「生計のために働く人」は裕福になれない

2017.4.10 12:07 更新

読了時間:9分4秒

「生計のためだけに働いている人」はお金持ちになれない

「生計のためだけに働いている人」はお金持ちになれない

Inc.:情報共有ネットワーク『Quora』では読者からの質問に毎回ユニークな洞察力を持つ人物が回答します。今回の質問は「ほとんどの人が『お金持ちになれない理由』は何ですか?」です。

現在はリタイアしていますが、現役時代はTranZacto社の創業者兼CEOであり、Quoraの科学編集者を務めたこともあるCharles Tips氏が上記の質問に以下のように回答しています。

生計を立てるためだけに働いている人は金持ちになったためしがない。

父は私にしばしばそう言っていました。これはいったいどういう意味なのでしょうか?

もちろん、一生懸命働けば間違いなくお金持ちになれますし、熱心に賢く働くほどその可能性は高まります。でも、私の父ならこう説明するでしょう。

雇用主のために日に8時間働くのは構わない。でも、自分のためにも日に8時間、週末は日に12時間働きなさい。

そして、父自身がこれを一生実行しました。

時給で働いていてはそれより先へは行けません。人事部は、ギリギリいくらの時給を支払えば必要な人材を確保できるかわかっています。一流のローススクールの学位を取得して有名法律事務所に雇用され、1時間当たり数百ドルを売り上げたとしても、かかった経費を差し引くと雇い主に儲けさせているだけです。年に3000時間分の売上を出すために早死にしそうなぐらい働いても、それだけでは、お金持ちになる軌道には乗れていません。

では、経済的な豊かさを得るために知っているべきことは何でしょうか?

まず、最初に必要な発想は、経済的に裕福になるのではなくて、豊かになることを目指すこと。財務的とは、お金に関することですが、お金は過去に生産されたものの「駐車場」でしかありません。経済は「自分が生産するもので他人が生産するものを買う」ことで成り立っています。土地と生産と株式が豊かさの根底にあり、お金は操業や取引に便利な道具でしかありません。

「贅沢横丁」と「大金大通り」の交差点に立つ機会を逃したくないなら、以下のことを理解しておくべきです。

1. 本来の目的を見失わない

豊富な操業資金があっても裕福とは言えません。年商数百ドルになっても、そこから利益を上げてこそ裕福になっていけるのです。さかんに売買をしているのにほとんど利益があがっていないなら憂慮すべき状態です。砂上の楼閣はすぐに崩れてしまうものです。

2. 財務レバレッジ(他人のお金の活用)

自分の工場の生産ラインを維持するために200個の双方向コンデンサーが必要だと知人が言っていました。彼は1個につき2ドル支払うつもりです。あなたが100ドル持っていて1個1ドルで同様のコンデンサーが手に入るところを知っていれば、お金は2倍になります。でなければ、100ドル貸して110ドルで返してもらえば、約3倍のお金になります。それ以上に良いのは、その知人に前払いしてもらい、自分のお金をリスクにさらさずにより大きな儲けを得ることです。

3. 労働力レバレッジ(他人の労働力の活用)

小売業を営んでいたころ、窓の清掃人を1人雇ったのですが、その人物はスーツを着て出社してくると、私の小口現金から20ドルを取り、連れてきた協力者に窓の掃除をさせました。その後、彼の協力者を町のあちこちで見かけるようになりました。少なくとも3人はいるようでした。彼が自分の監督下に3人の窓清掃人を置き、自分は営業とコーディネーションに徹することで、いったいいくら儲ける可能性があるのか、遅ればせながら私は計算してみました。窓の清掃をする3人の人件費はたいした額にはならないでしょう。となると、1時間当たり120ドルの総収益を楽々と稼ぎ、そのうちの人件費はせいぜい1時間につき21ドル(35年前の話です)、その他の付加的諸経費は1時間につき多くても2ドルだろうとわかってくると、繁盛している小売業のパートナーをしている私の4倍もの純利益を稼いでいることがわかってショックでした。しかも、彼の方が、頭痛の種も従業員の数もはるかにすくないのです。

4. チャンスをつかむ

あらゆる商品を製造する生産性サイクルこそ実質的な経済と言えますが、それは、起業家が未来に目を向けて利益を上げる機会が見えるときに始まります。窓拭きビジネスを始めることがどれほど容易か考えてみてください。では、なぜ普通の窓拭き従事者の99%が自分で窓拭きをするという間違いを犯しているのでしょうか? 利益を生む機会になりそうな状況のキャッチするのはビジネスセンスであり、鍛えなければ得られないセンスだからです。ほとんどの人は自分でビジネスを立ち上げることはありません。その大変さと言ったら、まず自分で仕事を生み出し、さらに上司、秘書、マーケティング担当もやるという1人4役をこなして機能させなければならないので、レバレッジするよりむしろ燃え尽き症候群まっしぐらになってしまいます。

5. お金でお金を生む

先週Facebookの創業者・CEOのマーク・ザッカーバーグ氏はたった1日で40億ドルも稼ぎました。いったいどうやって? 2、3日前にはAmazonの創業者兼CEOのジェフ・ベゾス氏が20分で60億ドル稼ぎました。いったいどうやって? 彼らの時給が上がったからでしょうか?

いいえ、ご存知の通り、株式を使ったからです。普通の人の場合、一生の労働時間は10万時間から15万時間です(それに時給を掛ければ、生涯賃金がわかります)。お金と株式を運用すれば24時間365日全く労せずして働いているのと同じです。コツは、若いときからなるべく倹約生活をすること、生活必需品でないものは買うのを控えること、できるだけコツコツ貯金することです。お金を運用できるようになれば、寝ている間もお金は儲かります。素敵なレストランで外食している間も、お金が運用され続けて食事代を儲けてくれているのです(さらに良いのは、仕事の経費につけられる相手と食事をすることです)。

6. 向き不向きがある

冒頭で登場した私の父は現在94歳で、快適な隠居生活を送っています。彼は晩年に少し裕福になりました。不動産ゲームをして1960年代初期にすごいチャンスをものにしたのです。私が12歳の頃、我が家は小さな町に引っ越し、父は大枚をはたいてその町の土地を数ブロック購入しました。そこは、貧しい地域でしたが2本の幹線道路のインターセクションの近くでした。そして、新しいハイウェイのおかげで郊外が急速に開けました。こんな山をはるのに彼がどれだけ強気だったか、私は今でも思い出せます。

ところが、その後の発展は父が予想した旧市街地ではなくて、新設されたハイウェイの反対側にある牛の放牧地帯にことごとく集中しました。そこは当時1エーカー(約1224坪)たったの50ドルで買えたはずの土地でした(今では200万ドルにまで値上がりしています)。さらに悪いことには、ハイウェイの反対側の土地を手に入れなければならないと父が気づいたときには金利が2倍も上昇しました。その後20年間、父はハエ取り紙に捕まって身動きが取れないハエのような気分で暮らし、そのせいでとても気難しい人間になってしまいました。

というわけで、最後の教訓です。富を築こうとする人生を送るには、人によって向き不向きがあり、向いている人だけがすべきです。そこにはリスクもあれば、落とし穴もあります。なにもかもきちんとやって、次から次へとうまくいっても、結局始めたときより悪い状況に終わることもあります。

誰もがこんなストレスや緊張や不確実性に向いているわけではないので、そう考えると、妥当な額の給料で誰かに雇われて働くことも、そう悪くないかもしれません。

Working Won’t Ever Make You Rich. Here Are 5 Things That Will | Inc.
Quora(訳:春野ユリ)
Photo by Shutterstock.

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