名著ぞろい。岩波・角川ソフィア・講談社学術文庫「累計売上Top10」

2017.11.12 16:07 更新

読了時間:4分24秒

編集部に聞いた!岩波文庫、角川ソフィア文庫、講談社学術文庫、累計売上トップ10!

各社編集部に聞いた「売上ランキングトップ10」

「本の売上ランキング」なるものは通販サイトや大型書店、雑誌アンケートなどでよく見かけます。しかしこれらはあくまでそのサイト、その書店、その雑誌の売上ランキングです。そのため、どうしてもそれぞれのユーザー層の傾向を反映してしまいます。

今回筆者はそうしたユーザー層の傾向を取り除くために、各出版社の編集部に直接問い合わせ、創刊以来の累計売上ランキングトップ10をヒアリングしました。自信を持っておすすめできる名書が並びました

「本当に売れている本」で教養を磨く

問い合わせたのは以下の2点を満たすレーベルです。

1.普遍的な価値を持ち、読めば教養が磨ける本を扱っている。
2.通勤時などに持ち歩けて、手軽にいつでもどこでも読める文庫本を扱っている。

これらの基準を満たすレーベルのうち、ご協力いただけたのは「岩波文庫」「角川ソフィア文庫」「講談社学術文庫」の3レーベル*。古典の現代語訳や最新の学術書などを多く出版しているこれらのレーベルで、創刊以来最も売れている本のランキングトップ10は以下の通りです。

それでは、この30冊を簡単に紹介していきましょう。

※角川ソフィア文庫の「新版」「新装版」については、旧版の累計売上も含まれています。
※このほかに「ちくま学芸文庫」編集部にもお願いをしましたが、残念ながら「公開はできない」とのことでした。

■売上ランキング1位

【岩】『ソクラテスの弁明・クリトン』

著:プラトン 訳:久保 勉

1927年に創刊された岩波文庫の第1位に輝いたのは、「無知の知」「よりよく生きること」などわかりやすい対話形式で哲学の原点となる思想について書き綴ったこの一冊。論理的思考の初歩テキストとしても優れているうえ、「ソクラテスの弁明」「クリトン」の2篇が入って135ページと、コンパクトな作りも大きな魅力です。多くの教養人が「読むべき本」に挙げている、一読どころか何度も読める手軽さと価値を兼ね備えた本です。

【角】『日本人とユダヤ人』

著:イザヤ・ベンダサン

もともとは1970年にかつて東京にあった「山本書店」から出版された、比較文化論のパイオニア的作品。実は著者のイザヤ・ベンダサンの正体は、山本書店の店主でキリスト教徒の山本七平だったことが知られており、したがって本書は「日本人がユダヤ人のふりをして、その視点から日本文化を批評した本」という一風変わった本になっています。

しかしその批評は確かなもので、第2回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞して当時のベストセラーになるほどです。40年以上も前の本なので読みづらい部分はあるものの、今なお読み継がれるべき日本文化論といえるでしょう。

【講】『論文の書き方』

著:澤田 昭夫

1976年に創刊された講談社学術文庫の第1位を獲得したのは、創刊1年後に出版されたこの一冊。いかにしてトピックを設定するか。どのようにして資料を集め、分析するのか。そしてそれらをどうやって文章にするのか。タイトル通り、本書は論文の書き方や学術的な研究の方法について書いたものです。

すでに社会人になった人にとってみれば「今さらそんなものを教えてもらっても役に立たない」と思うかもしれません。しかし論文を書く、研究をするということは、すなわち合理的に考えて、第三者に納得してもらえる言葉で表現するということ。これは大学を卒業しようが、定年退職しようが、ずっと必要な能力です。

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