“本”から学べることを大切に
● 児童書専門店ってなかなかめずらしいですよね!
現代の子どもたちって身の回りに情報があり過ぎると思うんですよね。スマホとかゲーム機とか。
我々は、絵本の世界にどっぷりつかることで得られる“読解力”や“想像力”を大切にしたいと思い、子どものためのセレクトショップとして“ちえの木の実”をオープンしました。
当店は流行りの本ではなく、過去のベストセラーや古くから愛されている本を中心に置いています。来店されたお母さんが「懐かしい!」と言って本を手に取っていくこともよくありますよ。(笑)
ちえの木の実さんスタッフセレクトおすすめ絵本 (1)
● ちえの木の実さんおすすめの絵本はありますか?
年代によって変わってくる部分がありますね。
1歳くらいまでのお子様であれば、あまりお話のボリュームはないほうがいいと思います。
また、同じフレーズの繰り返しを好む傾向もあるので、同じ言葉やリズムが繰り返されている
ものがいいと思いますね。例えばこちらとか
● 目つきが印象的ですね(笑)
子どもは表情というか顔つきがはっきりしているものを好む傾向があるんです。この本は結構人気あるんですよ。
お話の流れはこんな風におやさいが埋まっていて……。
右側のページを上にめくると野菜が抜けるんです!
● おぉ!ちょっと仕掛け絵本要素があるんですね!
そうなんです!めくる前に「これはなにかな~?」なんて子どもとコミュニケーションしてもいいし、子どもにめくってもらうのもいいと思います。
● なるほどー!
いろんな種類の野菜が出てくるんですけど、「すっぽーん」の部分を野菜によって読み方を変えてあげるとより子どもが食いつきます。大根だったらすこし大きく太い声で言うとか。
● 一工夫が問われますね!
あとはこちらも人気があります。
● かがみのえほん?変わったサブタイトルですね。
そうなんです。こんな風に90度くらいに開いてみるんですけど……。
● あっ!立体感がでるんですね!
上のぺージが鏡になっているんです。不思議な絵本ですよね(笑)これはとても人気があって入荷があるとすぐ売れちゃうんですよ。
ちなみに2歳くらいまではなぜか同じ本を繰り返し読みたがります。子どもと本屋さんに行っても、お家にあるものを手に取って「これ読んで!」って言われて「家にあるよー!」なんてやり取りはしょっちゅうです(笑)
2歳くらいまではたくさんの本を用意する必要はないと思います。お気に入りの一冊をお子様と一緒に探してあげてください。
3歳を過ぎてくるとストーリーやクイズ要素がある本もいいと思います。自分が知っているものが出てくるとテンションが上がりますよね。
例えばこちらとか……。
● ほほぅ
こんな風に色んな“ものが乗っているページ”があって……。
次のページでどんなお仕事をしている人が使っているかが紹介されているんです。例えばこちらはお花屋さんですね。
● なるほどー!物の名前を覚えるのにもよさそうですね!
おっしゃる通りです!うちの子もこの本でかなりものの名前を覚えたと思います(笑)この本お子さんの年齢によっても楽しみ方が違ってて面白いんですよ。
3歳くらいまでは本を読み進めている途中、“もの”が描いてあるページがあると高確率で止まります。知っているものを声に出して言いたがるんですよ。でも5歳くらいになってくると、これは誰が使っているのか?っていうクイズの答えが気になり始めます。
兄弟に一緒に読んであげると反応が違って面白いですよ(笑)
● 親サイドにそんな楽しみ方が!
おすすめ絵本(2) お父さんボイスを生かす2冊!
● あと例えばパパが読んであげるとキマるものってありますか?
例えばこちらとかですかねー。
● 凛々しい顔の機関車ですね(笑)
そうですね(笑)この本は機関車の上にカップやスプーン等いろんなものがのせてもらいに来るっていうお話です。
『がたんごとん』というフレーズが繰り返し出てくるんですが、この時ぜひお子さんを膝の上にのせて、軽く揺らしながら読んであげるのがおすすめです!うちの子すっごい喜ぶんです!これは体力のあるお父さんにぜひ読んでほしいですね(笑)
● その読み方は臨場感でそうですね!
ただし揺らすのは首が座ってからにして下さいね。
後はうちの主人はこれを読んであげるのが好きですね。
わにさんがおふろに入るんですね!
おっしゃる通りワニのわにわに君が楽しくお風呂に入るお話です。あぶくで遊んだりしてて可愛いですよ(笑)あとは一緒にお風呂に入ってるときに「わにわに君といっしょだぞー♪」とコミュニケーションをとるのもいいですね。
● なるほど!お風呂が好きでないお子さんにいいかもしれませんね!
そうですね。お父さんの声で読んであげるとキマると思います!
子どもが食いつく読み聞かせのコツとは!
● 子どもを虜にする読み聞かせのコツってありますか??
そうですねー。まず1つ目はキャラクターの感情を声にこめてあげることです。例えば驚いているところは驚いている雰囲気で読んだり、困ったところは困ったトーンを出してあげたりするのが大切です。
● なるほど!サラッと読むだけじゃ伝わらないんですね!
そうですね。あとは身振り手振り、表情も交えて読んであげるとベターです。よりお話の理解が深まりますね。あと細かいところだと、キャラクターに応じて声のトーンを変えてあげたりとか、抑揚をつけてあげたりとか。
● 演技力が問われますね……。
そんなに気にしなくて大丈夫ですよ(笑)
名作には子どもに伝えたいことが詰まっている
● 久しぶりに絵本を見ましたがやっぱり雰囲気がいいですね
子どものころに出会った本は一生の宝物になることも多いんです。スマートフォンやテレビで子どもをあやすのもいいと思うんですが、絵本に触れる機会も子どもには大切な時間だと私たちは考えています。
子どもには年齢や性別に応じて見るべき色使いや言葉遣いがあると思います。長年にわたって名作といわれる一冊にはそういったものがすべて詰まっています。
ぜひ来店して、絵本の魅力に触れてみてくれたら嬉しいですね。
取材協力:ちえの木の実
住所:東京都渋谷区恵比寿西2丁目314 1F・2F
営業時間:11時~18時
定休日:毎週火曜日
公式HP:http://www.chienokinomi-books.jp/index.html
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