公開当時はボロクソに評価された名作映画11本
さすが毒舌の映画評論家ロジャー・イーバートは厳しいですな。
今となっては不動の名作と言われるような映画でも、その公開当時は色々な評価をされたもの。もちろん、映画の受け止め方は人それぞれなので、公開当時は大勢に愛される作品ではなかったのかもしれません。
しかしなかには、「それにしても当時批評した人は、今でもこの作品をこういう風に捉えているんだろうか?」と疑問に思うほど酷評された名作映画もあります。
今回はそういった、公開当時ボロクソに評価された名作映画11本をお届けします。
「ファイトクラブ」
こちらはJoBlo Movie Trailersがアップした予告編。
本作は皮肉とアクションを挟んだ回顧録を直感的でハードエッジにまとめた作品だ。1幕の姿勢を最後まで貫けば名作になっただろう。しかし2幕でつけこみ、3幕でペテンに掛けている。フィンチャー監督が考えたメッセージは、ほとんどの観客に伝わっていないだろう。「ファイトクラブ」は、ある人には全く受け入れられず、ある人には中毒性が高い、そんな見せかけの絶叫マシンのような映画だ。
ロジャー・イーバート
「シャイニング」
こちらはMovieCriticBlogがアップした予告編。
ニコルソンを狂人にして、シェリー・デュバルを思いやりのある妻からニヤケ顏のバカなヒステリックな女に仕立てた。
Variety(バラエティ)
「プレデター」
こちらはJohnVexerがアップした予告編。
薄っぺらいプロットを陰惨なデスシーンと巧みなスペシャル・エフェクトで補った平均以上のアクション映画。
Variety(バラエティ)
「スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲」
こちらはStar Warsがアップした予告編。
「帝国の逆襲」は最低な映画ではないが「新たなる希望」ほどの素晴らしさはない。新鮮さと面白みに欠け、驚きとウィットさもない。だが、当たり障りのない内容で誰も傷つかないのが良いところと評価できるだろう。コミックブックを読んでいる感覚だが、それより美しくドキドキハラハラを楽しめる。
NY Times(ニューヨークタイムス)
「サイコ」
こちらはMichaelaがアップした予告編。
この低予算映画には、近年のヒッチコック監督作品にみられたような意味ありげで色とりどりの背景が見られない。ラストは平坦。モーテルに飾られたたくさんの鳥の剥製は伏線ではなく、とりたたて意味がなかったことは失望でしかなかった。
NY Times(ニューヨークタイムス)
「エクソシスト」
こちらはryy79がアップした予告編。
エレガントなオカルト信者の集まり。最後まで鑑賞するのは苦痛でしかない。低レベルでグロテスクなスペシャル・エフェクトを画一した作品。
NY Times(ニューヨークタイムス)
「エイリアン」
こちらはHitmonTomがアップした予告編。
技術的に巧妙でひたむきな商業的アプローチも感じられる。ただ、この映画は「ジョーズ」の恐怖戦法と「スター・ウォーズ」のSFを掛け合わせようとして、失敗ーいや、酷く失敗している。しかし素晴らしい点も持ち合わせていることは確かだ。スペシャル・エフェクトは、現実味を持たせるクオリティの高さで、あらゆる年齢の子供達に悪夢を見させるだけのゴアも含まれている。惜しいのは、理解力と想像力が欠けている上に、人間の感情が漠然としか描かれていないところだ。
Times(タイムス)
「ブレードランナー」
こちらはMovieclips Trailer Vaultがアップした予告編。
「ブレードランナー」のビジュアルは非常に興味深いものがある一方で、ストーリーは面白みに欠ける。しかし、作品の弱さがスペシャル・エフェクトを際立たせているといっても過言ではないだろう。形式上の義務的な恋愛要素、型にはまったヴィラン、クライマックスのハンガークリフ…。この作品はレプリカント同様の問題を抱えている。肉と血の変わりに、機械仕掛けの男の夢でできているのだ。
ロジャー・イーバート
「ハロウィン」
こちらはMiguel Olivasがアップした予告編。
カーペンター監督の人生は映画が全てだったのではなかろうか。というのも、彼は映画のアイディアに始まり、ヒッチコック監督やブライアン・デ・パルマ監督、ヴァル・リュートンといった敏腕プロデューサーの手腕をトレースしているだけのように感じられる。一部の観客には受けるだろうが、子供だましのホラーであり、洗練されているとは言えない。
The New Yorker(ザ・ニューヨーカー)
「ホームアローン」
こちらはJohn Erlerがアップした予告編。
ケビンがいないことに気づいた両親は、なすすべもなく旅行先にいっているが、もっとやれることがあったのでは? もちろん、そうなるとストーリーはそこで終わってしまうのだが、このプロットだと、子供の窮地に対する大人の真剣さが感じられないのだ。
ロジャー・イーバート
「ボールズ・ボールズ」
こちらはMovieclips Trailer Vaultがアップした予告編。
「ボールズ・ボールズ」の脚本はゆるい、非常にゆるい。そのため、撮影が始まっても自由すぎてコミック・インスピレーションを求めるあまりに道を外れているように思われる。
ロジャー・イーバート
今では名作といえる以上の映画たちを見ていると、やはり映画は一人の意見以上に、大衆がどう思うかによって評価されていることが実感できました。今流行っている映画を観て、自分はどう思うか評論家のように考えてみると、また違ったイメージで映画を楽しめるかもしれませんね。
source: geektyrant
(中川真知子)
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