30~50代男性のファッションリーダーとして、知る人ぞ知る人気ブロガーがいるのをご存じですか? 2005年8月から「Mのブツ欲日記」(http://m-butsuyoku.blog.so-net.ne.jp/)というタイトルのブログを運営する水谷祐司さんがその人。月間30万PVを誇るそのブログには、水谷さんがオススメするモノならぜひ入手したいと思う熱心な読者がたくさんいます。
ブログを始めた当時は会社員だった水谷さんですが、読者数の増加もあり5年後には独立。現在ではブログ以外にも、商品開発や雑誌の企画協力などにたずさわっています。今回はそんな人気ブロガーのモノへのこだわりにさらに迫るべく、突撃インタビューを敢行。読者の役に立つ話がいっぱい聞けました。
● 「Mのブツ欲日記」はもともとどういうコンセプトで始めたブログですか?
会社員時代に、30代中盤以上の男性向けにカルチャーやモノを紹介するウェブマガジンの編集にたずさわっていたのですが、雑誌の編集後記のようなものを目指してブログを始めたんです。スタッフの私物公開のような形で、私が実際に買ったモノを紹介していく。ウェブマガジン自体は2年ほどで縮小してしまいましたが、私のブログ自体に読者がたくさん付いてくれていたので、それからは個人としてブログを続けています。
● 「Mのブツ欲日記」が読者に支持された理由って何だと思いますか?
「Mのブツ欲日記」を始めたころってブログというものが世の中に出始めた時期で、個人が発信しているメディアがまだまだ少なかったんです。そんな時代の中で、いわゆるマスメディアとは違う、個人の視点で発信しているところが受け入れられたんだと思います。当時は、30代中盤以上の男性をターゲットにしたブログは、ほとんどなかったはずです。
● ブログから始まって、どのようにファッション関係の仕事が増えていった?
もともとファッション業界にまったく関りがない人間でしたが、勝手に色々と発信させてもらっているうちに、業界関係者の目にとまる機会が増えていって。そこからファッション誌の企画協力や記事執筆だったり、メーカーの商品開発に参加させてもらうようになりました。例えるならば、ゴルフ好きが趣味が高じてゴルフクラブの製作にたずさわるようになったような感じですね。
● 商品開発にたずさわる場合も、やはり消費者目線で?
ブログ自体もずっと消費者の視点で書くっていうスタンスを続けていますし、商品開発にたずさわる場合も、あくまで消費者としての立場で意見を言わせてもらっています。メーカーもお店も、それまでは意外と消費者の声を吸い上げて商品化する機会がなかったようで、一種のトライとしてやってみようと思ってもらえました。
● ブログの反響がよかったのが、会社を辞めて独立するキッカケに?
そうですね。もともとずっと会社員を続けるつもりはなかったのですが、自分に独立できるだけの武器があるかどうかが分からなくて。でもブログをやっているうちに、これが自分の武器になりそうだなって思ったんです。
● そもそもファッションにこだわるようになったキッカケは?
高校を卒業するまではファッションにまったく興味がなかったんです。でも、大学に入ってすぐに買ったDCブランドのコートが、あまりにも周りに反応がよくって。そのコートを着て大学に行ったら「オシャレだな」とか「格好いいね」って言われたりして。それからファッションに興味を持ち始めたのですが、まだ学生だったので安いユーズドのジーンズを買ったりという感じでした。社会人になって、30歳の記念にオールデンのブーツを買ったんです。何となく名前は知っていたし、色々な雑誌で見かける靴だったので。それまでは高くても2~3万の靴しか持っていなかったんですけど、当時でも10万円くらいしたコードバンのブーツを思い切って買いました。
● そのオールデンのブーツをキッカケに、革小物などにも興味が広がっていった?
革小物って買う順番としてどうしても後回しになるんです。初めは表面積が広くて目立つジャケットやスーツから買っていって。でも、30歳ぐらいまでにはウェア系は一通り買って、余裕が出てきた30歳を機に靴とか革小物に気が回り始めた感じです。
● ビジネスシーンにファッションアイテムを取り入れる時に、気を付けるべきポイントは何だと思いますか?
最近のビジネスシーンだったら、小物に関しては結構遊んでもいいと思っています。私はクロコダイルのポケットティッシュケースを知り合いの職人さんに作ってもらったんです。ポケットティッシュってよく街でもらうけど、それをそのまま裸で持つのはカッコ悪い。ちょっとしたカスタムを加えることで面白く使えるモノってたくさんあると思います。
● 他にもカスタムして使っているアイテムはありますか?
ビンテージの革靴を買って職人さんにカスタムしてもらったモノがあります。靴の履き口って劣化して割れやすくなってしまうんですが、そこに職人さんにカンガルーの革を三つ編みにして縫い付けてもらったんです。劣化防止と同時にデザインのアクセントにもなって。ほかにも、ビンテージのロレックスをアクセサリー感覚で使いたいと思って、職人さんにベルト部分をスターリング・シルバーで一から作ってもらい取り付けたモノもあります。
● 自分のアイデアでオリジナルなモノにカスタムするって楽しいでしょうね。
既成のモノにひとつ手を加えることによって、他人と違うユニークなモノに変化させられるっていうのはやっぱり面白いですね。
● 来月からは、水谷さんオススメのビジネス小物を紹介する連載が始まります。連載の中では、どのようなアイテムを紹介したいと思っていますか?
やっぱり高価なアイテムをどんどん買うってのは難しいと思うので、これを1個持っていれば凄くこだわった人に見えるっていうアイテムを毎回紹介していきたいと思っています。また、商談の時などに話が盛り上がるキッカケになるようなユニークなモノも紹介していきたいです。皆さんが買い物をする時の参考になることができれば嬉しいです。
趣味が高じて同世代男性のファッションリーダーになった水谷さん。7月からは連載コーナーも始まるので、ぜひ記事を読んで自分のファッションの参考にしていってください。
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