「ロボット革命は起こる、でも自分の仕事は奪われない」楽観的な米国人たち
日本では、どうでしょう?
旅行代理店とか、蓄音機の修理屋さんとか、テクノロジーの進化によって消えていった(いきつつある)仕事はいろいろあります。新たな調査で、米国人の多くはロボットが人間の代わりに仕事をするようになる、でも自分の仕事は大丈夫だと思っていることが明らかになりました。
ピュー・リサーチ・センターの調査によると、ほとんどの米国人はロボティクスが今後今後50年間の雇用市場に劇的な変化をもたらすと強く考えているようです。でも大多数(80%)の人は、自分の仕事は影響を受けないと考えているらしいのです。
「ロボットによる自動化は、漠然とした未来に起こるものと思われてはいます。でも多くの人は、それを必ずしも自分自身や子どもの仕事がどうなるかということと結びつけてはいないのです」ピュー・リサーチ・センターの調査を行ったAaron Smith氏は、ウォールストリート・ジャーナルで語っています。
全体的に、50歳未満で教育レベルや年収の多い人ほど、ロボットが職を奪うことについて懐疑的である傾向が見られました。
調査結果のプレスリリースには以下のようにあります。
18~49歳の人のうち35%は、ロボットやコンピューターが人間の仕事の多くをこなすようになる可能性が低いと考えており、50歳以上ではその割合が27%であった。同様に考える人は、大学の学位保有者では37%(大学に行かなかった人では28%)、世帯年収が7万5000ドル(約850万円)以上の人では38%(3万ドル未満の人では27%)であった。
一般的に歳をとるほど変化への対応が遅くなりがちですが、この調査では50歳以上の人の方がロボットによる変化を厳しく捉えているという結果です。今50歳以上ということは、10年、20年後に自分の職場がどう変わっていても自分にはあまり関係ないってことで、だから客観的に見られるのでしょうか。
職業による違いを見ると、どんな職種でも大多数の人が自分の仕事はロボット革命の影響を受けないと考えていました。ただ、事務職や専門職より、ブルーカラーの人の方が、自分の仕事がロボットに置き換えられるとはあまり考えていないようです。
自分の仕事が50年後も現在の形で「必ず」存続すると思う人の割合は、手作業または肉体労働に従事する人では41%ですが、専門職の人では34%でした。さらに管理職または経営者では、その割合は23%にまで下がります。ともあれ全体的にはあらゆる業種・職種で、73~86%の人が、自分の仕事は「必ず」または「多分」50年後も存続すると回答しています。
業種で見ると、自分の仕事が奪われることに懐疑的な割合が一番高いのは、政府や教育、非営利分野で働く人たちでした。
我々が将来をどう認識していようと、結局どうなるかはそのときにならないとわかりません。ここまでの変化を振り返ると、比較的急速に変わっていった分野もありますが(たとえば21世紀に置ける旅行代理店)、揺り戻しながら変化する分野もあります。
たとえばメルセデス・ベンツが、ロボットに代えて人間を雇うと発表しました。表向きの理由は、多くのタスクがロボットには複雑すぎるためです。でもこの裏側には、グローバリゼーションで賃金が下がりに下がり、タスクによっては低賃金の労働者をたくさん雇った方がロボットより安上がりになる現状があります。
ロボット革命はすでに起こりつつありますが、技術の進化やその浸透がどんなスピードで起こるかを正確に予測することはできません。でも少なくとも米国人は、自分の仕事がロボットに奪われるかどうかについて、「奪われない」と楽観的な予測をしているようです。
image by anatoliy_gleb/Shutterstock
source: Pew Research Center via Wall Street Journal(日本語版)、The Guardian
Matt Novak-Gizmodo US[原文]
(miho)
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