創造的になるには「脳を退屈させること」
Inc.:せっかくの長期休暇にも関わらず予定のない日々や、仕事終わりにだらだらと過ごすだけの夜。このように、誰でも退屈した経験があるのではないでしょうか。しかし近ごろは、スマートフォンがあるおかげで、退屈することは滅多になくなりました。昔のように退屈しそうになっても、ちょっとだけゲームをしたり、Facebookをチェックしたり、子猫の写真を見たくなったりしますよね。
しかし、このように退屈から逃れようとする衝動は、ライターのJordan Rosenfeldさんにとっては大きな問題でした。退屈だと感じることが少なければ少ないほど、創造的なアイデアが浮かぶことも減ると気がついたからだと、RosenfeldさんはQuartzで説明しています。
退屈は悪くない。むしろ良いこと
Rosenfeldさんの考えは単なる思い込みではありません。退屈が生まれたのは、人間を苦しめたり、イラつかせたりするためだけではないことはCreativity Reserach Journalの研究によって明らかになっています。退屈すれば、創造力をかき立てられて不満な状況を改善しますし、従来の枠組みを解き放って新しいアイデアを練る余裕が脳に生まれるのです。
しかしここでは、その研究に深く触れることはしません。説得力のある証拠が欲しいのであれば、Rosenfeldさんの投稿を読んでみてください。それよりも大切なことは、「どのように脳を退屈させるか」ではないでしょうか。
脳を退屈させる方法
現代社会で退屈な時間を作ることは簡単ではありませんが、Rosenfeldさんはそんな言い訳をやめました。その代わりに、実際に行動をおこして、脳を退屈させるための訓練法を編み出したのです。基本的ステップを以下に示しましょう。
1. 「ぼーっとする習慣」を再び始めましょう
人がスマートフォン中毒になるのは、脳の報酬中枢とよばれる場所に快楽を与えているからです。Rosenfeldさん(ならびに、中毒を研究する多数の科学者)の指摘によると、「脳が喜ぶ活動をすればするほど、脳はその活動を強く求めるようになる」のだそうです。その逆もしかりで、携帯電話の誘惑に負けないようにひたすら努力すれば、携帯電話の存在を容易に無視できるようになります。そうすれば、時にはぼーっとする時間を取れるでしょう。もしそれが難しいと思えるなら、専門家が携帯電話中毒を克服するための詳しいアドバイスをたくさん提供していますので、参考にしてください。
2. メールを常にチェックしない
「でも、メールを受け取ったら必ず速攻で返信しなければいけません」と反論する人もいるでしょう。ところが「そんな必要はまったくない」とRosenfeldさんは力説します。忙しいふりをしたがる人が多いのですが、絶えず忙しくしていると長期的な成功の可能性は低下します。スマートフォンには目を向けず、何もしない時間をとるべきです。
3. 自分の感情と正面から向き合いましょう
「退屈から逃れようとする時には、マイナスの感情からも逃れようとしています。そういった厄介な感情は、抑えるのが難しい場合も少なくありません。私は、友人とけんかした時や、悪い知らせを受け取った時には、たばこを吸ったりアルコールを飲んだりするだけではなく、携帯電話で気を紛らわせたくなります」とRosenfeldさんは告白しています。退屈を手に入れるためには、そういう感情から逃げるのではなく、正面から向き合う必要があるでしょう。
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Image: Billion Photos/Shutterstock.com
Source: Quartz, Taylor & Francis Online, Inc.
Jessica Stillman(訳:松田貴美子/ガリレオ)
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