世界で1000万部売れたビジネス自己啓発作家が伝授する「お金を儲ける4大原則」
Inc.:先週、私は光栄にも自己啓発作家のトニー・ロビンズさんに彼の新刊本『Unshakeable: Your Financial Freedom Playbook』についてインタビューする素晴らしい機会に恵まれました。そのインタビューの全容はYouTubeで視聴できますが、この記事の公開時にはすでに5万回以上も視聴されています。
トニー・ロビンズさんは最初の著書『Money: Master the Game』を出版した時点でニューヨークタイムズ紙のナンバーワンのベストセラー作家になりましたから(ちなみに、私の前回の記事『7 Simple Steps to Financial Freedom』で同書に触れています)、私が彼に最初にした質問は、なぜ財務とお金の管理に関する2冊目の本を出したのかということでした。
これに対するロビンズさんの回答は次の通りです。「それは良い質問です。なぜならば、私は『Money: Master the Game』を出版するために670ページも書きましたが、この本を読むと、私は文章を書くことが好きでないことがわかると思います。しかし2008年のリーマンショックで誰もが家や財産の半分を失ったのに、それに対して何の対策もなされていないのを見て、どうしても書かなければという思いに取りつかれました。」彼は人々にお金の管理について手取り足取り教えたいと思い、本を出すことでそれを実現したのです。
ロビンズさんはパターンの識別に関しては熟練の域に達しています。自著『Money: Master the Game』の中で、彼は金融にもっとも明るい50人にインタビューして世界で一番の金持たちが富を築き成長させるために使ったあらゆるツールとテクニックについて深く掘り下げました。今回上梓された『Unshakeable』は、さらに一歩進んで、彼が「4大原則」と呼ぶものに関して、読者が知っておくべきことをわかりやすくシンプルに説明しています。
「ほぼ40年にわたり成功について研究してわかったことは、どんな分野であれ最高の成功を収めている人たちは決して運だけに頼っていないことです。彼らは普通の人とは異なる信念と戦略を持っています。」とロビンズさんは言います。そして、達人たちを研究してロビンズさんは「優れた投資家のほぼ全員が投資を決断する際に厳守している」4つの原則があることを発見しました。彼はその原則を「4大原則」と呼んでいます。「一言で言えば、4大原則は投資戦略の中核にあるものです」
大原則1:損失を出さないようにする
ほとんどの人が投資に関して間違ったことばかり考えています。「どうすればお金が儲けられるのか」ばかり考えて、「損を出さないように身を守る」ことを考えていないのです。自著の中で、ロビンズさんは投資額の50%を損失すると、損失を出す前の状態に戻るためには損失額の2倍を取り戻す必要があると指摘しています。
トニー・ロビンズさんはこの大原則の好例を豊富に挙げており、その中にはウォーレン・バフェットさんの有名な投資に関する「最優先すべき2つのルール」も含まれています。
そのルールとは、「ルール1:決してお金を失うな。ルール2:決してルール1を忘れるな」です。他には、自社のクライアントである投資家たちに450億ドルの利益をもたらしたヘッジファンド・マネージャーのレイ・ダリオさんのことも取り上げています。レイさんはロビンズさんに次のように語りました「投資がどう転ぶかは現在も将来にわたっても誰にもわからないということに私は気づきました。だからたとえ私がミスをしても大丈夫なように資産配分を設計する必要があります。」そのため、億万長者が損失を出さないことに執着しているときは、「たとえ投資の判断を誤っても大丈夫なように資産配分を設計する必要があります。」とトニー・ロビンズさんは書いています。
大原則2:非対称的リスク/リターン(ローリスク・ハイリターン)を目指す
これは、ずいぶん多くの人が惑わされる点です。どうしたらお金を失わずに済むかでなく、どうしたらお金を儲けられるかばかりを意識しがちなので、80円儲けるために100円をリスクにさらすという罠に陥るのです。現在あなたがしている投資について考えてみましょう。大多数の人と同じなら、ミューチュアル・ファンドに投資しているはずです。でもミューチュアル・ファンドは金融市場で儲けようとしてあなたが投資した全額をリスクにさらし、その割にはせいぜい8%のリターンしかありません。
