オープンオフィス、社員は嫌がっていた
Inc.:多くの人が仕切りのないオープンオフィスを嫌う理由はすぐに見つかります。周囲の騒音から逃れるために掃除道具入れに隠れた社員のエピソードをはじめ、一般に、社員たちはオープンオフィスが嫌いであることを示す研究がたくさんあります。また、オープンオフィスが身体的な病気を引き起こすと指摘する専門家もいます。
とはいえ、依然としてオープンオフィスの流行は続いています。この狂気を止めるよう、社長たちを説得することはできるでしょうか? もし、現実主義の企業リーダーたちに訴えかけるものがあるとしたら、これから紹介する最新のアンケート調査の結果かもしれません。
最高の社員はオープンオフィスを嫌っている
このアンケート調査は、企業がハイパフォーマンス社員を幸福にするのを助けるコンサルタント、William Belk氏によってなされました。この、1000人以上のスター社員を対象とした匿名アンケートが完全に科学的なものだとは言えないとしても、企業リーダーは決して見逃せないはずです。
Hacker NoonにBelk氏がまとめた記事の見出しには「ハイパフォーマンス社員の58%は、問題解決のためのプライベートスペースがもっと必要だと答えており、54%が、現在のオフィス環境は邪魔が多すぎると回答している」と書かれています。
要するに、Belk氏の調査によると、あなたの会社で最高にデキる社員は、騒がしいオフィスを嫌っているのです。Belk氏の調査と経験は、オープンな環境が、スター社員たちが素晴らしい仕事をするのを邪魔していることが示唆されてます。
でも、イノベーションはどうするの?
もちろん、企業リーダーもバカではありません。彼らがオフィスの壁を取り払うのは、それなりに合理的な理由があるからです。(オフィスコストが節約できるという暗黙の理由以外にも、)オープンなオフィスは、偶然の出会いが起こりやすく、創造的なアイデアが生まれやすくなる、と企業リーダーは考えているのです。マネジメントの教科書には、オープン性こそがイノベーションの鍵であると書かれているのです。
たまにはそういうこともあるだろう、とBelk氏。エンジニアとオペレーション担当者の偶発的な会話から、のちに企業に大きな利益をもたらすヒラメキが生まれる可能性はあります。しかし、多くのイノベーションはそのようには起こりません。素晴らしいアイデアが生まれたら、それを現実のものとするために奮闘するのはハイパフォーマンス社員なのです。創造的なプロセスの99%を占める地道な作業には、壁があるほうが断然有利です。
ハイパフォーマンス社員の毎日は、革新的なプロダクトやアイデア、企業の方向性などの本当に難しい問題の解決に費やされています。彼らは、現在、あるいは未来のクリエイティブ、ハードウェア、ソフトウェア、デザインなどに長時間、集中し続けているわけです。ハイパフォーマンス社員は、幹部や同僚と交わした約束を守るため、1日がかりの仕事に没頭しています。そして、彼らは、毎日の仕事を効率的に達成するために、静かなスペースを絶対的に必要としているのです。
多くの時間を、さほど要求の厳しくないルーチンワークに費やしている、格下の社員たちは、オープンオフィスの賑やかさを楽しんでいるのかもしれません。「技能や熟練をさほど必要としない社員たちが、騒々しさや社交的な環境を好むのは、そのほうが楽しいからだ」とBelk氏。しかし、チームを支える優秀な人材にとっては、カオスは集中力を妨げ、生産性を低下させ、彼らが取り組んでいる重要な仕事を滞らせるものなのです。
ですので、スター社員には、静かなスペースを与えてください(あるいは、自宅で仕事をする自由を与えてもよいでしょう)。
Want to Attract More Star Performers? Ditch Your Open-Plan Office|Inc.
Jessica Stillman(訳:伊藤貴之)
Photo by PIXTA.
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