【ドローンキーパーソンインタビューVol.9-1】エバンジェリスト西脇氏と「空飛ぶ何か」だったドローンとの出会い

2017.3.24 15:05 更新

読了時間:4分42秒

数年前から、ドローンの最新機種や基礎知識、遊び方などを解説するムック本が増えた。それらの本に必ずと言っていいほど登場しているのが、西脇資哲氏だ。日本マイクロソフト株式会社(以下、マイクロソフト)の業務執行役員かつ“エバンジェリスト”の肩書を持つ西脇氏だが、本の中で伝えているのは “ドローンの魅力”。西脇氏の記事を初めて見たときは「なぜ、マイクロソフトの執行役員がドローンを紹介しているのだろう?」と疑問に思った。
いち早くドローンの可能性に気づき、世間がドローンを知らないころから、その魅力を広めてきたエバンジェリスト西脇氏に、今回から4回にわたってお話を伺う。

「エバンジェリスト」とは、どんな仕事?

【田口】読者の中には、「エバンジェリスト」という肩書になじみがない方もいらっしゃると思います。エバンジェリストとはどんなお仕事なのか、教えてください。

エバンジェリストとは、もともとはキリスト教の「伝道者」のことです。最近では、主にITの最近技術について広く伝える役割のことで、人にものを伝える専門家ですね。私はIT関連のエバンジェリストとして活動しています。

日本マイクロソフト株式会社 エバンジェリスト、業務執行役員 西脇資哲氏

日本マイクロソフト株式会社
業務執行役員・エバンジェリスト 西脇資哲氏

【田口】なるほど。広めていく役割ということで、広報的なのか営業的なのか、どちらの立場でしょうか?

中間ですね。広報というのは一方的な情報発信で、ユーザーとインタラクティブではありません。それに対してエバンジェリストは、発信した情報がユーザーに意図した形で届いているかどうか?ユーザーはどんな情報を求めているのか?を常に気にしています。特定の製品に関する情報はもちろん、業界情報も発信します。だからといって営業的な売り込みはしません。提案はしても、最終的なクロージングはしないわけです。

【田口】今までの日本の会社組織には見られないポジションですね。いつごろから、そのような活動をされているのですか?

マイクロソフトに転職する前の会社でも、エバンジェリストと似たような活動をしていました。マイクロソフトで始めたのは2009年です。ちょうど、Windows Vistaが終了して、Windows7に移行するころですね。「クラウド」という言葉が出始めて、PC中心からスマートデバイス中心の時代に移行する転換期です。
マイクロソフトも変わらなくてはいけない時期に差し掛かっていて、「私だったらマイクロソフトを変えることができるかもしれない」と思い、転職を決意しました。マイクロソフトや業界全体のエバンジェリストになりたいと思ったんです。

【田口】西脇さんが転職されたころ、マイクロソフトの中にエバンジェリストはいたのですか?

マイクロソフトのエバンジェリストは世界中にいて、日本だけでも十数人はいます。ただし、カテゴリーが決まっていました。「私はWindowsのエバンジェリストです」とか「私はクラウドのエバンジェリストです」とか。
マイクロソフトのサービスは多岐にわたっており、かつ、ITの世界はさまざまなソリューションが融合しています。そこで「ジェネラルなエバンジェリストが必要だ!」という声があり、マイクロソフトの範囲を超えたIT全体のエバンジェリストとしての役割を、私が担うことになりました。

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