外国の友人に日本のよさを知ってもらう、泉岳寺の一軒家ホテル「Araiya」
旅の醍醐味のひとつに、ホテルでの滞在をあげる人も多いのでは?
非日常空間で過ごし、その街を楽しむことで、旅はさらに豊かなものになりますよね。
閑静な住宅街と高層ビルが同居する東京都港区高輪にある「Araiya」は、築50年以上のお米屋さんを改装した隠れ家的宿です。
降り立ったのは京浜急行電鉄「泉岳寺駅」。赤穂浪士のお墓がある泉岳寺にほど近い場所に「Araiya」はあります。
通りを1本入ると、さっきまで聞こえていた街の喧騒が嘘のように静か。純和風の格子戸を前に胸が高鳴ります。
「こんにちは」と声をかけ戸を開けると、和モダンなムード漂うレセプションが出迎えてくれます。
「以前、ここは米屋のあらいやとして、地域に愛されていました。建物を残し続けたいというオーナーの想いを受け、屋号をそのまま残すかたちで、ホテルとして生まれ変わったんです」(岡部さん)
そう話してくれたのは、「Araiya」を運営する宿場JAPAN広報部の岡部宇洋さん。
言われてみると、玄関のたたき、土間、階段箪笥など商家の名残が感じられます。
1階には居間(シアタールーム)、手洗い場、風呂、トイレ。2階には寝室、リビング、トイレ。
小さなフロンデスクの奥にある、年季が感じられる階段箪笥を登り、2階の客室へ案内してもらいます。
クロスに施された山野草用の美浮世絵が素敵です。
「Araiya」を訪れた瞬間から感じたのは、まるで田舎の祖父母の家を訪ねたような、「はじめてなのに懐かしい」という感覚。
座り心地のいいソファ、畳のにおい、今ではめったにお目にかかれない模様が入ったすりガラス、幾何学模様が美しいタイルを前に、懐かしさがこみ上げてきます。
日本の伝統色である青磁色や灰桜色を配した壁、装飾品、建具、備品などは残っていたものを生かしつつ、町や建物からの印象を投影しています。
建物にあう造り込みを大切にしたのは、内装デザイナーの玉井香織さん。
「特別ではない日常の生活を感じられ、記憶のどこかにあった懐かしい感覚を味わう唯一無二の宿を目指しました」(玉井さん)
その思いは、建具を開閉するような生活の音、陽のひかり、風の通り方、窓から見える景色、手や足に触れる木の感触に込められています。
部屋の奥には、窓際の手作りの畳ベッド。これってなにかに似ている……。
あ、押入れベッドだ。
子どもの頃、押し入れに布団を敷いてベッドに見立てた記憶が新鮮に呼び起こされます。
リーダーコンシェルジュの渡邊崇志さんは「Aaraiya」に込めた思いをこう語ります。
「この宿は、いま首都圏への旅行で薄れつつある、『地域の店や人との接点づくり』を大切にしています。そしてこの宿と地域が持つ歴史とストーリーを伝えながら、お客様に合わせた『独自のご滞在』を演出するお手伝いをさせて頂きます」(渡邊さん)
「Araiya」のコンシェルジュは、観光や近隣の店情報の提供はもちろん、宿泊客の要望に合わせ、オーダメイドのホテルステイを提供してくれます。
たとえば、完備されたキッチンで料理を楽しむのも、近隣の飲食店から料理をオーダーして部屋でいただくことも可能です。
一軒家ホテルならではの自由さと、コンシェルジュによる心地よいサービス。宿泊客がそれぞれが気ままに、心からくつろげる空間こそが、おもてなしの真髄かもしれません。
家族、友人、大切な人と過ごしたくなる東京の小さな宿「Araiya」は、外国人の友人に「自分が生まれた国」のよさを知ってもらう場所にも、日本人であることのアイデンティティを呼び覚ます場所にも最適です。
[Araiya]
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