「ラム肉」と聞くとどんなイメージが浮かぶだろうか? 「クセが強い」、「高そう」と感じた人には、特にこの記事を読んでもらいたい。というのも、ラム肉事情が大きく変わりつつあるからだ。実はここ数年、ひそかに、けれども確実にラム肉の需要は高まっており、美味しいラム肉を食べられる店が都内で急増中。調理方法や産地にこだわり抜いた極上のラム肉が食べられるのだ。今回は、そんな美味しいラム肉を提供する店の中でも、激ウマなラムチョップを食べられる店を厳選してご紹介! ラムが好きな人も、これまで食べたことがない人も、ぜひ一度訪れてみてはどうだろうか。
1軒目:最高級のラム肉をソムリエこだわりのワインで食べる
中には苦手な人もいるラム肉。苦手な人が挙げる理由として多いのが独特の「香り」だが、そんな人にこそオススメしたいのが、現在都内で3店舗を展開しているラム専門店の『ウルトラチョップ』だ。
実は、同店のオーナーはもともとラム肉が苦手だったのだが、4年ほど前に食肉卸で働く知人からラム肉を食べさせてもらう機会があり、そのあまりの美味しさに感動。「このラム肉を色んな人に食べてもらいたい」という想いで、ウルトラチョップを始めたという。
同店の最大の魅力は、なんといってもニュージ―ランド産の良質なラム肉を、リーズナブルな価格で食べられるところ。ウルトラチョップでは、生後4ヵ月~6ヵ月のラムのみを使用しているため、臭みが全くなく食べやすい。「ラム肉は嫌いだがこの店のものなら食べられる」と話すお客さんも多いそうで、来店者の100%が『ラムチョップ』を注文するのだとか。
ラムチョップの味付けは塩・トリュフマスタード・柚子胡椒(塩と柚子胡椒が税抜き480円、トリュフマスタードは税抜き580円)の3種類あり、使用している調味料はどれもこだわり抜いたものばかり。せっかくなので、全種類を注文することに。備長炭で10分ほどかけてじっくり焼き上げられたラムは、香ばしくて濃厚な味わい。とにかく柔らかくて、焼き加減も絶妙だ。サイズ感もちょうど良く、何本もイケてしまいそうになる。
塩は、キリバス共和国のクリスマス島のもので、ミネラルたっぷりかつマイルドな塩味が特徴。マスタードは270年の歴史を持つ老舗で、フランスを代表するマスタードブランドの“マイユ”を使用しており、舌触りがよく、なめらかな風味のもの。マスタードにはトリュフオイルも使用されており、ほのかにトリュフが香る。大分県中津江村から取り寄せているという柚子胡椒は、ピリッとした辛味のあとに爽やかな柚子の香りが広がって、やみつきになる味わい。3種類それぞれが違ったかたちで肉の旨みを引き立てていて、エンドレスループができてしまいそうだった。
もう一つ嬉しいのが、アルコールのバリエーション。ワインは、市場にあまり流通していないレアな銘柄をセレクトしており、赤・白・スパークリングなど、2千円台のものから2万円クラスのものまで、豊富に揃っている。
もちろんビールやハイボール、カクテルもバッチリ網羅されていた。とことんラム肉を食らうも良し、飲みながらつまむも良し。ラム好きのみならず、酒好きでも満足できること請け合いだ。
Information
ウルトラチョップ恵比寿
TEL:03-6277-5180
住所:東京都渋谷区恵比寿西1−9−2 YAMAビル
定休日:日曜日
営業時間:月~金18:00~24:00、土17:00~24:00(L.O 23:00)
http://www.ultrachop.jp
2軒目:こだわりの小料理屋で食べる和風ラムチョップ
創作和食の店『なかふく』は、渋谷から代官山方面に向けて10分ほど歩いたところにある和食店。カウンター9席と個室のみの店内では、アットホームで落ち着いた雰囲気の中、日本各地から取り寄せられた旬の食材を使った創作和食が食べられるとあって、オープン以来、口コミで人気が広がっていった。
こちらで提供されているのは、西京味噌を使用した「ラムチョップの西京焼き」(税込み1,200円)。2年ほど前に、ポピュラーなお肉以外でもなかふくならではの肉料理を提供したいと思い、鰐肉やカンガルー肉など、さまざまな肉を使って試行錯誤したというご主人。最終的にラム肉と西京味噌の組み合わせにしたのは、試した組み合わせの中で、それが一番お互いの味を引き出していたからだという。
席に着いて、早速ラムチョップを食べさせてもらうことに。香ばしく焼き上げられた骨付きのラム肉に、店主特製の西京味噌ソースをかけていただく。ソースの主役となるのは石野白味噌。創業1781年の石野味噌による白味噌で独特の甘みが特徴だ。本来は懐石など繊細な料理に使われることが多く、ラムチョップのようなパンチのあるものに使うのは珍しいのだという。
