A-suke流「アウトドア ダンディズム」#05:ナイフって何でこんなに値段が違うの?
東京の水道橋にあるアウトドアをコンセプトにしたカフェ&バー「BASE CAMP」を営む傍ら、「男前キャンプ」と題したイベント活動も行っているA-sukeさんの連載がスタート。第5回目はナイフの素材について勉強してみましょう。
目次
▼ どんなナイフを買えばいいのか?最終章は、「素材」の話
▼ 「ステンレス」
▼ 「炭素鋼」
▼ 「ダマスカス鋼」
▼ ハンドルについても説明します
どんなナイフを買えばいいのか?最終章は、「素材」の話
第5回はとうとう「どんなナイフを買えばいいのか?」の最終章。前回まではナイフの構造を知ろうという内容だったけど、今回は「素材」について解説したいと思います。
ナイフを購入しようとしたことのある人はおそらく思ったんじゃないかな。「なんでこんなに値段が違うの?」と。その答えの半分はこの「素材」にあるんだ。それは例えば普通のナイロンのジャケットとGORE-TEXのジャケットの値段に差があるのと同じこと。
ナイフも同じ形でも素材が変わると値段が変わる。ナイフの値段に大きく影響を与えるのは主にブレードに使う金属とハンドルに使う素材。ハンドル材もブレードの金属の種類もすごく多くて、それでいて見た目はほとんど変わらないことも多い。でも今回は難しいことは後回しにして、シンプルに考える方法を教えたい。
まずはブレードの素材はすべて鉄だってこと。鉄にいろいろ加えてナイフの材料となるのだ。で、その素材は大きく分けると2種で「ステンレス」と「炭素鋼」。簡単でしょ?もう1個覚えるなら「ダマスカス鋼」を覚えると知識に厚みが増すよ。
「ステンレス」
一番の特徴は錆びにくいこと。錆びにくいだけで手入れをさぼれば錆びるので注意が必要。それでも錆びにくいのは、アウトドア用の刃物としてはとても重要。なぜなら、錆びがないってことは衛生的であるということ。特にキャンプなんかだと調理もしますから、重要な要素です。
それと切れ味の「持続」という意味でもステンレスは優れていることが多い。ステンレスはマラソンランナー。瞬間的な切れ味では炭素鋼に劣るけど持続性がいい(ナイフ業界では刃持ちがいいなどといいます)。毎日研ぐ板前さんじゃない多くの人には魅力的な特徴だよね。
大衆車と高級車の値段の差が見た目だけでなく性能にも反映しているように、ステンレスも値段差もあれば性能差もある。高いのがいいかというとそれも車と同じで一概には言えない。刃物用のステンレスにはそれはそれはたくさんの種類があるんだけど、マニアックな世界ですのでココでは説明を控えます。しかしどんなステンレスを使っていてもとりあえずナイフとして売ってるわけで、使い物にならないことはないはず。でも、ステンレスといっても値段も性能も「とても差がある」ということは頭の片隅に入れておくといいだろう。
「炭素鋼」
一般的に鋼(はがね)とだけでも呼ばれ、由来は予想通り「刃金」。鉄に炭素を多めに混ぜた合金ですので炭素鋼という。この素材の特徴は「錆びる」「切れ味がいい」「研ぎやすい」。
ステンレスがマラソンランナーなら炭素鋼はスプリンター。切れ味は鋭いですがすぐに鈍る。でも研ぎやすいんだからスプリンターだけど回復が早いということ。よく手入れをして使う方には向いていますね。
あ、それと安いものが多いのも特徴。安いので気兼ねなく使えるのはいいですね。研ぎも覚えたいなら一石二鳥ですな。
「ダマスカス鋼」
金属を積層して木目のようなマーブル模様を浮かび上がらせた鋼材でなんと言っても「見た目」が美しいのが特徴。中身はステンレスの場合も炭素鋼の場合もあり、性能は使っている鋼材に依存するので何とも言えませんが、一般的には実用よりも見た目重視。作るのがどうしても手作りなので高額!
どちらにも属さないセミステンレスとかもあるけど、それはステンレスと炭素鋼の中間的な素材だと思えばいい。帯に短したすきに長し。でもぼくはこの手が好きなんだ(笑)。
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