10万円超えのiPhone Xやそのほかの高級フラグシップスマホを買わなくていい理由
フラグシップスマホとミドルレンジスマホの「価値」の差はどれくらい?
Apple(アップル)がリリースしたハイエンドモデル、iPhone Xは、iPhone10周年を記念する特別なモデルですが、11万2800円(税抜)というその価格に驚いた人も多いことでしょう。同じことを思っている米ギズモードの記者David Nield氏が、今やiPhone Xや最近のフラグシップスマホに大金をつぎ込むことが実は不必要な理由を語ってくれています。果たしてその理由とは?
iPhone Xに11万円(もしくはそれ以上!)もの大金を費やす前に、ちょっと待ってください。そんな大金を高級スマホに費やしてはいけません。本当にフラグシップモデルが必要ですか? 今回、最新モデルや年々値段の上がり続ける高価なスマホを買わなくていい理由をリスト化してみました。
ミドルレンジスマホがこれまで以上に進化している
そんなに遠くはない昔、いわゆる「ミドルレンジスマホ」というのは、悲しいことに時代遅れのOSを積んでいて、新品でもパフォーマンスはノロノロで、カメラ性能もノートPCのフロントカメラに劣るほどのものでした。
しかし、その状況も今は変わりつつあります。最近のミドルレンジスマホは、少なくともフルHDスクリーンを搭載し、パフォーマンスの面でもイライラして壁に投げつけたくなることはもはやなくなりました。カメラも、暗闇の中で撮影したり、写真コンテストに参加しようとしない限り、そこそこいい写真を撮れるようになりました。
たとえば、Motorola(モトローラ)のMoto G5 Plusを見てくださいよ。「今年最も優れたハイコスパ・スマホ」として選ばれてもおかしくないくらい。たった300ドル(約3万4000円)以下の値段で、Snapdragon 625のプロセッサ、5.2インチ(1.920×1,800ピクセル)スクリーン、太っ腹な4GBのRAM(Galaxy S8のRAM容量と同じですよ)を搭載してるんですから。
すべてのスマホがパフォーマンスに目立った違いがないとまではいいませんし、実際にクオリティの違いだってあります。ただ、本当にそのために高い金額を払うほどの価値があるのかどうかは別問題でしょう。メッセージアプリやTwitter以外で、最後にあなたがスマホを使ったのはいつでした?
フラグシップスマホには年々、刷新がみられなくなっている
ほとんどの場合、1年前のフラグシップモデルを手に入れることはまだ可能です。整備済製品やeBayを漁ったりすれば、さらにそれより過去のモデルも手に入れることができるでしょう。「2017年のモデルはその前のものよりいいものなのか?」と聞かれれば、おそらく答えは「イエス」です。でも、「そんなに?」と聞かれると、それほどでもないのかもしれません。
考えてみてください。550ドル強(日本:税抜き価格6万1800円)のiPhone 7でも、1000ドル強のiPhone Xができるほとんどのことをこなせるんですよ? ワイヤレス充電とFace IDは除きますが。それにiPhone 7はスクリーンも少し小さくて、ベゼルも少し厚めですね。どちらにせよ、決定的に便利だとは思わない2つの新機能が、この450ドルという価値の差だということです。
代わりに、フロントカメラの質に関して、サムスンのGalaxy S7とGalaxy S8の違いを探してみてください。ヒントをお伝えしましょう。実はほぼ違いはありません。ちょっと賢くなったイメージ処理技術がGalaxy S8には施されてるくらいです。両方とも同じ1200万画素で、光学手ぶれ補正機能付きでF値は1.7です。
これが今の市場の姿。最近のフラグシップモデルは、取るに足らない防水機能やワイヤレス充電機能がついて、それとちょっとだけパフォーマンスのスピードが上がったくらいです。たしかにPixel 2が初代Pixelに比べたらより優れたモデルだということに疑いの余地はありませんが、いっぽう初代は100ドルも安くて、より大きなバッテリー容量を積んでおり、何よりヘッドホンジャックもついてくるんですよ。
値段が上がり続けている
あなたも、iPhone Xが最安モデルでも1,000ドルするというのはご存知でしょう。サムスンのGalaxy S8+は少し下の825ドル(約9万3700円)で、Google Pixel 2 XLも850ドル(約9万6600円)です。
そう、どちらにしてもかなり高額です。そして、この価格急騰のトレンドは今後も同じ道を歩み続けていくようでもあります。予想をかなり下回る値段だったかつてのフラグシップスマホ(たとえばNexus 5とか?)が、大手メーカーからはじめて登場するようになってからはもうずいぶん時間が経ちました。
払うのはあなたのお金、だから使い道もいろいろです。今のスマホを使い続ける選択をして、その1,000ドルを新しいノートPCに費やすこともできますし、もしくは航空券を買って世界中のどこへでも行くことができるんですよ? さらに、そこそこ新しいiPhone SEを3台購入することも!
もし、ミドルレンジスマホの値段がフラグシップスマホよりちょっと安いくらいなら、フラグシップスマホの高い値段もそんなに痛くは感じないかもしれません。ただ、そうではないんですよね。たとえば、十分使えるNokia 6は、300ドル(約3万4000円)以下でストックAndroidを搭載し、SIMフリーです。例年、コスパのいいスマホの選択肢の幅はますます広がってきています。
過去のスマホで最新アプリやアップデートを受けられることも
このとおり、今年のフラグシップスマホの進化はちょっとした飾りのようなものばかり。ソフトウェアやアプリという観点では、ミドルレンジでもフラグシップでもほとんど同じです。たとえば、iOS11はiPhone 5S以降のどのモデルでも動きますし、iOS向けInstagramアプリもiOS 9.0以降を搭載したモデルであれば使うことができます。
Googleのほうも述べておくと、AndroidのモデルごとにアップデートできるOSのバージョンが違うことはよく問題されていますが、GoogleのすべてのアプリがOSとは別にアップデートされている現状を考えると、この差は想像しているほど大きな問題ではないようです。Androidそのものは基本的には根底のプロトコルや設定であり、最新のAndroid 8.0 Oreoの新機能は通知をスヌーズ設定できたりするくらい。なので、OS 6.0や7.0を使う皆さんもそれほど何か大きなものを失っているわけではないので、ご安心を。
はっきりさせておくと、もちろん最新OSのほうがいいですし、アプリも新しいハードウェアのほうが機敏に動くことでしょう。ポイントは、フラグシップスマホが登場するたびこれらの違いが少しずつ小さくなってきているということです。
おそらく、この記事を読んだ後もあなたはiPhone Xの購入に大奮発すると思いますし、Appleが新たに投入したワイヤレス充電機能も最大限楽しむことでしょう。もしくは、すでにサムスンのGalaxy S8にぞっこんで、その素晴らしいディスプレイからNeflixで大量の動画を視聴しているかもしれません。
ですが、私たちにとってのフラグシップモデルの魅力が、これまでと同じではなくなってきているということだけは覚えておいてもいいかもしれません。
Image: Apple, Motorola, Google, Gizmodo US
Source: Motorola, Qualcomm
David Nield – Gizmodo Field Guide[原文]
(Doga)
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