ラム肉にかじりつくと、ラムのジューシーな脂とマイルドな西京味噌が合わさる。ラムチョップがしっかりと和食の味になっていて、驚愕すること間違いなしだ。付け合わせの一味をふりかけた大根おろしと合わせて食べると、また違った味わいが楽しめ、あっという間に平らげてしまった。このラムチョップ、来店すると必ず注文する固定ファンもたくさんいて、完売することもあるらしい。
同店ではラムチョップのほかにも、新鮮さがウリの「お造りの3種盛り合わせ」(税込み1,300円、※時価)や「季節野菜のムース」(税込み800円)など、店主のセンスが光る創作和食の数々が堪能できるので、ぜひ一度訪れてみてほしい。
Information
なかふく
TEL:03-6416-3389
住所:東京都渋谷区鉢山町2-4 富沢ビル1階
定休日:日曜日・祝日
営業時間:月~土18:00~24:00
http://www.nakafuku.tokyo.jp/
3軒目:“ラムビギナー”でも楽しめるジャパニーズスタイル
銀座線上野駅から徒歩5分、不忍池からすぐの場所にある『下町バル ながおか屋』は、年間19万本ものラムチョップを売り上げ、開店前から人が並ぶほどの人気店だ。人気の秘密はその味付けにある。
オープンは2009年3月。「ラムチョップを下町・上野のソウルフードにしたい」という想いからスタートしたとあって、看板メニューはもちろん「ラムチョップのかぶりつきスタイル」(税抜き390円)だった。ただ、当時のラムといえば、フランス料理などで出てくる日本人にしてみればとっつきにくいイメージも。それを多くの人が気軽に楽しめるものに変えようと考案されたのが、醤油ダレのラムチョップだ。醤油をベースに、数種類の香辛料が入った秘伝のタレに一晩漬け込まれたラムは、日本人の味覚にマッチ。さらに、ダイナミックにかぶりつくスタイルがウケ、じわじわと市民権を得ていった。
そしてもう一つ、クセが少なく新鮮なラム肉を使っているのもポイントだ。ラム肉は、草などのエサや育った場所の気候、風土によってクセや味が大きく変化する。また、鮮度や食肉にされる時期による差異も大きい。そうして「いろんな場所を視察して最もいいと選んだ」というラムは、ニュージーランドの南島産のもの。時期によってチルドと冷凍を使い分け、その時々で適切な保存方法を用いて輸送される。保存技術が進歩し、現在は冷凍を経た肉であっても、肉質や味を損なうことがほとんどないのだとか。なお、2015年からはタレのほかに、スペイン産の塩を使ったラムチョップも展開(アクセントにピクルスソース付)。このシンプルな味付けは、クセの少ない肉を使っているからこそで、その自信のほどがうかがえる。
日本人にぴったりの味付けと、新鮮でクセが少ないラム肉を使うこと。この2点に特にこだわることで、今やたくさんの人がラムチョップを目当てに訪れるようになったという。
また店内の雰囲気にも注目したい。店舗は3フロアからなり、1階は王道のスパニッシュバル、2階はスタイリッシュ、4階はシックと、それぞれ雰囲気が異なる。そして、1階と4階はワインがメイン、2階は国産クラフトビールのタップが常に6~9タップ設置と、フロアによってオススメのアルコールが異なっている。そのため、シチュエーションや目当てのアルコールによって、フロアを選ぶ楽しみもあるわけだ。
シチュエーションや訪れる相手を問わない下町バル ながおか屋。そして、上質の肉を使った同店のラムチョップは、ラム料理が気になるけどよく分からないという“ラムビギナー”や、ラムのクセや匂いが苦手な人でも、帰るころにはきっと虜になっているはず。
Information
下町バル ながおか屋
TEL:03-6277-5180
住所:東京都台東区上野2-9-5 1階、2階、4階
定休日:なし
営業時間:月~金17:00~23:30、土、日、祝16:00~23:30
http://www.uenodebal.com/
健康面が気になっている男性にこそラム肉をオススメしたい
ここまでラムチョップの魅力について紹介したが、ラム肉の魅力は味だけではない。実はもう一つ、牛や豚にはない魅力がある。それが「肉なのにヘルシー」ということ。ラム肉には、コレステロール値を下げる「不飽和脂肪酸」や、脂肪を燃焼させる「カルニチン」が多く含まれており、しかも低カロリー。また脂肪が体内に吸収されにくいという特徴があるという。これまで牛や豚ばかり食べてきたという人も、味も健康面もパーフェクトなラム肉を、この機会に経験してみてはどうだろう?
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