マラソンは「心臓手術」と同じくらい「腎臓」にダメージを与える
私は1週間ほど前にマラソンをしました。やり遂げたことは嬉しいのですが、衝撃的なことがわかりました。エール大学医学部の最近の研究によるとマラソンをすると筋肉痛になるだけでなく2、3日腎臓に害があるのです。
学術誌『American Journal of Kidney Diseases』に発表された研究で、マラソンを完走したランナーの約80%が心臓手術をしたばかりの患者や集中治療室で命の危機にさらされている患者と似たような腎臓機能になることがわかりました。
マラソンを終えたランナーから採取した血液と尿はクレアチンと炎症性たんぱく質のレベルが高く、深刻な腎損傷のある患者とそっくりな状態になるのですが、マラソンランナーの腎臓が永久に損傷したわけではなく、一時的に腎臓の機能にそのような影響を与えただけです。
エール大学の腎臓専門医で、この研究の筆頭著者であるChirag Parikh博士は、こうなるにはたくさんの原因があるとしています。
マラソン初心者の場合マラソン中に脱水状態になりやすく、それが腎臓に大きな負荷をかけることになります。さらに、ランニングをすると体温が上がり、それが炎症を起こし筋肉が破壊されはじめます。
どちらが起こっても血液中に取り込まれるたんぱく質が増加して、それを腎臓がフィルターにかけるべく熱心に働くことになります。その上、走っている間は身体は腎臓から血液を流用して体温を下げようとします。そのせいで、腎臓の機能が低下することになるのです。
Parikh博士によれと、通常であれば生体化学反応は2、3日すれば平常に戻るので、長距離ランナーだからといって心配し過ぎる必要はありません。
とはいえ、競技大会の後は、回復の時間を取ることが重要であると同研究は強調しています。
Patrick Allan(原文/訳:春野ユリ)
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