ついにパソコンに代われるレベルへ…最新Chromebookをハンズオンレビュー!
もうノートPCとかいらないのかも…。
なかなか日本では普及にいたりませんけど、北米ではパソコンの存在を脅かすレベルで利用が進んでいる、GoogleのChrome OSを搭載したChromebookシリーズ。ただし、正直に評価するに、これはChrome OSの基本スタイルなので仕方ありませんけど、ブラウザベースのオンライン作業しかまともには行なえないという欠点を抱えてもいました。
ところが、今年初めに米国ラスベガスで開催されたCES 2017にて、Samsungが初公開した新Chromebookは、いままでのChromebookの欠点をみごとにカバーし、もしやこれはWindowsもMacも不要になる完成度では? 少なくとも、パソコン上でバリバリと動画や画像の編集をするですとか、プログラミングにフル活用するだなんてヘビーなユーザーでなければ、もうこのChromebookで十分と思わせてくれるモデルが、ようやく登場してきた感じです。なんといっても、Chromebookは安いですからね~。
今回、Samsungは、日本円にして5万円前後で購入できる450ドルの「Chromebook Plus」と、やや値段が上がる550ドルの「Chromebook Pro」をリリースしてきました。すでに北米で発売中のChromebook Plusは、ARM製のOP1 CPUを採用することで、コストを抑えています。一方、今年4月に発売予定のChromebook Proには、Intel製のM3 CPUが採用され、本体カラーも、シルバーやブラックを選択可能。安さが魅力のChromebookに、ちょっぴりデザインや性能面で高級感を期待できるかもしれません。
Chromebook PlusとChromebook Proはともに、この価格帯のパソコンにしては、非常に美しくて見やすいディスプレイを搭載しているのが特徴的です。12.3インチで2,400×1,600ピクセルの解像度のディスプレイは、一般的な16:9のワイド仕様ではなく、3:2のアスペクト比に仕上がっており、とにかくブラックも鮮やかなカラーも、みごとなまでの色合いの再現性に驚かされることでしょう。
おまけに、ラップトップとして使うことが前提のモデルが多かったChromebookに、360度回転のヒンジ構造を備え、ディスプレイ部をクルリと回せば、まるでタブレットのように利用できるようになったことのメリットも大きいです。最新のChrome OSでは、Google Playストアから豊富なAndroidアプリをダウンロードして利用できるため、これ1台でAndroidタブレットも手に入れられるというわけですよね!
タッチパネルのディスプレイ向けには、新たにスタイラスペンでの操作も用意されました。当然ながら、iPadのApple Pencilほどの出来栄えは望めないものの、機械学習により、ユーザーが次に入力するであろうポイントを予測するアルゴリズムが搭載されているそうです。これによって、認識が遅いイライラ感を解消し、より本物のペンで紙に書き込んでいるような感覚にて使用できるんだとか…。
Chromebook Proでの書き心地とiPad ProのApple Pencilでの書き心地を比較してみました(米Gizmodoの動画はこちら)。まぁ、やっぱり単体で1万円超の高価なApple Pencilとの比較には無理がありますかね。Chromebook Plusより高性能なCPUが搭載されているChromebook Proでレビューしてはみましたけど、ひどいときには次の文字を書いているあいだに、ようやっと前の文字が認識されていくスピードでした。これはCPU性能の劣るChromebook Plusだったら、使いものになるのかなって心配になるレベルでしょうか。そうはいっても、使っているうちに、この認識スピードには慣れていくので、まったく使えない代物だとは感じませんでしたけど。
せっかく新たに搭載されたスタイラスペンではありますけれど、どうやらAndroidアプリの性能が悪いのか、あまり多用はできないことでしょう。しかしながら、驚くような例外もありまして、Adobe製の「Photoshop」や「Lightroom」などのアプリでは、すばらしい操作感を体験できました。いちいちパソコン上で開かずとも、Chromebookのアプリでサクッとペン先にて画像編集なんて使い方だって可能でしたよ。複数のアプリを同時に開くと遅くなったり、そもそもChromebookを意識して作られていないAndroidアプリの動作は散々だったりという残念なポイントはあるものの、これから対応アプリが増えると、なかなか楽しみなのではないかな?
ちなみにSamsungのラップトップは、これまでもキーボードやトラックパッドの性能が優れているとの好評価を獲得してきましたけど、今回のChromebook PlusならびにChromebook Proでも、まったく同じ仕上がりを期待してよいでしょう。キーボードで快適な文字入力環境を備えつつ、必要ならば、タブレットスタイルでスタイラスペン入力だって可能なChromebookというコンセプトは、やっぱり魅力的ですよね~。
今回はChromebook Proを借りて、ハンズオンレビューをしてみましたけど、残念ながら、Chromebook Plusは、チープな印象も漂うホワイトカラーのモデルしか選択できないみたいです。microSDカードリーダーとともに、USB type-Cポートが2個装備されており、このポートを充電にも使用しますよ。
なお、しばらくChromebook Proを使用してみて、フル充電から余裕で10時間以上は長持ちするバッテリー性能にも好印象を覚えました。そろそろiPadもWindowsマシンも飽きてきたし、セカンドマシンとして、早く日本でも手軽に買える販売ルートが確立されてほしいなって感じた人も少なくないのでは?
・9.7インチのiPad Proレビュー:あり、いい、欲しい
All images: Alex Cranz/Gizmodo
Alex Cranz – Gizmodo US[原文]
(湯木進悟)
元記事を読む
関連記事
スマホメーカーの本気PC |
2つのOS搭載 変なPCが登場 |
人が乗ってもOK!超軽量PC |
- ブーストマガジンをフォローする
- ブーストマガジンをフォローするFollow @_BoostMagazine_