【ドローンキーパーソンインタビューVol.7後編】Phantomが起こしたドローン革命とともに歩んだセキド、その未来は

2017.2.10 15:05 更新

読了時間:5分10秒

前回に引き続き、日本で最初にDJI正規代理店となった株式会社セキドの代表取締役 大下貴之氏にお話を伺う。前回は大下氏の経歴から、初代Phantomのプロトタイプとの出会いまでをお聞きした。今回は、日本市場にどのようにDJI製品が受け入れられてきたかという、ドローン普及初期の苦労や今後のセキドのビジョンについてお話を伺っていきたい。

株式会社セキド 代表取締役 大下貴之氏

株式会社セキド 代表取締役 大下貴之氏

映像業界が注目した初代Phantomの手軽さ

【田口】初代Phantomプロトタイプとの衝撃的な出会いがあり、その後製品として完成した初代Phantomを日本に輸入されたわけですが、当初の市場の反応はどうでしたか?

予想通り、最初に興味を示して下さったのは、ラジコンユーザーよりは映像業界の方でした。当時はアクションカメラの「GoPro」がとてもはやっており、GoProを機体に装着するアタッチメントをDJIが販売していたということも、要因かと思います。もちろん、今のように可動するジンバルではなく、固定のマウントでした。

【田口】映像業界の方から反応がよかったのですね。当初から「空飛ぶカメラ」や「空を飛ぶカメラ装置」として見られていたということですね。

もともと映像業界の一部の方は、F450やF550に社外品のジンバルを付けて飛ばしていたのですが、やはり装置の設置や設定が複雑で使いにくかったようです。そこに弊社がPhantomをフルセットで発売したので、「これは」と反応してくださった…という感じですね。

Phantomフルセット

PhantomとFUTABAのプロポのセット

【田口】社外品の設定や調整は面倒でしょうね。フルセット販売は魅力的です。

ただ一つだけ問題があって、Phantomの送信機(プロポ)につける技適マーク(技術適合マーク:日本国内で電波を飛ばすものは全て総務省の認証を受けなくてはならない)を取得できていなかったので、日本の送信機メーカーである双葉電子工業株式会社(FUTABA)の送信機をPhantomに設定する形で販売していました。後に技適の申請が通った為、DJIの送信機のセットも販売開始しました。それでもメカニカルなFUTABAの送信機セットは男性の心をつかんだようで、想像以上にFUTABAのセットも売れ続けました。

【田口】意外でした。Phantom専用送信機はシンプルで設定や管理が楽なので人気があると思いましたが、メカニカルで汎用性のあるFUTABAのセットも根強い人気だったのですね。ちなみに、そのPhantom+FUTABAの送信機のセットはおいくらだったのですか?

当時の調整済みの機体で14〜15万円くらいでしたでしょうか。ただGoProは別売りなので、GoPro込みだと20万円前後になったかと思います。当時は機体から送信機への映像伝送装置もない仕様で、伝送装置の登場を切望していました。

【田口】なるほど、映像伝送装置が一般的になるのはまだ少し先の話ですね。その当時だと、GoProからWi-Fiで飛ばした映像をスマートフォンで拾うか、映像を見ずに飛ばして着陸後に映像を確認するか…という感じですよね。

そうなりますね。でもGoProのWi-Fiの電波は電波干渉の問題もあるので、使用厳禁でした。実質的には映像を見ずに飛ばして着陸後に映像を確認することになります。

【田口】それでも、初代Phantomに最初に興味を示したのが映像業界の方々だったというのは興味深いですね。

Phantomがブレイクするターニングポイント

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