心停止の救急患者を助けるなら、救急車よりドローンのほうが早い
Image: Es sarawuth/Shutterstock.com
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ドローンvs救急車。
時限爆弾のように1秒が大きな差を生むことになる心停止。生存率を高める1番の方法はとにかく早くAED(自動体外式除細動器)を取り付けること。いち早くAEDを持ってくるのに、救急車は周りの車や信号などありますが、ドローンならひとっ飛びです。
今回はスウェーデンの研究者たちが、生死の境で一刻を争う事態の場合、本当にドローンは救急車より早いのかを計測しました。結果はやっぱりドローンの大勝利です。
研究者たちはまず、12.5ポンド(約5.7kg)の8軸ドローンにAEDを取り付け、ドローン救急車とわかるようにペイントしました。そしてストックホルムにほど近いノルテリエという街にセットします。ここは救急車の遅れが多い地域と言われています。今回は、去年の9月に実際に起こった救急の通報18回を再現して、救急車とドローンを派遣しました。
この実験結果は「911」と題され、米国医師会による医学ジャーナルJAMAに発表されました。911はアメリカの緊急通報ダイアルの番号。ちなみに、この実験をしたのはスウェーデンのみなさんで、スウェーデンでは緊急通報番号は112なんだそうです。アメリカのジャーナルに発表するということで、タイトルをちゃんとローカライズしてます。
結果はといいますと、18回中18回ドローンが大きく救急車を引き離しての大勝利。出発から現場に到着するまでに救急車では20分かかったところは、ドローンでは4分かかることもなかったという結果。だいたい平均でドローンが5分、救急車は20分以上かかったそうです。
ただ、ドローンは救急車よりもずっと早くAEDを心停止の患者さんに届けられるということは明らかですが、AEDを患者さんに施せる人が必要です。次の実験では、現場に居合わせた人がドローンによって届けられたAEDを使用するケースと、救急車でやってきた救急救命士が救命処置をする場合の比較を考えているそうです。
ドローンで運ばれて来たAEDを冷静に使いこなせる人が現場に居合せることが大きなポイントになりそうですね。
Image: Es sarawuth/Shutterstock.com
Source: JAMA, New Scientist
Ryan F. Mandelbaum – Gizmodo US[原文]
(岩田リョウコ)
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