日本酒には飲む順番がある。適切な日本酒の飲み比べ方法とは?
皆さんは、日本酒を飲む時に、「飲む順番」を気にして飲んだことはありますか?
お寿司を食べるときに、先に味の濃いものを食べてしまうと、淡い味わいのものがよくわからなくなるため、味の淡いものから濃いものを食べていくというセオリーがあるように、実は、日本酒にもそういったセオリーがあるんです。
そこで今回は、「日本酒には飲む順番がある」というお話をしたいと思います。最初に付け加えておきますが、必ずこの順番で飲むべきということではなく、日本酒の飲み比べをする時のあくまでに参考までにご覧ください。
日本酒の基本的な「飲む順番」とは?
お寿司を食べる場合には、味の淡いものから濃いものを食べていくというセオリーがあります。たまごから入って、白身、赤身と続き、穴子で〆る、といった感じです。先に味の濃いものを食べてしまうと、淡い味わいのものがよくわからなくなるからです。
日本酒の場合も、飲む際に順番があるという点では同じなのですが、ちょっと見逃しやすいポイントがあります。それは、後半になればなるほど酔っ払ってしまうということ。後半に好みのお酒をもってきても、そのときにはお酒がまわっていて、あまり飲めなかったり、味がわからなくなってしまうことがあるのです。
自分の好みを把握している方
自分が好きなタイプのお酒が決まっている場合には、1杯目か2杯目に好きなタイプの日本酒飲むことをオススメします。味の濃いお酒だったら、その分たくさん水を飲んで口の中をリフレッシュさせ、次のお酒にいけばいいのです。
「お酒に強い」という自負のある方
「結構飲めるので、味の淡いものから濃いものへと順番に飲んでいきたい」という方もいるでしょう。それなら、若干身も蓋もない言い方をしてしまいますが、お酒の値段がわかる状態でしたら、「高いお酒から飲む」ということを覚えておくといいかもしれません。
一般に、大吟醸や純米大吟醸など、手間暇をかけて値段も高いお酒であればあるほど、繊細な香りと旨味があるお酒になる傾向があります。従って、高いお酒から飲んでいけば、繊細な香りのお酒から濃厚なお酒へとなることが多いのです。
具体的には、大吟醸や純米大吟醸、吟醸や純米吟醸、特別純米や特別本醸造、純米や本醸造、普通酒という塩梅(あんばい)です。もちろんこれには例外もありますが、なんとなく吟醸とついている強そうな名前のお酒から飲むということは、頭の片隅に入れておくといいでしょう。
それでは、日本酒初心者から上級者まで、それぞれにおすすめの飲み方をご紹介しましょう!
特定名称別に飲み比べてみる
特定名称酒とは、酒税法において、原料や製造方法などの違いから、8種類に分類された清酒のことを指します。日本酒のラベルに書かれている「純米大吟醸」「特別本醸造酒」といった区分のことです。日本酒を飲む順番を考える際は、この特定名称を元に飲み比べてみる方法があります。
2種類を飲み比べる場合
2種類の日本酒を飲む際には、以下の2つの区分を参考に飲んでいくのがオススメです。
・本醸造系から純米酒系へ
・吟醸酒系から純米酒系へ
共通して言えるのが「純米酒」を後にもってくるということ。「水」と「米」のみで造られる純米酒は、旨味が強く、濃厚な味わいであることが魅力であるため、後にもってくるようにすると、味わいをより楽しむことができます。
3種類以上を飲み比べる場合
3種類以上日本酒を飲み比べる際には、まず、特定名称酒ごとの区分を参考に、軽い味のものからしっかりした味のものへと、飲み進めていくと味わいがわかりやすくなります。具体的には、
「大吟醸系・スパークリング系」→「吟醸系・本醸造系」→「純米吟醸系」→「純米系」→「山廃・生もと系」→「熟成酒系」
こういった順番で飲むと、飲み比べる際により味をしっかりと感じられます。
都道府県別に飲み比べる
2つめの方法として、そのお酒が造られた都道府県に注目して順番を決める、というものがあります。日本酒は、寒い地方のお酒ほどさっぱりとした味わいのものが多く、南へ下るにつれて味わいがしっかりとしたものが多くなってくる、と言われています。なので、以下のような都道府県の位置に則った順番で飲むと、味わいが次第に濃いものへと飲み比べができる、というわけです。
「東北のお酒(寒い地域のお酒)」→「関東甲信越のお酒」→「近畿・中部地方のお酒」→「関西のお酒」→「九州のお酒」
もちろん例外もありますが、先ほどの「特定名称酒」の区分に従って飲むのと同じで、味わいの淡いものから濃いものへと飲む順番を決める際の指針になります。日本酒を置いてあるお店では、その日本酒の蔵が位置する都道府県がメニューに記されていることもあるので、ぜひ参考にしてみてください。
味わい別に飲み比べる
また、お店でよく耳にする「味や香りに対する表現」には、先ほどご紹介した「特定名称酒」や「日本酒の造られた都道府県」と同じように、具体的に飲み比べる順番を決める際に役立つ言葉があります。
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