これからの社会を生きていくためには「ソフトスキル」が重要かもしれない
Inc. :自動化が発展し理論や手法といったハードスキルよりも、ファシリテーションやコミュニケーション力、リーダーシップなどといったソフトスキルへの関心が高まっています。
筆者自身、ソフトスキルと継続的学習こそが伸び悩む競争相手を尻目に、自身のキャリアを高めていく秘訣なのだと信じています。そこからさらに一歩踏み込んで、身につけるべきソフトスキルの第1位は、コミュニケーション能力であると提言したいと思います。
たしかに、インターネットボットやアルゴリズムは、人間のように文脈や分析、ニュアンスを提供することができません。だとしても「ボットより優れている」では自分に課すハードルとしては低すぎます。
どんな分野でも、同僚や取引先、クライアント、出資者といった人たちとの絶え間ないコミュニケーションが発生します。あなたはそうしたやりとりを効果的にできているでしょうか?
もしできていないなら、あなたはアイデアを訴えたり、チームをまとめたり、信頼や尊敬を勝ち取ったり、ゴールを達成したり、時間の浪費や混乱を避けたりするチャンスを逃している可能性があります。
文章によるコミュニケーション
誰かに問い合わせのメールを送って、返信をもらったのはいいが答えが得られたというよりは、むしろ混乱が深まってしまったという経験はありませんか?
私が見る限り、文章によるコミュニケーションで一番多い誤りは文脈を伝えていないことです。詳細をすべて説明する必要はありませんが、自分が言おうとしていることの背景を、読み手に理解してもらうことはとても重要です。とくに、メッセージスレッドの途中から、新しい受信者が加わった場合には、きちんと文脈を与えてあげる必要があります。
同じように、言いたいことをただ書きなぐるのではなく、どうすればこの対話の価値を高め、理解してもらいたいポイントを確実に理解してもらえるかを、よく考えてください。何も努力せずにわかってもらえるとは思わないこと。
また、メールを送信する前にもう一度読み直すことを強くお勧めします。同僚宛のメールなら、スペルミスやタイプミス、文法の誤りが少しくらいあっても、問題はないと思うかもしれません。しかし、それは間違っています。不明瞭なメールを送ると、受けとった相手は、あなたに再確認や問い合わせのメールを送らなければならなくなります。
そうでなくとも、日頃からメールやチャットの着信に追いかけられているのですから、何が言いたいのかわからないメールのために、いちいち確認のメールを送ることになるのが、どれほどうんざりすることか少し考えればわかるはずです。
口頭によるコミュニケーションを改善する
今後、あなたが大きなステージに上がることはないかもしれませんが、「話し方の基礎」を学んでおいても損はないでしょう。会議の前に入念な準備をしてください。伝えるべきアイデアは何か、どうすればそのアイデアを聞き手に一番うまく届けられるかを、じっくりと考えてください。
多くの人が「重要な」会議のときだけ努力をします。しかし、すべての会議がチームがアイデアを形成し、意思決定を行い、問題を解決し、計画を立てるための、有益かつ生産的な時間であるべきです。また、こうしたタスクのどれもが、良好なコミュニケーションを必要とします。
なぜ会議をするのか、この会議の後に何が起きるべきなのかを、参加者に明確に伝えることができなければ、実質的な成果は期待できません。また、自分の意見を説得力を持って明瞭に表現できなければ、賛同者を得ることも難しくなります。
声のトーンに注意する
たとえば、話し手がプロフェッショナルとしてはカジュアル過ぎるトーンで話すと、聞き手はその言葉をまともに聞こうとはしないものです。また、こう話すのが正しいと自分が思っている話し方で話すと、不自然で怪しいと思われてしまいます。
メッセージを効果的に伝えるためには、簡潔さを保ちつつ、聞き手や、話す内容、文脈に合わせたトーンで話す必要があります。あなたも、業界のイベントで自分の仕事内容を説明するときと、お酒の席や母親に対して自分の仕事のことを話すときとでは、無意識のうちにトーンを変えているはずです。
書くことが得意ではなく、いつも正しい言葉を見つけるのに苦労しているなら、あまり意識しないでやってみることです。単純に、一番伝えたいことから書き始め、あるいは話し始めてみてください。ふだんから使い慣れた言葉で十分に良い文章がつくれることがわかるでしょう。専門用語を使えば、賢そうに見えるというものではありません。ただ無駄が増えるだけです。
ソフトスキルを甘く考えてはいけない
あなたのコミュニケーションスキルが低いと、周囲の人から貴重な時間を奪うことになります。
コミュニケーション能力が高い人を観察し、なぜ彼らが書いたり話したりすることはわかりやすいのかをよく考えてください。それから、ふだん自分がどのようにコミュニケーションをしているかを意識し、上手い人のスキルを取り入れられないかを検討します。
自分としては説明したと思っていたのに、相手にうまく伝わっておらず質問を返されてしまうようなら、自分のどの考え方が伝わりずらいのか、またどの意図が誤解されやすいのか、よくあるパターンを見つけるようにします。
コミュニケーションスキルを高めるには、会話に意識を向け訓練を積む必要があります。努力なしで一夜のうちにコミュニケーションの達人になれるわけはありません。コミュニケーションスキルが、あなたのキャリアを前進させてくれるスキルであることは間違いないのです。
This Is the No. 1 Soft Skill You Need to Develop|Inc.
Dennis Yang(訳:伊藤貴之)
Photo by Shutterstock
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