おいしいラーメンは全国各地にたくさんがある。。そして、中にはまだ首都圏に進出していない、現地でしか食べられないラーメンというものもある。
その中でも群を抜いてハードルが高いラーメンを知っているだろうか。それが、以前にブーマガでも取り上げた利尻ラーメン、通称「日本一行きにくいラーメン」である。
その日本一行きにくい利尻のラーメンが、なんと新横浜の「新横浜ラーメン博物館(通称:ラー博)」に出店するという。これは伝えねばなるまいと思い、さっそく行ってみることにした。
ウワサの利尻らーめんは、行きにくいだけでなく、その味は想像を遙かに超えるラーメンだったので、ぜひその詳細を見てほしい。
ミシュランのビブグルマンにも選ばれた、利尻らーめん味楽とは?
北は北海道、なおかつその先に浮かぶ離島、利尻島。今回、新横浜に出店してきた利尻ラーメンを提供する「利尻らーめん味楽」本店はそこにある。人気メニューは、焼き醤油らーめんだ。
東京からであれば、飛行機とフェリーを乗り継ぎ移動に約8時間。移動距離だけでも相当なものだが、もう1つハードルがある。本店の営業時間はわずか2時間30分なのだ。朝早くに出発したとしても、着いた頃にはもう営業していない。食べるためには確実に1泊以上することが必要な、まさに「日本一行きにくいラーメン店」なのだ。
その特徴は島特産の利尻昆布を使用した出汁と北海道の縮れ麺が絡み合うラーメン。旨味が多い昆布の中でも利尻産の昆布は特に濃厚で、京都の料亭で使われるほどのものだ。当然ながら、単価も高い。そんな高級な昆布のみをふんだんに使用しているというのだから、うまくないわけがない。
その証左に本店は「ミシュランガイド北海道2012特別版『ビブグルマン』」に選ばれている。つまり世界に誇れるグルメということだ。
そんなラーメンが新横浜で食べられるとは、なんたる幸運。しかも店主自らが厨房に立つそうな。うーん、期待が膨らむ。
飲み干したくなるスープ。焼き醤油らーめんに衝撃・脱帽!
某日。筆者はラー博がある新横浜駅へと降り立った。駅から徒歩5分程度で到着。よかった、開店には間に合ったようだ。が、なんと平日にもかかわらず、すでに数人が並んでいる。。。
開店を待ち、入場チケットを購入していざ入場。入場チケットは大人1人310円。だが年間パスはわずか800円。何度も行くなら年間パスのほうがずっとお得だ。
どうやらラーメン店は地下にあるらしく、階段へと案内される。階段を下りた先に待っていたのは、なんと…
懐かしい昭和33年の街が広がっている。ラーメンももちろん魅力的だが、この演出は筆者と同じ世代にはなんとも懐かしい仕掛けなのではないだろうか。映画のポスターや昔の商店風のお店。この商店街にラーメン店が入っているという寸法だ。
案内板で確認すると、「味楽」は地下2階にあるらしい。
現在出店しているお店は、利尻らーめん「味楽」をはじめ、山形「龍上海本店」、札幌「すみれ」、沖縄「琉球新麺 通堂」、ブルックリン ニューヨーク「YUJI RAMEN」など計9店舗。どの店舗も大行列ができる人気店ばかりだ。
開店直後だからすぐに入れるだろうと思っていたのだが、なんと、味楽のところだけ行列ができている…さすが人気店、注目度が高いようだ。
列に並ぶこと約30分、やっと順番が回ってきた。。
ちなみに事前に食券を購入し、並んでいる間に食券を渡すので、お店に入ってからの待ち時間はほとんどなかった。
いよいよ入店。筆者が注文したのは、本店では約8割の人が注文するという看板メニューである「焼き醤油らーめん」だ。その姿がこちらだ。
具材は、白髪ネギにもやし、メンマ、厚切りのチャーシュー、そしてここにも昆布だ。
見た目は一見普通のラーメン。スープを飲んでみる。
「うおおぉぉ」
香ばしい醤油のアクセントがこれでもかと力強く効いていて、しっかりと醤油を火にかけて絶妙に香ばしさを引き出している。
そして、その香ばしさが鼻から抜けるタイミングで、舌の上には利尻昆布の濃厚な旨味がブワッと広がる。香ばしさが非常に強い焦がし醤油と桁違いに濃厚な旨味を持つ昆布だしがお互いを高めあい、至福の一口を演出している。
しかしなぜだろう?
これだけ力強く濃厚なスープならもっとドロッとした感じになりそうだが、非常にさらっとしていて飲みやすい。不思議だ。後日調べてみると、どうやら昆布だしのスープに、さらに豚骨・鶏ガラのスープが加わっているらしい。
「え、動物性のスープも使ってるのか?」
ますます「さらっと感」をどう出しているのか謎だ。
しかし、焼き醤油に利尻昆布、さらに豚骨、鶏ガラをこれだけバランス良くまとめるのはすごい。素材がいいだけでは説明ができない。こだわり抜いた店主の高い技量によるものだろう。
そして、このスープに合わせるのが、中太の縮れ麺。
強いスープに負けないコシと、スープによく絡む縮れ具合が相性抜群だ。そしてシンプルだが丁寧な仕事が光る具材もGood!だが、やはりこのラーメンの主役はスープ。すべてがスープのためにある。この醤油の力強さは癖になる。
昆布の旨味に引き込まれ、あっという間に完食。うまかったー!
まとめ
記事で紹介する店は、できるだけ並ばないで食べられることを心掛けている。今回もそれは一緒で、どうしたら並ばずに食べられるかを考えた。その結果、平日ほぼ開店と同時に館内に入ったのだが、そこにはすでに行列ができていた。まあこの店は、行列覚悟で行く店と割り切るしかない。それでも利尻まで行くことを思えば、ね。
またラーメン自体の特長は、しつこいようだが、なによりスープだ。豚骨・鶏ガラ・野菜などを絶妙なバランスで17時間かけてジックリと煮込んだ後に、利尻島産の利尻昆布をふんだんに使った濃厚昆布だしをブレンド。濃い醤油味だがごくごく飲めてしまう。40歳を過ぎるとラーメンのスープを全部飲まないことが多くなるが、これはスープまで飲み干したくなるラーメンだった。
本店ではベーススープの仕込みに時間がかかるために1日 100杯程度で完売となるが、ラー博ではいつもよりふんだんに用意しているそうだ。大行列を覚悟さえすれば、必ず食べることができる。とはいえ人気店。早めに並ぶことをオススメする。
筆者は普通サイズのラーメンを注文したが、各店舗の味を楽しみたいという方には、通常よりも一回り小さいミニラーメンも販売している。価格は570円。ラー博には日本全国の名店が詰まっているので、食べ歩きするのも楽しい。
最後に一つお伝えしたいのだが、ラー博は店舗の入れ替えがある。「味楽」は2017年の3月1日にオープンしたために入れ替えはまだまだ先だろうが、早めに召し上がることをおすすめしたい。ラー博内にはお酒を飲める店舗もあり、飲んだ後の〆のラーメンというコースもありだ。
また、フードアミューズメントパークであるラー博は、家族全員で訪れることもできるスポットでもある。家族で出かけて、みんなの好みに合わせて食べ歩くのも一興。今週末のお出かけにぜひ訪れてみてはどうだろう。
新横浜ラーメン博物館
住所:〒222-0033神奈川県横浜市港北区新横浜2-14-21
定休日:年中無休
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