人間たまには休んだほうがいい4つの理由
Inc.:1日18時間労働を週に6,7日も続けていれば生産性が下がることは、科学が証明しています。それなのに、成功するためには長時間労働が必要だと信じている人がいまだに多くいます。特に米国にはこの考えを信じる人が多く、過半数(55%)が長期休暇を取りません。
休暇よりも仕事を優先したほうが業績が上がると考える人がいるようですが、科学によるとそれは間違いです。人間行動科学者で『The 2 AM Principle』の著者でもある私は、この10年ほど世界中を旅してきました。その中で、人の体と心にはたまの休みが必要であると学びました。休みがもたらすものは、休息だけではありません。オフィスに長時間詰めているよりもずっと、多くの成功と幸福をもたらしてくれるのです。その理由を説明しましょう。
睡眠は何よりも重要
複数の研究から、幸福にもっとも影響を及ぼすものは睡眠であると示されています。これを聞くと多くの人が驚きますが、衣食の基本的欲求が満たされていれば、お金は幸福度にあまり影響しません。それよりも、身体的疲労がある状態では、何も楽しむことができなくなってしまいます。睡眠不足は、認知プロセス、意思決定、集中力を悪化させます。
自然は集中力を高める
仕事のパフォーマンスには環境が大きな役割を果たします。ミシガン大学の研究グループは、注意回復理論(ART)の認知的メリットを調査しました。学生に認知テストを受けてもらった後で、ミシガン州アナーバーの混雑した街並みか、自然がいっぱいの植物園を歩いてもらいます。散歩終了後、再び認知テストを実施したところ、植物園を歩いた学生のほうが顕著に高得点を記録しました。ARTによると、職場から離れて自然の中で過ごすことで、集中力とパフォーマンスが高まると言われています。
新しさがクリエイティビティを高め
慣れや習慣は、探求や理解の欲求を抑制します。研究者Nico Bunzeck氏とEmrah Duzel氏は、SN/VTA(黒質/腹側被蓋野)と呼ばれる、脳内で新しい情報を処理する中枢部を調査しました。その結果、慣れ親しんだものに触れてもSN/VTAはあまり反応しない一方で、新しいものに触れると反応し、探求と理解の欲求が高まることがわかりました。
クリエイティビティは、異なるアイデアを結びつける能力と思われています。しかし、豊富な探求の経験がないかぎり、結びつけるアイデアそのものがなくなってしまいます。旅は新規性を豊富に与え、クリエイティビティを高めてくれるでしょう。
新たな視点が得られる
いつも同じ人に囲まれていると、考え方も凝り固まってしまいます。それがいい方向に作用することもありますが、たいていの場合そうではありません。旅に出て新しい環境や文化に身を置くことで、心が開き、世界観が永久に変わります。旅は、グローバルな視点をもたらすのです。職場に戻ったとき、リアルライフでの豊富な経験が、出発前よりもずっとあなたの価値を高めてくれるでしょう。
働き過ぎは決して成功をもたらしません。それどころか、仕事の質が下がり、結果的に幸福度を下げかねません。ですから、積極的に休みを取って、エキサイティングな場所に出かけましょう。
4 Ways Going on Vacation Increases Your Productivity | Inc.
Jon Levy(訳:堀込泰三)
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