レジリエンスとは? 夏の終わりの憂鬱な気分を乗り切る方法
夏の終わり。それは「楽しい時期は終わり、これから冬がやってくる」ことを意味しています。日がだんだん短くなり、冷たい風邪に耐えながら通勤するころには、日差しもほとんどなくなります。
そう思うだけで、夏が恋しくなりませんか? このような感情にどのように対処すればいいでしょうか?
そこで、アートセラピストであり、レジリエンスの専門家でもあるEinat Metzl博士に助言を求めてみました。同氏は、Loyola Marymount University(直訳:ロヨラ・メリーマウント大学)で家族療法の教授もしています。
夏の終わりに感じる憂鬱にどう対処するか論じると、結局のところいきつくのは「レジリエンス」の話です。レジリエンスとは困難や苦境から迅速に「回復」「復元」「復活」する力のこと。Metzl博士は、レジリエンスを次のように説明しています。
“レジリエンスとは、プロセスであり、誰にでも使えるものです。ですから、問題は、いつどこでレジリエンスを発揮するかということになります。”
レジリエンスを発揮して憂鬱な気分を乗り切るためにも、次の3つのことを実践しましょう。
1. 辛かった変化を乗り越えたときのことを思い出す
最も大切なことは、「今までの人生で乗り越えてきた、数々の変化を思い出すこと」だとMetzl博士は言います。
“どんなに苦労知らずの人生を歩んできた人でも、人生は常に変化の連続だったはず。だからこそ、私たちにはレジリエンスや折り合いをつけていくスキルが備わっているのです。”
ですから、今まで上手に乗り越えてきたさまざまな変化や、変化を乗り越えるのに役に立った行動を思い起こしてください。それを、今の気持ちに反映させるのです。きっと、季節の変化を乗り越える方向に気持ちが向くはずです。
2. クリエイティブに自己表現してみる
Metzl博士はアートセラピストとして自身の体験を紹介しています。
“ほとんどの人は、自分の感情や考えを直感的に表現する方法が見つかると、ずいぶん救われます。”
それは、音楽、ドラマ、ダンス、工芸だったり、ときにはランニングに出かけることだったりします。「心身と魂を使うことなら何でもいいのです」とMetzl博士は言います。
“夏の終わりに憂鬱になる人は実はクリエイティブなんです。気分が落ち込むのは、自分でネガティブなことを妄想しているせいです。”
まず、他人が下した評価も自分の思い込みもこの際、横においてください。そして、自分の好きなやり方で自己表現をしてみましょう。カーテンを閉め、音楽を流して1人で踊る。「夏よ、さようなら」と言いながら自分の似顔絵を描く。影絵で人形劇をやってみる。などなど、自分でさまざまなアイデアを試してみてください。
「誰でも、クリエイティブに、柔軟に、独創的に考える能力を持ち合わせています」とMetzl博士。同氏は、2005年8月末にハリケーンカトリーナがアメリカを襲ったとき、被災者の気持ちがクリエイティブ指向になるように支援しました。その経験から、人生に前向きに臨んでいくためには、クリエイティブになことがいかに役立つかを、身をもって知っています。
3. 繊細な感受性として評価する
いずれにしろ、夏の終わりに憂鬱になるのは決して悪いことではありません。日々を機械的にやりすごさず、生活にしっかりと注意を払って生きている証拠です。Metzl博士は言います。
“レジリエンスとは、変化を柔軟に取り入れる能力のことで、何かから立ち直る力を意味します。物事がうまくいかないときに、以前のうまくいっていた形に戻すか、それ以上のところにもっていける力が自分の中に備わっているという考え方です。”
このコンセプトを取り入れるには、まず、人生には気分が落ちこむときもあって当然だと認識する必要があります。まわりから影響を受けるのは、いいことです。
“元気いっぱいで、変化に影響を受けない人は身のまわりの出来事に無頓着かもしれません。喪失感を感じるのは、過去の出来事に執着があるからで、それを断ち切り、再び地に足をつけるにはちょっと時間がかかります。”
ですから、その喪失感は、自分がどれだけ夏という季節を特別に思っていたかを表しています。「心の中で、そのことを高く評価しましょう」とMetzel博士は言います。
「憂鬱な気分に悩まされている」という事実にとらわれすぎないことです。元の自分に戻るには、少し時間が必要ですから。
さあ、繊細な心の持ち主の皆さん、一緒にこの季節の変わり目を乗り越えましょう。
Image: Julie Falk/Flickr
Source: Loyola Marymount University
Adriana Velez- Lifehacker US[原文]
(訳:春野ユリ)
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