車酔いとオサラバできる BOSEのシートサスペンション技術
BEYOND SOUND(サウンドをこえて)というのはBOSEのキャッチフレーズ。
みなさんご存知のようにBOSE(ボーズ)といえばいい音の代名詞的存在。MITの学生だったアマー・G・ボーズ氏が立ち上げた学生ベンチャー、今でいうところのスタートアップ企業として始まりました。原音を忠実に再生することに注力し、独自技術でハイクオリティサウンドを確立し、現在は各自動車メーカーと共同で車種専用オーディオを開発、その性能は究極進化を遂げています。
そのBOSEが今注力しているのがシートサスペンション技術。オーディオとシートじゃぜんぜん違うじゃない、と思いがちですけど実はBOSEはもう数十年もサスペンションを開発しており、まったく揺れない自動車を作ったこともあるんです。以下はBOSEによるサスペンションシステムの紹介ビデオ。
今回CES2017の特設会場で体験したのは、最新版のシートサスペンション技術「BOSEライドシステム」。これはシートにアクチュエータをつけており、振動を全部打ち消してくれるんです!
BOSEライドシステム
まずはすでに大型トラックで採用されている一軸、縦方向の振動(ピッチング)を吸収してくれるデモンストレーションを体験試乗したので動画でどうぞ。
凸凹がある特設コースをBOSEライドシステムあり/なしで試乗していますが、動画の揺れをみれば一目瞭然。外からみると車体が大きく上下していたときも、シートがほぼ水平に維持されているのがよくわかりますね。
最新鋭二軸制御
今回さらに体験したのが二軸制御、縦方向だけではなく横方向(ロール)を吸収するもの。今回乗ったのは窓がまったくない大型バンの室内。一応前には大型モニターが前方の風景を表示していますが、普通こんな閉鎖空間で大型バンが揺れたら一撃で酔っちゃいますよね。
この密室空間の大型バンで凸凹道や波状路を走ってみたら、もうすごいのなんの。デモではタブレットでお絵描きしたり、自撮りをしてみるのですが、絵は揺れ揺れになるし、自撮りもブレブレです。
ところが二軸のシートサスペンションがあると上下動だけではなく横揺れも吸収するので非常に綺麗に絵がかけるし、自撮りも普通。なにより下を向いてタブレットを操作していても車酔いする気がまったくしないのが一番のポイントですね。大型バスに弱い人には朗報だと思います。
BOSEの共通技術
このシートサスペンション、実はスピーカー制御と共通技術、ノイズキャンセリングヘッドフォンで定評のある周波数制御が使われているそうです。確かにノイズキャンセリングはノイズと逆位相の音をスピーカーから出すことで打ち消すわけですが、シートの場合も同じく揺れと逆位相の動きをすることで、揺れを打ち消していますから。
今後自動運転技術が発達すると、ドライバーを含めて車内で他のことをして過ごす時間が増えていきますけど、道路の凸凹や未舗装路がいきなりサーキットのような真っ平らな路面になるわけではないから、揺れにはさらされるわけです。むしろ外をみないから余計車酔いしちゃいそう。
でもこのBOSEのシートサスペンションがあれば、何時間でも車に乗っていられそうです。とりあえず長距離バスから採用されてほしいですね。
image: 野間恒毅
source: Welcome | Bose CES, YouTube, wonderdriving
(野間恒毅)
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