連載形式で、プラモデルの作り方を教わっていく本シリーズ。講師を引き受けてくださったオオゴシトモエさんは、数少ない女性プロモデラーとして活躍中で、なんとこれまでに制作したプラモデルは1,000体以上。元々は声優ユニットに所属していたのだが、2000年にプラモを作る企画に参加したことがきっかけでプラモデルの魅力に開眼。以来、メディア露出のある女性初のプロモデラ―として多方面で活躍を続け、今年で18年目を迎える。好きなジャンルはガンプラで、理由は十人十色の楽しみ方ができるからだそう。
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前回の記事を参考にプラモ作りに欠かせない道具を集めたら、次はいよいよ実践に取り掛かろう。今回組み立てていくのは、前回も紹介した、1/35ミリタリーミニチュアシリーズ「アメリカ戦車 M4A3E8 シャーマン イージーエイト(ヨーロッパ戦線)」。戦車プラモデルの中でも特に人気の高いシリーズだ。
1. 説明書をチェック
やはり最初はとにかく時間がかかるのがプラモ作り。まずは工程をチェックして、どのような流れで作るか確認しよう。ごく稀にパーツが破損、もしくは欠けていることもあるので、説明書とパーツを突き合わせて確認するのも忘れずに。
2. パーツを切り離す
ニッパーを使って丁寧にパーツを切り離していこう。この際、下から切るようにすれば、どこを切っているのかが分かりやすく、ミスもしづらくなる。後でゲート(※)を削るので、少しゲートを残すように切ろう。中には非常に小さなパーツもあるので、いきなりすべてのパーツを切り離すのはNG。パーツを無くす原因になってしまうので、工程ごとに切り離すのを心がける。
※ ゲート : プラモデルのパーツは購入時、ランナーと呼ばれる棒状のプラスチックに付いた状態で梱包されている。パーツとランナーをつないでいる部分はゲートと呼ばれる
3. ゲートを削る
パーツを切り離したら、ニッパーを使ってゲートを綺麗に切り取る。
それでも表面が少しザラザラしてしまうので、デザインナイフで滑らかになるまで削っていこう。この際、ナイフは寝かせた方がやりやすい。力を入れすぎるとパーツが変形してしまうので、あくまで優しく削っていく。
4. 接着剤を使って組み立てるパーツ(流し込み)
穴に差し込んで接着するような部品は部品同士を合わせ、写真のように手で押さえながら裏側から接着しよう。接着剤がハミ出るのを防ぐことができる。接着剤をつけすぎるとパーツが溶けて変形してしまうので、量には注意が必要だ。この際、緑の蓋の流し込み用接着剤を使用すること。
5. パーティングラインを消す
パーティングラインとは、プラモのパーツを製造する際に、部品に必ずついてしまう下の画像のような細い線のこと。
これは実際の戦車には無い模様なので、デザインナイフで削ろう。こうすることで、よりリアルな雰囲気を出すことができる。ナイフの刃を立てて削ると、きれいに削りやすい。
6. 合わせ目消し
このような部品を貼り合わせて接着する時は、白い蓋の張り合わせ用接着材を使う。
合わせ目消しをする時は接着のはみ出しは気にしなくていいので、部品の接着面に十分に塗り、1分ほど待ってから合わせる。
合わせたら両側からギュッと抑えて、接着剤がムニュッとはみ出てくるかを確認する。
これにより接着面が少し溶けることで、部品の合わせ目を消すことができる。完全に接着するまでは時間がかかるので、2~3日置いてから次の行程に取り掛かること。
7. 接着したパーツを削る
丸みのある部品は、デザインナイフだと削りにくいし、滑って削りすぎてしまうことも。そんな時は400番の紙やすりがオススメだ。プラスチックがはみ出している部分にまんべんなく紙やすりをかけて、滑らかにしよう。紙やすりはプラモデルのお店に行けば手に入る。
8.透明なパーツは最後に接着する
こうした透明なパーツは、先に接着すると色塗りの際に色が移ってしまう事がある。なので、最後に接着するように気を付けよう。
9. 組み立て完成
それぞれの部位の組み合わせが終わったら、いよいよ全体の組み立てだ。
これでパーツの組み立てが完成。
パーツ一つ一つを丁寧に切り離し削っていることで、この段階でも細部の綺麗さが際立ち、よりリアルな雰囲気に。
1ヵ月後に公開する次回の記事では、いよいよ塗装&汚しなどの作業に移っていく。
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