淹れると渋みと酸味が強くなってしまうんですね。ここまで味に違いが出るとは驚きでした。
あとはなんと言っても見た目のデザインがカッコいい! これがキッチンやリビングに置いてあるだけでサマになる。自分の家にSMART7があったら、“一歩先を行くコーヒー好き”風を醸し出せるかもしれないですね。」
まとめ
如何だっただろうか。ブーマガ取材班も驚いたSMART7の実力。コーヒーは粉の量・温度・蒸らし時間などで全く味が違ってくるのだ。
ハンドドリップで淹れると、その人の性格が味に出ると言われている。几帳面な人は濃い味わい、大雑把な人はライトな味わいという具合だ。ちょっとした違いでコーヒーの味は変わってしまう。それが人の手で入れる良さであり、残念なところでもある。毎回完璧な美味しいコーヒーを淹れるのはかなり手間なのだ。
しかし今回使ったSMART7は毎回まったく同じ設定でコーヒーが入れられる。手軽に完璧なコーヒーを飲みたい貴兄は買であるといえよう。
取材後の帰り際、コーヒーの味の違いをまるでワインテイスティングのごとく話しながらブーマガ取材班は帰路に着くのであった。
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