前回のしょうがラーメンに続いて訪れたのは「麺や 佐市」。ここでは牡蠣を使った牡蠣ラーメンを味わえるという。職場で自称ラーメン通のS氏の話によると、牡蠣ラーメンはテレビでも特集が組まれるほどの人気だというではないか。しかも牡蠣は、種類にもよるものの今が旬。これを冬ラーメンと言わずしてなんと言おうか。旬の牡蠣を使うのだから、きっと濃厚なラーメンなんだろうな、などとがぜん期待が膨らむ。
そんなラーメンが食べられるのは「麺や 佐市」。なんと、牡蠣ラーメン専門店だそうだ。
錦糸町に店を構えているのだが、なんと最近、幡ヶ谷に2店舗目を出したらしい。渋谷・新宿周辺を庭としている筆者にとっては便利な場所だ。そこで今回は、近場の幡ヶ谷店に向かうことにした。
幡ヶ谷 牡蠣ラーメン「麺や 佐市」
「麺や 佐市」の2店舗目、幡ヶ谷店は京王新線「幡ヶ谷駅」を出て、新宿方面に徒歩2分ほど歩いた場所、甲州街道沿いにある。ちなみに筆者は家からとても近いので今回は自転車で訪問した。
白地に毛筆体で書かれた看板を発見。しょうがラーメンの「羽鳥」もそうだが、シンプルで潔い看板のお店はうまいラーメンを提供してくれそうな気がする。
店構えはというと、こんな感じだ。
看板メニューの牡蠣ラーメンが表に貼り出されていた。看板の写真を見るだけでも、かなりいい感じだ。甲州街道沿いの狭い歩道に面しているためか、前回紹介した「羽鳥」のように並んでいるお客さん用の椅子などはないようだ。この日は14時くらいに到着したのだが、店の前に行列はなかった。店が開店してからまだ日が浅いからだろうか。
ではさっそく店の中へ。中に入るとそこはまるでオシャレなバーのような内装で、カウンター席の他にテーブル席もある。この内装なら女性もゆったりとすごせるのではないか。
食べるのはもちろん「牡蠣ラーメン」。900円。席について食券を渡し、しばし待つ。
そして「お待たせしましたー」と出てきたのがこちら。
器に盛られたラーメンが出てきた瞬間から、食欲をそそる牡蠣の香りをバターの風味が包み込んだ。かなりしっかりとした香りが鼻の奥を刺激する。これは期待できそうだ。
スープに浸った牡蠣を箸で持ち上げてみると、かなり肉厚の牡蠣が顔を出した。
しかも、こいつがなんと二つも入っている。これ、オイスターバーで頼んだらけっこうな金額を持っていかれるヤツですな。
さて、まずはスープをひと口。
「あ、牡蠣だコレ。牡蠣そのもの」
これが、筆者の素直な感想だ。正直、牡蠣がトッピングされているラーメン程度に考えていたのだが、そんなことはない。どうやら牡蠣の出汁を使っているらしく、スープがもはや牡蠣そのもの。最初に感じたバターの香りも気のせいではなく、トッピングの牡蠣はバターでローストされていた。そのバターの香りがスープと一体になって、より濃厚な風味を出している。これはウマい!
その他のトッピングはカイワレに糸唐辛子、そして大量の刻み海苔。スープがかなり濃厚なので、カイワレや糸唐辛子のシャキシャキな食感と、みずみずしさがちょうどいい。そして刻み海苔は麺やスープに絡んでくるので、より磯の風味を引き出すのに一役買ってくれている。
麺はというとやや太麺で、少し固めな印象。その主張の強さが濃厚なスープによくあっている。
そして牡蠣である。絶妙な火加減でローストされた牡蠣はふっくらとしながらもジューシーさを失わず、ひと口噛むと、海のミルクと言われる牡蠣のエキスがジュワジュワーとあふれ出してくる。バターの風味がまた絶妙に合うんだ、これが。
濃厚な旨味に引き込まれ、どんどん食べ進む。
あぁ、あっという間に完食だ。
ちなみにランチタイムはライスが無料で付くらしい。白いごはんをこのスープにくぐらせたら、うまいんだろうな…と思いつつ、お腹のぜい肉が気になるので今回は遠慮しておいた。メタボなんか気にならないという猛者は、ぜひともライスも頼むべきだと思う。だってうまいに決まっているもの。
感想とまとめ
とにかく濃厚で、牡蠣を堪能できた。牡蠣好きならば間違いなく好きなはずの一杯。なによりもスープを飲んだときのインパクトがスゴイ。しょうがラーメンも大好きだが、ひと口目のインパクトは佐市に軍配を上げざるを得ない。また、バターが入っているためか、食後のポカポカ感もなかなか。
店長さんによると、やはり今はまだお店ができたばかりでそれほど混んでいないらしい。錦糸町では行列ができる味なだけに、これはチャンスだろう。
牡蠣ラーメンを食べたいと思っていたけど行列に躊躇していた人は、幡ヶ谷店に行ってみてはどうだろうか。
麺や 佐市 幡ヶ谷店
住所:東京都渋谷区幡ヶ谷2-6-7
営業時間:定休日は要確認
前回レポートした しょうがラーメンがホッとする母親の料理ならば、牡蠣ラーメンは豪快な父親の料理といったところだろうか。どちらも何度も足を運びたくなる味だ。
正直、真逆な魅力を持っているので、甲乙を付けることは難しい。どちらも冬にピッタリで、どちらもおいしい。あなたが食べに行くときには、気分によって店を選んでみてほしい。
いずれにせよ、心も体も温まることは筆者が保証する。
ちなみにうちの嫁は牡蠣が苦手なので、筆者はこの牡蠣ラーメンのことは嫁には報告せず、自分だけの密かなご褒美ごはんとする予定だ。
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