「無駄遣い」がなくなる? お財布の中身と管理術
こんにちは。家計再生コンサルタントの横山光昭です。
お財布の管理だけで、お金の使い方が変わるはずがない、そう思う人もいるでしょう。ですが、お金との付き合い方で、お金の流れは大きく変わるのです。そこで、お金が貯まるお財布のつくり方をご紹介します。
横山光昭(よこやま・みつあき)
マイエフピー代表取締役、家計再生コンサルタント、ファイナンシャルプランナー。お金の使い方そのものを改善する独自のプログラムで、これまで1万人以上の赤字家計を再生。書籍・雑誌の執筆や講演も多く手掛け、「はじめての人のための3000円投資生活」は40万部を超え、著書累計は205万部。公式サイト
お財布の中身には、目的と役割がある
毎月の支出は、支払い方が違いますよね。家賃や水道光熱費、スマホ代などは1カ月に一度で、食費や日用品はほぼ毎日使います。そして、お財布にあるお金のほとんどは、後者の毎日の支払いに使われます。
こう考えると、お財布には「日々出ていくお金を管理する場所」という目的と役割があるのです。そこをうまく管理できなくて、お金が貯まらないことが多いわけです。
そこで注目したいのが、日々の支出をうまく管理する方法です。
ポイントは、1週間単位で支出の予算を立てること。今まで1カ月で、1週間で、どのくらいお財布からお金が出ているのか考えたり、把握していなかった人に、急に予算を立てろというのは難しい話なので、まずは自分がどのくらいのペースで、何にいくら支払っているのか、金額だけでもいいので記録してください。
少し面倒ですが、最低でも4週間、がんばってください。4週間後、支払った金額の合計を4で割ります。そうすると、1週間で大体いくら使うかがわかりますよね。
その金額を1週間の予算として、財布に入れて、1週間をやりくりしましょう。
支出金額と予算残額をチェック。万一予算を超えた場合は
1週間でやりくりする金額が決まったら、まず、お財布にお金を入れる曜日を決めます。いつでも自分の都合の良い曜日でよいのですが、お金を1週間ごとに更新するので、決めた曜日はコロコロと変えないように。そうして、1週間の生活をはじめましょう。翌週の同じ曜日に、お財布の中身はリセット。また新たに1週間分の金額を入れます。
これを繰り返していくと、1週間のお金を使うペースがわかってきます。
たとえば、毎週月曜日に1万円を財布に入れるとすると、木曜日に6000円が残っていることがわかったとします。しかし、今週の木曜日には4000円しか残っていないとしたら、「今週はお金を使うペースが早すぎる」と気が付けるのです。
これが1週間予算管理の財布術です。簡単ですよね。このように管理して、お金を使うペースを安定させていくと、お金も残りやすいですし、自分のお金の使い方にも目が向くようになります。
もし、お財布の中身を更新するときに、お金が残っていたら、貯金箱に貯めてもいいし、好きなものを買ってもいいし、好きにしてOK。ただ、お金を貯められるようになりたいと強く思っているのであれば、使うよりも貯めることを優先する形でよいと思います。
万が一、使いすぎて足りないときは、残念ながら翌週から前借りします。たとえば、1万円の予算で2000円前借りしたら、翌週は8000円でやりくりするということです。こうして自分に少しペナルティを与えて、矯正していきます。
さらに、今はデビットカードやプリペイドカードもあるし、クレジットカードも使うでしょう。ネットショッピングなどで現金以外で支払った場合は、多少面倒でも引き落とされる口座に使った金額を入れておきます。立て替えてもらったお金を口座に返すのです。
家計の財布は複数で管理する
このようにお伝えすると、生活費以外で現金が必要になったらどこから払うの? と思う方もいるでしょう。特にお子さんのいる家庭だと、学校で「今回だけは教材費が必要です」など、臨時支出も多いものです。そうしたことに対応できるように、特別支出用のお金を準備しておきます。現金を入れる場所がたくさんあるお財布で日々のお金を管理しているのなら、そのどこか1つの場所を決めて入れるといいでしょうし、別のお財布を用意してもかまいません。自分がやりやすい方法で、しかも無くさない方法で管理してください。
このやり方は、1人暮らしでも、夫婦でも、お子さんがいても変わりません。もし、お小遣いをもらっているのであれば、それは自分個人のお金に入れて、自由に使ってください。1人暮らしでも、生活費以外の自由に使ってよいお金を設定してもいいのです。
このように、財布に目的を持たせ、役割も持たせることで、お金の流れがとても整います。無理して節約しなくても、適切にお金を使い、残していけるようになりやすいので、お金も自然に貯まっていきます。このようなお財布を面倒だなぁと感じる人もいるかもしれませんが、用途が決まったお財布で買い物をするというのは、実はとても楽なものです。目的以外の買い物もしなくなってきますしね。
お金を上手に貯めるために、まずはお財布の使い方を見直してみませんか?
文/横山光昭
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