Googleトップが明かす最速で意思決定する会議のルールとは
組織が最速で意思決定する方法
ビジネスの状況がめまぐるしく変わる現代において、組織における意思決定はこれまでにないほどスピードを求められています。しかし「できるだけ早く意思決定をしろ!」と言われても、具体的にどうすれば早くなるかは悩ましい問題です。
ここではこの問題を解決するために、Google取締役会長のエリック・シュミット氏と、ラリー・ペイジCEOのアドバイザーであるジョナサン・ローゼンバーグ氏の著書『How Google Works (ハウ・グーグル・ワークス) ―私たちの働き方とマネジメント』から、最速で意思決定する方法を紹介します。
意思決定の大前提は「データ」
Googleのほとんどの会議室にはプロジェクターが2台用意されています。1台はビデオ会議や会議の記録用、もう1台はデータを表示するためのものです。そして、Googleではあらゆる案件を検討し、議論する際に決して「私の考えでは」「私の見解では」という言い方はしません。
常に「このデータをごらんください」から始まります。つまり意思決定の大前提として「データこそが有益だ」と考えているのです。もちろん闇雲にデータを提示するだけでは逆効果です。「そのデータに誤りはないか」「議論の内容に有意義なデータか」など、提示するデータの正当性・妥当性にもきっちり考慮したものでなくてはなりません。
意思決定を妨げる典型的な資料は「文字だらけのスライド」です。私たちはともするとプレゼンに箇条書きを多用した文字がメインの資料を使いがちです。しかしプレゼンの対象はあくまで「聞き手」であり、「読み手」ではないということを忘れてはいけません。
データ・プレゼンテーションとビジュアリゼーションの権威であるエドワード・タフティ氏が言うように、プレゼン資料はデータ主体でロジックを展開するべきなのです。データの選び方が的確であるほど、内容が明確化され、聞き手の理解度も深まり、意思決定がしやすくなります。
時間の使い方を間違えるな
シュミット氏はUNIXを開発したノベル社(米ユタ州)のCEOに着任した当初、ビル・ゲイツ氏から「収益の8割を稼ぐ事業に8割の時間をかけよ」というアドバイスをもらったと言います。
このアドバイスを胸にノベル社の経営に臨んだシュミット氏でしたが、今になって振り返ると当時の自分は到底適切な時間配分で働けていなかったと考えているそうです。
というのも当時のノベル社では期間事業の「ネットウェア」とは別に、「ネットウェア・ディレクトリー・サービス(NDS)」の開発が進んでおり、経営陣までもがその将来性に夢中になっていたためです。
確かに将来有望な新規事業の方が、すでに磐石になっている既存事業よりも魅力的で、面白そうに感じるのが人情でしょう。しかし新規事業の開発費や、事業が軌道に乗るまでのコストを担うのは既存事業です。
万が一既存事業で失敗すれば、新規事業はもちろん会社全体の経営にも関わってきます。これを防ぐためには、意思決定権を持つ人間は常に自分の時間の使い方をチェックしている必要があります。
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