インターネットを通じてストリーミング配信されるメディアコンテンツ(OTT)。OTTによる動画配信サービスのことをVOD(ビデオオンデマンド)と呼びます。今回はVODのビジネスモデルと動画広告について見ていきましょう。
VODのビジネスモデルの種類
VODのビジネスモデルには、次の3種類があります。
1.SVOD(定額制動画配信)
SVODの「S」はサブスクリプションを指します。SVODは、毎月定額料金を支払うことで全てのコンテンツが楽しめるサブスクリプションモデルです。
2.AVOD(広告型動画配信)
AVOD の「A」は広告(アドバタイジング)を指します。AVODは、動画の前や途中に広告動画を挟み込むモデルです。
3.PPV(都度課金型動画配信)
PPVはペイ・パー・ビューの略です。PPVはコンテンツ単位で課金するモデルです。
2種類の課金方法「TVOD」と「EST」
VODのビジネスモデルのうち、PPVの中にTVODとEST の2種類の課金方法があります。
1.TVOD(視聴レンタル制)
TVODは、Transactional Video On Demand(トランザクショナルビデオオンデマンド)の略で、視聴レンタル制のものを指します。動画コンテンツにそれぞれ視聴期間の制限があり、ユーザーは動画コンテンツをレンタルする度に費用を支払います。
2.EST(ダウンロード制)
ESTとは、Electronic Sell Through(エレクトロニックセルスルー)の略で、ダウンロード制のものを指します。 ダウンロードしてしまえばいつでも試聴できますが、ファイル自体をデバイスに保存する必要があるため、デバイスの容量が必要になります。
AVODで主流のインストリーム広告
AVODではインストリーム広告が主流です。インストリーム広告とは、動画の再生前後や途中で表示される動画広告のこと。インストリーム広告は、映像や音声、文字を使い、大画面で、商品やサービスを効果的にアピールできます。 インストリーム広告は主にスキッパブル広告とノンスキッパブル広告に分けられます。
1.スキッパブル広告
スキッパブル広告は、動画広告再生から5秒後にユーザーがスキップすることができる広告です。スキッパブル広告は、動画コンテンツの前後や途中に挿入されます。動画広告のスキップの選択を可能にしているので、ユーザーにストレスを与えすぎないというメリットがあります。 また、スキッパブル広告は、ユーザーが30秒以内の視聴で、途中でスキップされれば非課金となります。5秒後にユーザーがスキップすることができるものの、最初の5秒間は確実にユーザーに届きます。そのため、広告クリエイティブとしては、短時間強いインパクトを残すことが求められます。
2.ノンスキッパブル広告
ノンスキッパブル広告は、動画広告再生後、動画広告が終わるまでスキップができない広告です。 そのため、ユーザーに対して強制的に最後まで広告を見せることができます。課金形態はCPM課金(1,000動画が視聴されるごとに課金)が基本です。 スキッパブル広告のようにユーザーが動画広告をスキップできないため、最後まで確実に見てもらえるというメリットの半面、スキップできないことによりユーザーへストレスを与えてしまうこともあるというデメリットもあります。
まとめ
VOD、またAVODは、米国と比較すればまだ市場が小さいものの日本でも大きく伸長しています。VODの普及に伴い、ビジネスモデルや動画広告は、今後さまざまな変化を遂げていく可能性を秘めています。今後の動きに注目していきましょう。
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