かさぶたをはがしたくなる理由と、それを避ける方法
かさぶたってついついはがしてしまうんですよね(いけないとわかっていても)。それを避けるためには、そもそもかさぶたを作らないのが真のプロというもの。始めからかさぶたが存在しなければ、はがしたい衝動を我慢するために、わざわざ両手をお尻の下に入れて座る必要はないのです。
マサチューセッツ州の皮膚科医で米国皮膚科学会の会員であるThomas Rohrer氏はこう言います。
“最良のかさぶたとは、かさぶたがないこと。かさぶたを作らないよう心がけましょう。”
そもそもかさぶたってどこからくるの?
公園でジョギング中に舗装道路で転んで、ひざが犯罪映画のようになってしまったとします。すると、血のほかにも成長因子や線維芽細胞、新たな基質など、どろどろした液体が分泌されます。このようにして傷は自然治癒を試みます。
そのままにしておけば、乾燥して傷口がふさがれます。これが環境から守る働きをしますが、その反面、治癒を遅らせます。傷が乾いてかさぶたになると、新しい皮膚はその下で形成されなければなりません。そのため、陥凹性瘢痕になる可能性が高まります。
ニュージャージー州の皮膚科・皮膚がん医であるMarc Glashofer氏によると、かさぶたには、凝血塊を作って流血を止める働きのほかに、新しい皮膚が形成される際の保護バリアとしての働きがあるそうです。
かさぶたを作らないようにするには
傷口をかさぶたで覆わないようにするには、ケガをしたらまず傷口を洗い、軟膏を塗って乾かないようにし、その上に絆創膏を貼ります。軟膏としては、ワセリンなど薬効のないものがいいでしょう。
大切なのは潤いを保つこと。でも、湿度が高すぎてもNGです。スープのようではいけません。
昔母親に「傷口は乾かすように」と教わったかもしれません。でも、潤いを保つことが大事、とGlashofer氏。
この古い言い伝えは誤っていて、治癒プロセスを遅らせます。さらに、目だった傷跡が残る可能性が高まることもあるのです。
薬箱や救急キットに入っていたとしても、ネオスポリン軟膏のような抗生物質は塗らないでください。この人気療法はRohrer氏によれば、実は皮膚のアレルギーや炎症の原因ではないかと疑われているそうです。
Glashofer氏は、喫煙者や糖尿病患者は傷の治りが遅いと言います。また、誰でも歳をとるほど傷が治りにくくなります。下半身の傷は、顔や首の傷よりも治りが遅いそうです。
なぜはがしたくなるのか?
では、なぜ私たちはかさぶたをはがしたくなるんでしょうか? Rohrer氏は以下のように言います。
平凡な答えですが「そこにかさぶたがあるから」だと思います。私たちは滑らかな皮膚に慣れているので、自然な状態に戻したくなってしまうのでしょう。
傷口が治るにつれ、微生物や異物との戦いに備えて炎症細胞が現われます。これとかさぶたの乾燥が相まって、かゆみが発生します。
かさぶたをはがすと治癒プロセスが長くなります。また、目に見える傷跡が残りやすくなることにもつながります。
最後にGlashofer氏はこう言います。やはりかさぶたをはがすのはよくない、という結論。かさぶたによる異物感に打ち勝って、我慢しましょう。
Image: Caitlin Regan/Flickr
Source: SkinCare Physicians, The Dermatology Group
Melissa Meinzer – Lifehacker Vitals[原文]
(訳:堀込泰三)
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