運動をしないことで脳が受けるダメージ
Inc.:禁煙したい?それなら自分の肺の中を想像すると良いでしょう。もっと懸命に勉強したい? これから先の人生でつまらない仕事をしている自分を思い浮かべましょう。ジム通いを始めたい? それならソファーに寝そべったまま動かず、テレビなどを見てだらだらと過ごすライフスタイルが脳に与える影響について詳しく調べた最新の調査結果をすぐに読みましょう。
減量や心臓病について長年いろいろと言われていますが、運動しないことによる健康への悪影響についての警鐘に対して私たちはずいぶんと無反応になっています。しかし、こちらの最新調査は違います。怠惰な生活が身体に及ぼす影響ではなく、脳への影響を調べたのです。その結果は、衝撃的です。
たった10日で脳は衰える
この研究チームは、この調査のために年齢50歳以上のベテランアスリート12名を集めました。この人たちは調査員用語で言う「マスターアスリート」で、週に最低4時間、高速ランニングをしています。年配者で調査対象にふさわしい人たちの中でも、最も健康な人たちであるとも言えます。そして調査チームは、これら健康オタクたちに10日間何もしないよう求めたのでした。
強制的に怠惰になる期間が終わる頃、この年配アスリートたちの脳をスキャンして、短期間何もしなかったことによる影響を確認しました。その影響にはびっくりさせられたと、Big Thinkのサイトで、『Whole Motion: Training Your Brain and Body for Optimal Health』を書いたDerek Beres氏は報告しています。
「わずか10日間休んだだけで、8つの脳の領域で局所脳血流(rCBF)が鈍くなることが証明されました。最も顕著だったのは、記憶の形成、保持、想起に欠かせない領域、つまり左脳と右脳への血流が悪くなったことです」と彼は書いています。(科学的な詳細をさらに知りたい場合、投稿の全文の確認もできます。)
この結果は、たとえ肉体的にピークにあっても、2週間弱運動しなかっただけで脳に著しく悪い影響を及ぼすほか、記憶力が衰える方向に向かいかねないことを示しています。
留意点と知っておくべきこと
この調査は小規模なもので、知見を得るためにはさらに踏み込んだ調査が必要だと著者が述べていることに留意するべきでしょう。また、10日間何もせず怠惰な生活をしても、認知機能が目に見えて悪化することはないと、彼らは言っています。調査対象者が10日間ほど運動をしなくても、頭が悪くなったり、記憶力が衰えるということは確認されませんでした。とはいえBeres氏が問いかけているように、「では10カ月間運動をしなかったら? また10年ならどうなるでしょうか? 特に運動しないことが記憶の形成や想起能力に関わることからすると、認知機能にも悪い影響が及ぶと考えられます」。
そうするべきであるとはわかっていても、体を動かすことに苦労している人が知っておくべきことは、斬新かつ単純にやる気を起こさせる手法です。今度、暖かいベッドや快適なソファから出てジム用の靴を履くことに苦労するような時は、脳の血流が徐々に圧縮され、衰えていく様子を思い描くとよいでしょう。効果テキメンだと思います。
This Is What Your Couch Potato Lifestyle Is Doing to Your Brain|Inc.
Jessica Stillman(訳:コニャック)
Photo by Shutterstock
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