前回はIT企業経営者ながら、ドローン関連企業への投資や、ドローンパイロットとして空撮映像の制作を行う大前氏に、会社設立の経緯や、ドローンを使った地方創生について伺った。大前氏は日本初の本格的な空撮動画コンテスト「Drone Movie Contests 2016」で準グランプリを受賞するなど、その映像制作の技術は評価が高い。そこで今回は、大前氏に具体的な映像制作のノウハウについて、詳しくお伺いする。
逆算で作る、ドローン空撮の画作りのポイント
【田口】大前さんが制作する映像は、パッと見た瞬間にほかの空撮映像とは違う美しさを感じます。ご本人から説明いただくとすると、どのあたりがほかの方の映像と違うと思いますか?
私にとってはドローンを「飛ばす」ことよりも、パッと見た瞬間に「画としてキレイかどうか」というほうが重要です。画としてキレイだったら、ドローンを飛ばす必要もないんですよね(笑)。
【田口】未完成な画にドローン空撮が加わることで、完成するのですね。
そうです。空撮時のカメラワークの最大の特徴は、立体的な動きが加わることだと思います。Z軸をどう表現しよう?ということを中心に据えて、撮影しています。XとYの前後左右の動きにZ軸の縦の動きが入ることによって、これまでの映像とは違う驚きや感動、興奮を、見ている人に提供できるのはないかと思っています。
あとは、8秒に特にこだわって撮影しています。この空間で8秒間撮るとしたらどこが最高にキレイなのかな…と。
【田口】8秒ですか?
見ている人にとっては、一つのカットは長くても8秒くらいが見ていられる限界なのではないかと思います。10秒は我慢できないし、短ければ4秒くらいかもしれない。そうすると、4秒で成立する画、8秒で成立する画って何なのかということを考えて、そこに1点集中する必要があります。
【田口】確かに、よほど特殊な用途がない限りは、10秒以上のカットってあまりないですよね。
私の制作する映像はだいたい2分ぐらいの長さに収めるのですが、撮影時に編集する長さをイメージして撮っています。撮れたものを編集するのではなく、撮っているときから編集のことを逆算しながら撮っていますよ。
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