長時間残業、生産性を劣化させる「10の悪い習慣」(チェックリスト付き)
これから年末にかけて忙しくなっていく時期。
残業を減らしつつ、生産性を高めたい! 多くのビジネスパーソンにとって、最大の関心事ではないかと思います。
私がこれまでに約2500名の働き方改革を支援して感じることは、働き方は悪い原因がわかれば8割は解決するということです。
私たちに必要なことは魔法の解決策ではなく、ピンポイントで自らの問題、原因を解決すること。私はクリティカルイシュー(根本的な解くべき問題)と呼んでいますが、クリティカルイシューが見つかれば、解決策は平凡でも改善の幅は大きくなります。
そこで今回は、自分のクリティカルイシューが何かをピンポイントで発見できるように、働き方の悪い10の習慣と、チェックリストをご紹介します。
1. 目先の仕事に常に追われている
目の前の仕事をこなすることに追われて、成果を上げるための仕事ができない。消防署の仕事でたとえるなら、消火活動ばかりに追われて、防火活動ができていない状態。成果を最大化するための「緊急じゃないけど価値ある仕事」は何かを決めて優先する必要があります。
【チェックリスト】
▢ 言われたことだけが仕事だと考えている
▢ 目先の時短や効率化に必死になる
▢ 評価されない努力に明け暮れる
▢ 出たとこ勝負になり本番で混乱する
▢ 他人のフォローに時間が取られる
2. ダラダラと残業を繰り返す
定時の退社時間は、残業がはじまる合図で、いつも通り21時に退社するリズムを繰り返している。こうした「いつも通り」の残業、低い集中力で仕事を行うパターンは、簡単に抜け出せません。早く帰らないから睡眠が十分にとれず、翌日も午前中から集中力が低下。生産性の低い、ダラダラ残業を繰り返す悪循環が続きます。
【チェックリスト】
▢ 「17時からが勝負!」になっている
▢ 自分との約束をすぐに破る
▢ 終わらない仕事を深夜にまわす
▢ 定時に帰りさえすればいいと思っている
3. 夜に集中する悪いリズムになってしまう
一番重要な仕事を後まわしにするので、必然的に定時では退社できない。また、日中に集中できない分、夜に集中するリズムが身についている。このようなパターンを繰り返すと残業から抜け出せません。午前中の生産性は、一説には夜の3倍と言われます。朝型の集中するリズムをつくり出すことが重要な解決策となります。
【チェックリスト】
▢ ギリギリに出社し、仕事に追われている
▢ 緊急の仕事に振りまわされる
▢ 朝一番の仕事は、メールチェックからはじめる
4. 余計な仕事を抱え込む
メールチェック、資料作成、長時間会議。これらは時間の浪費となる3悪業務です。また、休憩時間が長かったり、探し物に時間がかかったり、いい人になって断れず抱え込んでしまった仕事により、生産性は低下していきます。「本当にこの仕事は必要だろうか」と改めて自らに問い直して、仕事にも思い切った断捨離が必要です。
【チェックリスト】
▢ ロスタイムが長い
▢ メールの時間が長い
▢ 過剰な情報を資料に盛り込む
▢ 1日が会議で潰される
▢ 仕事を抱え込んで疲弊する
5. いつもの非効率なやり方に固執する
私たちは、慣れた仕事だとほぼ無意識的に「いつも通り」のやり方とペースを繰り返します。疑いもせず、ごく当たり前に。そして、新しい効率的なやり方に目を向ける機会を失います。より生産的に働く人の仕事のやり方を観察したりヒアリングしてみましょう。思わぬ発見があるはずです。
【チェックリスト】
▢ いつものやり方に安住する
▢ ルーチン業務でエネルギーを消耗する
▢ いつ、どこで、誰がやっても、同じ成果が出る仕組み化の発想がない
6. ゴールを決めずに着手する
上司から依頼された資料作成。つい、情報をあれこれ詰め込んでいくと膨大な量になって、完成までに3日。残業を繰り返して作成した資料を上司に見せると「ここまで必要なかったのに」と言われる始末。なんとなく仕事をスタートすると無駄な努力に時間を費やします。ゴールイメージを明確に定義することが重要です。
【チェックリスト】
▢ プレゼンが独りよがりで相手に響かない
▢ 議論がダラダラ終わらない
▢ 行き当たりばったりで資料を作成する
7. 雑務から手をつける
オフィスについたら、郵送物の開封や社内の申請書作成など優先度の低い仕事から手をつけてしまいがち。朝、たっぷりあると思っていた時間は、夕方になると有限だったと気づくものです。朝一番から最重要の仕事に着手する。これが時間活用の肝です。
【チェックリスト】
▢ 仕事の不安を残業でまぎらわせる
▢ 仕事に優先順位がない
▢ 手放すべき仕事が決められない
8. いろいろ同時に手をつけて中途半端になる
マルチタスクとは、同時にあれこれ仕事に手をつけること。カリフォルニア大学アーバイン校の研究では、「一度注意がそれると、集中力を取り戻すには23分かかる」と言われています。また、マルチタスクで仕事をすると最大40%程度、作業効率が落ちてしまうとも言われています。脳が最も高い集中力を発揮するのは、シングルタスク、シングルモードのときです。一度に1つの仕事に取りかかることで、高い集中力が発揮でき、生産性が高まります。
【チェックリスト】
▢ 複数の仕事に意識が分散している
▢ ダラダラと緊張感なく仕事をする
▢ 頭が雑念にまみれている
▢ 集中できない環境でひたすら仕事を続ける
9. 急な仕事に振りまわされる
メール、電話、上司からの急な依頼、トラブル対応。こうした突発的な業務が問題なのは、自分で100%コントロールできないこと。そして、起きてしまうと緊急対応が求められ、予測不能になるので、ほかの仕事やプランが盛り込めないことです。突発で依頼された仕事を無下に断るのは得策ではありませんが、言われるままに対応し、御用聞きのような存在と認識されて仕事のリズムを崩すことは避けたいところです
【チェックリスト】
▢ 返答を保留して仕事が遅れる
▢ 即対応したい衝動に負けてしまう
▢ 突然、邪魔されて元の仕事に戻れない
▢ 突発業務のために、定時を過ぎても会社に残る
▢ 突発業務を招いてしまう悪循環にはまる
10. 先延ばしで、いつも時間に追われている
重要な資料作成や報告業務を先延ばしにして、ギリギリに対応する結果、不十分な内容になったり、ミスが発生したりします。これが新しい問題を生み、火消しに追われて重要業務がますます後ろ倒しになっていくという悪循環にハマっていきます。前倒しで仕事をすませるために、初動を早くする、すぐやる習慣が重要です。
【チェックリスト】
▢ 気が重たい仕事を先延ばしする
▢ 複雑な工程の作業に時間がとられる
▢ モチベーションが湧くまで手をつけない
▢ 時間がなかったと言い訳する
毎週、気になるワークスタイルを3つに絞って解決!
以上、10の悪い習慣をご紹介しました。39のチェックリストに当てはまる人は、1週間に3つに絞って改善してみましょう。あれもこれも同時にやろうとすると何もできない結果に陥りがちだからです。
一時的な改善より、悪習慣を好循環の習慣にしたいですからね。
Image: Kit8.net/Shutterstock.com
古川武士
元記事を読む
- ブーストマガジンをフォローする
- ブーストマガジンをフォローするFollow @_BoostMagazine_