花粉症・アレルギー対策や風邪の予防に。痛くない簡単な「鼻うがい」の方法
2012年3月6日公開記事を、編集・修正して再掲載します。
こんにちは。美容研究家の境貴子です。
この時期、アレルギーの代表格といえば「花粉症」ですね。いよいよ本格的に花粉が飛散し始める時期になりました。 日本人の約25%が花粉症だと言われている現在、様々な症状に悩まされる方が大勢いらっしゃいますね。 中でも特に悲惨な症状が出るのが「鼻」です。
■花粉症の辛い症状を緩和させる「鼻うがい」
皆さんご存知の通り、花粉症とは「体に侵入した花粉に反応してしまう、過敏な体質の人に起こるアレルギー反応」です。そこで、耳鼻咽喉科専門医の先生に効果的な花粉症対策方法を伺ったところ、「鼻うがい」がお薦めとのこと。
花粉症の主な症状は風邪の症状とよく似ています。風邪の場合は咽頭痛や咳、痰、発熱、時に筋肉痛がありますが、花粉症ではまずこのような症状は出ません。風邪は大体1~2週間で様々な症状が出て落ち着きますが、花粉症は花粉飛散期間中にくしゃみ、鼻汁、鼻閉、目のかゆみがずっと続きます。
鼻うがいを行うと鼻粘膜に付着した花粉を洗い流す事ができるので、とても効果的な対策方法です。鼻の不快な症状が軽減されます。
(辻中医院・辻中良一院長)
以前、鼻うがいの方法をご紹介させていただいたところ、実践し続けて症状が緩和され、それ以来アレルギー症状が治まっているとの感想を沢山いただきましたので、改めてご紹介します。
■鼻うがいのやり方
用意するもの
- ぬるま湯(煮沸してカルキを飛ばし冷ます)
- 塩(ひとつまみ)
まず、ぬるま湯と塩をよくかき混ぜて生理食塩水を作ります。濃度0.9%程度が望ましいので、250ccの水に対して、2g強が目安です。 作り置きは衛生上オススメできませんので、その都度作ってください。 生理食塩水とは、体液と同じ位の濃さの食塩水で、脱水症状の際の点滴などにも用いられます。体液に近いため、目や鼻の粘膜に触れてもしみませんし、痛みもありません。
手順
濡れても大丈夫な洗面所や浴室で行ってください。手洗いした後、片方の手に生理食塩水をためます。 もう片方の手で鼻の穴を指で塞ぎ、やさしく吸い上げましょう。そして、そのまま鼻から出します。これを両穴で3回ずつ繰り返してください。終わったら鼻周りを拭きます。
注意事項
- 顔は下を向けたまま行いましょう。上を向いたり、頭を左右に振ったりしないでください。
- 直後に勢いよく鼻をかまないでください。必ず水が垂れますが、キレイに拭き取るだけにしましょう。
- 食塩水を吸い込む時に飲み込もうとすると、唾や洗浄液が開いた耳管(じかん)に入り、 中耳炎の原因になる事があります。
- 後鼻(漏鼻汁が外ではなくのどに流れてくる)の症状がある場合、鼻腔内に洗浄液が残りやすいので、鼻洗浄は行なわない方がよいです。
ヨガの鼻うがいには、鼻から吸って口から出すという修行があり、私も行なっていますが、一般的にはあまりオススメできません。なぜなら、中耳炎などのリスクがあるからです。
鼻腔の奥には上咽頭という腔があり、 その下が口腔で、上咽頭にある耳管という管は中耳につながっています。ここにうがいした洗浄液が入ってしまうと、 中耳炎を引き起こす事があります。鼻をかむ時の注意も同様の理由です。鼻腔内に生理食塩水が残っている状態で乱暴に鼻をかむと、その勢いで耳管に入ってしまう恐れがあります。安全に行うためにも無理はせず、やさしく洗浄して軽く拭き取ってください。また、鼻腔内に残った洗浄液を出す方法としては「口を開けながら鼻から息を吐く」といいですよ。
鼻うがいというと「痛そう…」と思われる方も大勢いらっしゃるでしょう。恐らく、小さい頃にプールなどで鼻に水が入った時の事を覚えているからだと思います。 あのツーンとする痛みの原因は、実は「水」です。浸透圧の違いが刺激となり、痛みを感じます。 鼻水がしみないのは体液だからであり、あのしょっぱさがしみない理由です。 これまで鼻うがいをした事のある方でも、生理食塩水で実践していない人も多いようなので、是非一度生理食塩水でトライしてみてください。あの痛みが嘘のように感じますよ。
鼻うがいはつらい修行ではなく、花粉症、埃などのアレルギー対策や風邪予防にもなるセルフケアです。私は鼻うがいがとても体に合っているようで、始めてから風邪で寝込んだ事もありません。決して無理せず、ご自身の体調に合うようであれば、是非続けてみてください。
(境貴子)
Photo by Shutterstock.
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