「Xperia Touch」ならパーフェクトな音声AIアシスタントになれると思う
タッチして操作できるディスプレイを、プロジェクターで好きなところに映し出すことができる「Xperia Touch」。いよいよ6月24日から発売が始まります。
プロジェクターでありAndroidでありスピーカーでもあるこの不思議なデバイスについて、ギズモード・ジャパンはこんなファーストインプレッションをお届けしていました。
「Xperia Touch」ファーストインプレション:家にでっかいスマホがやってきた
「でっかいスマホ」のタイトル通り、Xperia Touchは、机や床にスマホ画面を投影できるデバイスと説明するのがいちばんしっくり来ます。
しかもソニーの超短焦点プロジェクション技術を惜しみなく搭載したと見え、操作の滑らかさは触ってびっくりな完成度。タッチ操作はできなくなるものの、壁に動画を映すときに80インチまで投影サイズを拡大できるのもいいですし、重すぎず大きすぎずインテリアに馴染みそうなデザインも魅力的です。
Xperia Touchはスマートスピーカーの斜め進化系
ギズモード読者のみなさんなら、Xperia Touchの外見からまず想像するのは流行りのAI音声アシスタント搭載のスマートスピーカーじゃないでしょうか。Amazon(アマゾン)のAmazon Echoシリーズ、Google(グーグル)のGoogle Home、そして先日のWWDC 2017で発表されたばかりのApple(アップル)のHomePod。どれも、話しかければ自然な会話で知りたいことを教えてくれる、人工知能アシスタントを搭載しています。
これらの便利スピーカーにも欠点はあります。
「今日の天気は?」「今日の渋谷区の天気は曇りのち…」。このくらいなら音声のみのやりとりでも大丈夫ですが、例えば「検索結果を表示しました」みたいな回答の場合。手が離せないからスピーカーに話しかけたのに、検索結果をスマホやタブレットで見る必要が出てきます。読み上げで伝えられる情報量には限りがあって、現状ではWi-Fiでつながっている端末の画面に表示してしまうのが一番便利なんです。つい最近発表されたAmazonのスマートスピーカーEcho Showにディスプレイが搭載されたのも、そういう流れじゃないでしょうか。
Video: Amazon Echo/YouTubeただ、Echo Showだってタッチディスプレイは7インチです。iPad miniよりちょっと小さいくらい。遠くに置いてあったら、やっぱり近寄っていって画面を覗き込まなきゃいけません。音声アシスタントで画面から解放されると思ったのに、やっぱり画面に戻らなきゃいけないのか…とちょっと残念な思いもします。
だから、もしXperia Touchに超優秀な人工知能アシスタントが載るとしたら理想的だと思いませんか?
「ピザ注文したい」と話しかけて、「近くのお店に頼めるピザを表示します」と壁にピザの写真一覧をでっかく映してくれたらどうでしょう。「トマトとツナの…」って名前を読み上げられるより簡単です。もしピザを見ながら詳細情報をタップしたいなって思ったら、本体を壁に近づけて数秒待つだけでタッチ操作が有効になります。
Video: ギズモード・ジャパン残念なことに、現在Xperia Touchのボイスコントロールは音声認識&コマンド実行にとどまっています。公式サイトによれば、アラームを設定したり、天気やニュースを聞いたり、ウェブを検索してもらったりといった操作を、予め用意された言い方「XX時に起こして」「XXの天気は?」で実行させる、ということみたいです。試しにSiriみたいに会話表現で話しかけてみたら、反応がありませんでした。
もちろんプリセットのコマンドだけでも役には立ちそうです。ただ、近づいたらディスプレイを点ける人感センサーや、向きや壁との距離を変えると自動で投影をアジャストしてくれるシステムなど、贅沢な機能とソニーが掲げる「ラスト・ワン・インチ」思想からくる使い勝手の良さを満載したXperia Touchは、未来のパーフェクト・ホームアシスタントになれる可能性を秘めている気がします。
ただし現状は…
今回、Xperia Touchの実機をお借りしたのですが、やっぱり現状の欠点としてあげられるのが暗いこと。スペック表では100ルーメンとなっています。
どのくらいの部屋の明るさなら、問題なく使えそうでしょうか? 岩崎電気が無料で提供しているiOS/AndroidアプリQUAPIX Liteを使って測定しました。
まずギズモード・ジャパンのオフィスで試してみたのですが、だいたい部屋の照度は500〜1,500ルクスくらい。Xperia Touchで投影した画面は薄くて、操作に難ありでした。日本の一般的なオフィスはJISの基準で750〜1,000ルクスの照度になっているそうなので、だいたいこんな感じでしょうか。
場所を移動して、照度40〜200ルクス程度のちょっと暗めの廊下。ここだと画面ははっきり見え、アイコンの色も鮮やかでした。
廊下は絨毯のフロアなのですが、タッチ操作は問題ありませんでした。フローリングの床だけでなく、畳やマットの上なんかでも使えるでしょう。
ただ、お値段14万9880円(税別)のXperia Touchには期待してしまうだけに、ゲームや映画鑑賞だけではやっぱり物足りない感じも。ここから進化を続けて、手放せないほどパーフェクトなホームアシスタントになってほしいものです。
「Xperia Touch G1109」の発売は24日。ソニーストア直営店(銀座、名古屋、大阪、福岡天神、札幌)などで現物を試してみることができます。
Photo: ギズモード・ジャパン
Source: ソニーモバイルコミュニケーションズ, YouTube, 日本工業規格の簡易閲覧, QUAPIX Lite
(斎藤真琴)
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