【カルビー、NTTデータ】「テレワーク・デイ」参加企業が描く“働き方”の未来
在宅勤務など、場所や時間にとらわれない働き方を推奨する「テレワーク・デイ」が、7月24日(月)に実施された。
テレワークとは、ICT(情報通信技術)を使って時間や場所を有効に活用する柔軟な働き方のこと。所属するオフィスではなく、サテライトオフィスや自宅で仕事をしたり、出張時の移動中などでモバイルワークをしたりする働き方だ。政府は東京都や経済界と連携して、企業や自治体などにテレワークの推進を推奨しており、この「テレワーク・デイ」には約1000団体、6万3000人が参加した。
「テレワーク・デイ」の成果は、総務省より10月上旬に発表される予定にあるが、参加団体はそれぞれに効果を感じているようだ。今回は「テレワーク・デイ」に参加したカルビー、NTTデータの2社に、テレワーク・デイ当日の模様、成果や課題、今後の取り組みなどについて伺った。
【カルビー株式会社】本社社員の8割が参加、「業務効率・ライフワークバランスが向上した」との声
カルビーでは2009年より働き方改革を実行、テレワークにも3年前から取り組んでいる。
2014年に週2日まで、勤務場所は自宅に限った「在宅勤務制度」をスタート。利用者が増え、「週3日以上取りたい」「自宅以外でも働きたい」という声を受け、今年4月から上限日数を撤廃。場所も限定しない「モバイルワーク制度」を新設している。
「普段からモバイルワークを実施している社員が一定数おり、テレワーク・デイにも前向きな社員が多く、当日は本社に勤務する社員の約8割にあたる270人が参加しました。テレワークの説明会を開催し、人事発信で毎日アナウンスをするなど啓蒙を図ったことも功を奏したと思います」(中村さん)
参加した社員の当日の勤務場所は、約7割が自宅、約1割がカフェ、残りがその他の場所(カフェや図書館など)。2歳の子どもを持つワーキングマザー、フルグラ事業本部企画部商品企画課の佐々木忍さんは、自宅勤務を選んだ。
「テレワーク・デイ当日は自宅で、担当するシリアル商品『フルグラ』のキャンペーン企画を検討。自宅だと業務に集中できるので、仕事が捗りました。通勤に片道1時間ほどかかるのですが、モバイルワークならばその時間を仕事や家事育児、買い物などに有効活用できるのも嬉しいですね」(佐々木さん)
将来的には全従業員の働く環境を改善していきたい
「テレワーク・デイ」参加者に後日行ったアンケートによると、「モバイルワークにより業務効率が上がった」と答えた人は約72%、「ライフワークバランスが向上した」と答えた人は約87%に上った。「通勤時間を仕事に充てられる」「通勤ラッシュの負担がなく快適に働ける」などの声や、「就業時間の短縮につながり、その分を自分の時間に充てられる」点に魅力を感じるとの意見が目立ったという。
「テレワーク・デイを機に、初めてモバイルワークをしたという社員も多く、モバイルワークの良さを感じてもらえるきっかけになったと思います。さらに、多くの社員において業務効率が向上し、かつ仕事とプライベートのバランスも向上したという結果が出たのも収穫。これからもさらなるモバイルワーク制度の整備、そして制度活用の啓蒙を図っていきたいですね」(中村さん)
一方で、参加者のうち約3割は「業務効率が下がった」と回答している。目立った声は、「自宅以外でモバイルワークを行う場合、電話での音声やパソコンの画面伝いの情報を漏らさないようにしなくてはいけないから」「自宅以外だと喫茶代など出費がかさむうえ、電源環境のある場所でしか行えない」「自宅には小さな子どもがいるので仕事に集中できない」など。
「自宅以外の“働く環境”を、会社側で整備することも検討しています。例えば、各地にあるシェアオフィスやサテライトオフィスとコーポレート契約するなど。まだアイディアベースですが、他社と協力して互いに拠点を借りることなども検討できるかもしれません」(中村さん)
将来的には、「本社だけでなく製造拠点も含めた全拠点の従業員の、働く環境を改善していきたい」と中村さんは話す。
「工場でも間接部門の社員ならばモバイルワーク制度は利用可能ですし、生産現場の社員であっても働き方で効率化できることはあるはず。これからも、全社員が固定観念に問わられず、イキイキと働ける環境を整備し続けたいと思っています」(中村さん)
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