ニンニクを調理する時の裏技5つを実験・評価
ニンニクはさまざまな料理に欠かせない食材ですが、においが手につくので、皮むきや切るのが大変ですよね。そこで、今回は最も人気のあるニンニク調理の裏技5つを実験し、それぞれ徹底的に検証、評価しました。
大変革!:電子レンジでニンニクを加熱する裏技
電子レンジは、マグカップを使ったケーキやポテトチップスなど便利なレシピの宝庫ですが、ニンニクの皮むきにも使えます。
NPRのブログThe Saltによると、電子レンジで1片ずつにしたニンニクを加熱させて15秒間待つだけで、薄皮が取れます。
この実験は簡単でした。なにしろ、自宅の電子レンジにニンニク5片を入れ、15分加熱するだけですから。加熱中、ニンニクはちょっと跳ねたり、音をたてたりしましたが、形が崩れることなく、粗熱を取ったあとはスルスルと簡単に、薄皮をむけました。
電子レンジにかけることで、湯がいたときと同じように、ニンニクの酵素の一部がなくなるのですが、食べても風味や香りの違いには気づきませんでした。そして、たくさんニンニクの薄皮をむいたにも関わらず、指についた臭いは普段より少なかったです。
評価:10点満点中10点
昔からの知恵:2つのボウル、瓶、カクテルシェーカーなどで皮むきする裏技
食べ物に関するライフハックとして有名なのが、今回ご紹介する「ニンニクを、ふたを閉じられる容器の中に入れて振り、皮をむく」という方法です。上の動画で紹介したように2つのボウルやカクテルシェーカ―や瓶など、何らかのふたを閉められる容器にニンニクを入れます。著者は、皮をむきたいニンニクが1、2片の時は包丁の刃で押さえて皮をむいてしまいますが、ニンニクまるごと1個の皮むきをする場合は、この裏技が役立つはずです。
著者の台所には同じ大きさのボウルが2つありませんでした。でも、カクテルシェーカーにニンニクを入れるのはちょっと嫌だったので、ピクルス用の空き瓶を使うことにしました。
動画でみたとおり、15秒後には、外皮が取れ、すべてが1片ずつに分かれました。そして半分の薄皮がすべてむけました。その後、薄皮がむけていない部分のみ、もう一度瓶にもどし、15秒間さらに振りました。こうして合計30秒間瓶を振ったところ、ほとんどのニンニクの外皮、薄皮がむけました。最後に残った薄皮も、手で簡単にむけましたよ。
評価:10点満点中9点
完璧ではないけれど、役立つ裏技:ニンニクのホイル焼きを早く作る時短術
ニンニクのホイル焼きは本当においしいですよね。クリーミーな食感、ほどよい焦げ目、口に広がる柔らかな辛さは、マッシュポテトにも、グアカモレにも、パンにのせても、おいしいです。つくり方はそんなに難しくありません。ニンニクの上部を切り、オリーブオイルにひたし、ホイルで包み、204度のオーブンで45分間加熱するだけです。とはいえ、45分はちょっと長いですよね。そこで、今回の時短術の出番です。鉄製のフライパンを使えば、3分の1の時間で、ほぼ同じようなニンニクのホイル焼きを作れます。
やり方はかなり簡単です。食べたい分だけ薄皮をつけた状態で、鉄製フライパンに入れ、中火にかけます。このときオイルは必要ありません。そのまま、すべての薄皮が黒くなるまで適宜、ニンニクをひっくり返しながら焼いてください。
料理の段取りが苦手な著者にとっては、この時短術はとても便利で、記事にアップしてから何度も何度も、この方法でニンニクのホイル焼きをつくっています。できあがりは、オーブンで加熱した時ほど柔らかくて甘みはありませんが、これが15分加熱した成果だとは思えない、驚くほどマイルドで、風味、深みがあるでき栄えです。
柔らかくなりましたが、完全に薄皮をむくことはできません。
著者は、このホイル焼きをパンにはつけませんが、ディップやソースに加えるにはまったく問題ありません。
評価:10点満点中7点
まあまあ使える裏技:包丁にニンニクがつくのを防ぐために塩を使う裏技
ニンニクは包丁にくっつきやすく、切りにくいですよね。ニンニクが包丁にはりつくからといって、世界の終わりではないですが、たくさんニンニクがまな板にはりついて、困りますよね。そこで、切る前に塩をふりかけておくと、辛味が引き出されて味付けに役立つだけでなく、べたべたはりつく成分がとれて、はるかに簡単に切ることができるそうです。
塩化ナトリウムの脱粘着性を調べるために、私は2つのニンニクを刻みました。1つは塩をふんだんに振りかけ、もう1つは何もしませんでした。下の写真から分かるように、包丁についたニンニクの量には、大きな違いはありません。ただ、切っている間、塩をかけていないニンニクのほうが包丁につきはじめる時間が早かったです。でもその時間の違いもそんなに長くはありませんでした。どちらが塩をかけたものか知るには、まな板の上の塩の量を見るしかありません。
残念ながら、この裏技で、塩がベタベタつくのを防ぐことはできませんでしたが、塩が湿り気を引き出して、ニンニクの細胞壁を破壊し、滑らかなニンニクペーストをつくることができました。
左が塩をかけたニンニクで、右が塩をかけていないニンニクです。
ということで、ニンニクが包丁にくっつくのを防ぐという意味ではあまり高く評価できませんが、やる価値はあります。
評価:10点満点中6点
絶対にやらないほうがよい方法:圧力鍋でニンニクを焼く
著者は圧力鍋が大好きですし、いろんなことができるのも知っています。でも「焼きニンニク」はつくらないでください。つぶれています。
これは、圧力鍋にニンニクを10分間いれたあと、5分間焼けば、柔らかく、茶色の焦げ付きのあるニンニクがたった15分でできる、というアイデアです。
すばらしいアイデアですが、著者が望んだ結果は得られませんでした。ニンニクは確かに柔らかくなり、簡単に潰せる状態になりました。でも、5分焼くだけではメイラード反応による、トーストのようなほどよい焼き色、風味が得られませんでした。
でき上がりは、ほとんどがマッシュされたニンニクで、一部がちょっとだけトーストされているものの、ほとんどが生焼けのような状態のニンニクに。一言でいえば、魅力がない料理になりました。
評価:10点満点中1点
そのうえ、ニンニクの一部はまだ生でした。
今回、5つのアイデアをご紹介しましたが、いかがでしたか? これらの方法をやってみれば、時間をかけずにおいしくニンニクを準備、調理して食べられます。とはいえ、レシピ通り時間をかけてつくったニンニクのホイル焼きに勝るものはないですよ。
Claire Lower(原文/訳:曽我美穂)
Illustration by Sam Woolley. Photos by Claire Lower.
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