自信が欲しければ「ひとりぼっち」になるべし!他人から自分を自由にする思考法
最近いつ「ひとりぼっち」なった?
会社や家庭での時間に加え、SNSが普及したことで、私たちが完全に「ひとりぼっち」になる時間は非常に少なくなっています。これは一見良いことのように思えます。
誰だって寂しい思いをするのは嫌ですし、みんなで過ごす時間は楽しいからです。しかしもし「ひとりぼっち」時間の減少が、私たちの抱く自信の有無や大小に悪影響を及ぼしているとしたら、どう考えるでしょうか。
ここでは5,000人以上を診察してきた精神科医である名越康文さんの著書『SOLO TIME (ソロタイム)「ひとりぼっち」こそが最強の生存戦略である』をきっかけに、現代人にとっての「ひとりぼっち」の意味と具体的な実践方法を紹介します。
現代人の自信は他人に「奪われている」
●人間関係にがんじがらめになる現代人
私たちの社会は非常に高度なコミュニケーション能力を求められています。「空気を読む」スキルはその最たるもの。言葉を使わずに目線や仕草、状況などから相手のメッセージを汲み取り、こちらも言葉を使わずにメッセージを伝える……普段何気なく行なっている空気を読むという行為も、こうして考えてみるとかなり難易度の高いコミュニケーション能力です。特に日本ではより高度な空気を読む能力が求められることは、いうまでもありません。
しかも現代人はリアルな人間関係以外でもこのスキルを要求されています。そのカテゴリーは「SNS」という大きな括りだけでは不十分でしょう。Facebook、Twitter、Instagramなどにはそれぞれの空気が存在し、それぞれのやり方で空気を読まなくてはなりません。さらには電話にEメール、SkypeにLINEなど、私たち現代人は常時誰かと繋がり、人間関係の中で生きています。
すると自分でも気づかないうちに、自分の言動や思考の軸に人間関係を据えてしまい、人間関係が人生のすべてになってしまいます。これはSNSでの自撮りやリア充アピールに血眼になっている人たちだけではありません。以下のような思考の癖がある人は、すでに自分の人生を人間関係を軸に据えてしまっているのと同じです。
・世間体を考えると……。
・会社での評価を考えると……。
・「自分は○◯に比べて裕福だ(貧乏だ)」
・「自分は○◯に比べてカッコいい(ダサい)」
・「自分は○◯に比べて幸福だ(不幸だ)」 など
私たちは世間や会社、家族のほか、「同級生」「地元」など様々な群れの中で生きています。それ自体は悪いことではありませんが、ひとたびその群れのルールやヒエラルキーに自分の自由な行動や思考を奪われれば、人間関係に人生を侵食されてしまいます。
●本当の自信は群れの中では生まれない
“「人間関係が人生のすべて」になることが、現代人特有の不幸を生み出している。
引用:前掲書p25”
群れに居場所がないと不安になったり、群れに所属していないと不安になったり、その不安を解消するために自分の自由な行動や意思を犠牲にしたり……PCやスマホ、SNSが普及した現代だからこそ、こうした苦しみはいや増しに増しています。
名越さんが著書の中で指摘しているわけではありませんが、この「現代人特有の不幸」は私たちの自信喪失にもつながっています。なぜなら「人間関係が人生のすべて」ということは、「自分は自分で何ひとつ判断して、行動できない」というレッテルを自分に貼るということだからです。
群れを自分より優先して生きる場合、何をするにも群れにお伺いを立てなくてはなりません。群れの判断基準でOKが出て初めて実行が許されるのです。群れの判断基準への理解が深まれば、ある程度は自分で判断できるようになるかもしれません。
そうなれば「自分の判断は正しい」と自信を持つ人もいるでしょう。しかしこれは自分の判断基準を群れの判断基準にすり合わせただけのこと。仮に倒産などで群れが崩壊すれば、同時にその判断基準も自信も崩壊します。
どんな状況にも柔軟かつ冷静に対処できる本当の自信というものは、群れの判断基準に寄り添っているだけでは生まれないのです。
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