斬新! Googleの自動運転車用の新特許はハエ捕り紙風
Googleは自社の自動運転車は物に衝突しない能力に長けていて、人命を守ることができると誇示していますが、実際のところテスト車両が公道で接触事故を起こしてたことが明らかになりましたよね…。
路線バスとの接触事故も怖いですが、もし自転車や歩行者と接触してしまったら? そんな時のバックアッププランとして、Googleは人間用ハエ捕り紙的なアイディアを考え、特許の権利を得ることができたようです。
でも人間用ハエ捕り紙って?と思いますよね。これは、車のボンネット部分に強力な粘着力のある素材を取りつけるというもの。こうすることによって、歩行者やサイクリストがGoogleの自動運転車と接触してしまった際に、彼らを二次的衝撃から守ってくれるそうです。
ここでいう二次的衝撃というのは、動いている車と人間が接触事故を起こした際、人間は跳ね飛ばされて車のルーフ方面へと飛んでいったり、硬い道路にたたきつけられたリ、走行してきた他の車に再び跳ねられてしまうというもの。こういったことが起こらなければ、事故にあった人々が受ける怪我やダメージは少なくなるはずなので、接触した時に人間をボンネットにピタっとくっつけてしまえば、この二次的衝撃から守れますね、ということです。この特許は2014年に特許申請されており、自動運転車の全自動運転技術が向上するまでの一時的なソリューションとしてデザインされたもののようです。
それにしても、Googleがどんな種類の粘着剤の使用を検討しているのか気になります。特許の資料の中では、卵の殻風なコーティングでレイヤーを作り、クラッシュしたときに外側の素材が割れてその下の粘着質な層で人間をペタッとボンネットにくっつけるようなイメージなようです。なので、走ってる間に虫やゴミがくっついちゃって困るなんていう心配はいらないようです。
でも、これって本当に有効な対策なんでしょうか?
米国物理学協会のレベッカ・トンプソンさんによると、この粘着性のあるボンネットがあることは、物理学見地からみても良いことなんだそうです。あたりまえですが、車に一回はねられて終わるほうが、再び道路にたたきつけられたり、他の車にはねられるよりもずっと良いですから。また、サイクリストはヘルメットをかぶってはいますが、地面に頭を打ち付けた際に衝撃から頭を完全には守ってはくれないので、そのリスクもなくしてくれます。
この特許を知った時はバカげてると感じがちですけど、何気に良いアイディアなのかもしれません。もっと効果があることを証明する必要もありますし、改善する必要もあると思いますが、車以外の危険性のある動くものへの適応もできるポテンシャルがありますよね。もちろん、自動運転車じゃない普通の乗用車やトラックなどにも使えそう。
ただ、トンプソンさんが心配する問題もあります。それは、歩行者やサイクリストがボンネットにピタっとくっついた際、ドライバーが冷静に安全に車を運転し続けることができるのか? また、くっつき方によっては、車が停止するまでに足や手を車の下に巻き込んで、新たな怪我を負わせてしまうのでは?といったことを懸念しています。その一方で、人がボンネットに張り付くと、事故を起こしたドライバーが逃げることが出来ず、ひき逃げ対策につながるという利点も指摘しています。
Googleだけじゃなく、多くの自動車メーカーはどのようにして、衝突時に歩行者の損傷を和らげるかを考えています。車が歩行者と衝突してしまった際、エンジンフードの後端を瞬時に持ち上げることによって、その下の部品との空間を広く保ち、歩行者の頭部への衝撃を緩和する、日産のポップアップエンジンフードなんかもその例です。
Googleの担当者がMercury Newsにこの特許について話はしましたが、実際にこの目で人間用ハエ捕り紙つきの自動運転車を見る日が来るかは不明。これは、道路でいかに自分たちのロボットが人間の命を守ることを考えているかを伝えるGoogle流の伝えかたの一つなので。
source: US Patent Office via Mercury News
Alissa Walker – Gizmodo US[原文]
(junjun)
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