実はすごく失礼!「取り急ぎお礼申し上げます」がNGになる場面
社会に出ると、入社初日からメール・電話対応・文書作成に会議と、学生時代は知らなかった「社会人特有のコトバ」に直面する。
また、ベテラン社会人でも自分が「正しい」と思って使っていた言葉が、上司や先輩、取引先から指摘で「実は間違っていた」と気付かされた経験が、一度や二度はあるのではないだろうか。
『社会人の日本語』(クロスメディア・パブリッシング刊)では、現役コピーライターとしてビジネスの現場で活躍しながら「漢字教育士」としても活動中の山本晴男氏が、そんな社会人が「つまずきやすい言葉」を約300語にわたって徹底解説している。
■「日本語のミス」は、あなたの信用をガタ落ちさせてしまう
言葉を駆使する政治家をみても、たった一言の失言やほんの少しの「言葉のミス」から、信用を失墜させてしまうケースはよく見受けられる。社会人にとっても、折角、能力や人柄を評価されて入社した会社で、日本語で失敗をしてしまうのは、あまりにもったいないことだ。
困ったことに、社会に出るとそういった「ミス」を誰かが指摘してくれることは少なくなってくる。そうなると、学ぶ機会を持たなければ、案外日本語の知識や理解というものは広がらない。日本語の「読み方」や「使い方」を誤解したまま時が過ぎ、ある日、ふとした瞬間に上司や得意先から指摘されて赤っ恥をかく、といったことも十分に起こり得ることなのだ。
■御礼の意味で送ったメールで、取引先から怒られた!
例えば得意先にメールを送るケースを考えてみる。前夜の会食の御礼を、翌朝取引先にメールで伝えるとしよう。
「取り急ぎ」という言葉は、社会人になると頻繁に使う日本語で、「何よりも先に」といった意味と理解している人が多い。御礼を伝える際のメールの文面に使用する人は少なくないはずだ。
ただ、「取り急ぎ」という言葉には「本来の手続きを略して、用件のみ伝える」というニュアンスが含まれる。上記の意味を正確に理解している人ならば、「取り急ぎ」という日本語は、御礼の意を伝える場合には適切でないことがわかるはずだ。
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