優秀な若手の7割以上が「兼業・副業を希望」。その正直すぎる理由とは?

2017.6.29 22:07 更新

読了時間:3分27秒

「生涯1社はありえない」複業を希望する大企業若手社員たち

大企業に勤める若手中堅の7割以上が複業に目を向け始めた。
撮影:今村拓馬

BUSINESS INSIDER JAPANより抜粋:日本の大手企業に勤める若手の7割以上が「兼業・副業に興味がある」——。

大手企業45社の若手有志による団体が、若手中堅社員1600人に聞いたアンケートで、こんな結果が出た。

現役の社員ら高度な知識をもつプロフェッショナルと、その知見を求める人を1時間からマッチングする副業がもっぱらのスポットコンサルティングサービスも、登録者が3万6千人に達し、この1年で倍増した。かつてはお小遣い稼ぎや副収入といった目的が専らだった副業の概念に、大きな変化が起きつつある。

「1社にずっといられるとは思っていない」

大手総合商社に勤める、藤森遼さん(29=仮名=)は、新卒から食品畑を歩む現役バリバリの商社マンだ。海外勤務も経験し、海外大手企業と国内中小企業の仲介取引を任されている。取引先からは、専門家としての知見やアドバイスを求められる。20代とはいえ、この業界での知見はそれなりにある。

2年前の海外赴任中、スポットコンサルのマッチングサービス「ビザスク」(東京都目黒区)に登録した。「プロフェッショナルの知見を生かせる副業」という知人の話で知り、興味をもった。とはいえ、商社勤務は決して時間にゆとりがあるわけではない。

「平日は日付が変わるまで、たとえ土日であっても、会社へのコミットメントをいとわない働き方をする上司もいまだに多い」(藤森さん)

収入も、同世代の平均をはるかに上回る。なぜ、あえて副業をするのか。

「自分たちの世代は、1社でずっと働き続けることがマストだとは思っていません。会社を出た後のキャリアも当然、考える。タコツボの中で評価されることを極めるだけでなく、客観的な評価を知りたかった。社会の中で、自分がどの位置付けなのかを、把握したかったのです」

という。決して現状に不満があったり、今すぐ転職を考えたりしているわけではない。

藤森さんは、就業時間外の副業として、ビザスクのスポットコンサルティングの仕事を何度か受けた。コンサルタント会社などから、食品市場の現状や先行きの見通しについて、かなり突っ込んだことを聞かれた。1時間程度の知見の提供に対し、報酬は2万円だった。商社勤務の身にとってはわりと基本的な教科書通りの内容でも、「熱く感謝されたことに新鮮な驚きがありました」と話す。福利厚生や年収にも比較的恵まれている層がなぜ今、「副業・兼業」なのか。

後編はこちらから。

「生涯1社はありえない」副業に向かう大企業若手社員たち | BUSINESS INSIDER JAPAN

(滝川麻衣子)

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