「最高の投資家はハイリスク・ハイリターンの神話に騙されません。」とトニー・ロビンズさんは言います。「その逆で、非対称的リスク/リターンと呼ばれるものを提供する投資の機会をキャッチします。非対称的リスク/リターンとは、リスクの割に儲けが大きいということのかっこ良い言い方です。言い換えれば、こうした勝ち組の投資家は常にリスクを最小にとどめるようにしてできるだけ多く儲けようとしているわけです。これぞ投資家の悟りの境地です。
トニー・ロビンズさんは、この大原則に関しては、サー・リチャード・ブランソンを登場させています。同氏はバージン航空を立ち上げる前に複数の航空機製造業会社と仕事をして、ブランソンさんが航空事業で失敗したら機体を返品するという合意をとりつけました。これにより、彼は新規航空事業が成功した場合、最大限の利益を得ることができ、万が一失敗した場合のリスクは最小になるわけです。リチャード・ブランソンさんは私生活においてはあらゆるリスクをおかしているかもしれませんが、ビジネスに関しては彼は見事にローリスク・ハイリターンを実践しています。
大原則3:租税効率を考える
最も成功している投資家は、税金対策にも優れています。「肝心なのは稼いだ額ではありません。」とトニー・ロビンズさんは言います。「手元に残るお金こそ実際に使えるお金であり、再投資したり慈善活動に寄付することができるお金です」
アメリカでは国税庁により「高額所得者」に分類されているなら、連邦税と州税を合わせると通常は所得に税率50%でかかる税金を払うことになります。入ってきたお金の半分も政府に払っていたら投資を続けるのは本当に大変です。だからこそ、税引後収益に注目して租税効率のある投資戦略を賢く活用することが必須です(概要はトニー・ロビンズさんの2冊の本に書いてあります)。さらに、401(k)(確定拠出年金)、IRA(個人退職年金)、その他の優遇税制年金や学資積立プログラムのような税金面で利点のある投資商品を最大限に活用する必要があります。
大原則4:投資は分散させる
たいていの人は、投資を分散させることが大切だとわかっていますが、トニー・ロビンズさんは分散投資をさらに次の4つに分解しています。
1.異なる種類の投資対象に分散投資する:不動産、株式、債券、代替投資商品などから1つだけを選んで持っているお金の全額を投資してはいけません。
2.複数の銘柄に投資を分散する:好きな株式や投資物件を1つだけ選んで全額を投資してはいけません。複数の株式や債券や物件に投資してリスクを分散させる必要があります。
3.世界中の資本市場、国、通貨を視野に入れる:ほとんどの人は投資を自国の中だけで終始するという間違いを犯しています。現代は投資の世界にもグローバリゼーションが及んでいますから、投資する側も国際的な視野を持つべきです。
4.定期定額購入を活用する:資本市場では完璧なタイミングで売買ができる人はいませんから、ドルコスト平均法の利点を活用してリスクを減らしリターンを最大にしましょう。
上記が4大原則です。これさえ押さえておけば大丈夫と言いたいところですが、そうはいきません。トニー・ロビンズさんは大変長い内容をこれだけは押さえておくべきという4大原則に凝縮して誰もが自由に財務戦略を立てられるようにしたのです。ですから、是非彼の著書『Unshakeable』を読むことをお勧めします。それから、インタビューの中でわかったことですが、同書を先行予約すると素敵なおまけがついてきます。『Money: Master the Game』のときと同様に、『Unshakeable』の売上は全額NPO団体フィーディング・アメリカに寄付されるので、この本を買った人は今後8年間にわたり10億食を飢餓に苦しむ人々に提供するトニー・ロビンズさんのミッションに参加できます。
Image: Sasun Bughdaryan/Shutterstock
Source: Inc.
(訳:春野ユリ)
元記事を読む
- ブーストマガジンをフォローする
- ブーストマガジンをフォローするFollow @_BoostMagazine_